温泉クンの旅日記

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牧之通り 新潟・南魚沼

2011-08-28 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <牧之通り>

 現在では国道17号とよばれる三国街道は、関東と越後を結んでいる主要な街道である。かの上杉謙信も三国峠を越えてたびたび関東へ遠征した。
 中山道の高崎宿から北陸街道の寺泊宿まで続くわけだが、南魚沼の塩沢宿もその街道の途中にある。

 塩沢といえば塩沢つむぎぐらいしかすぐには思いつかないが、その塩沢に古い町並みが再現されたということを聞き込みさっそく訪れてみた。わたしは古い建物や町並みが大好きなのである。



 国道17号を走り塩沢駅を目標に信号で折れて、駅のすぐ手前を右折して「鈴木牧之記念館」のそばにある無料大駐車場を利用する。鈴木牧之は、その著書「北越雪譜」で知られる文人だそうだが、わたしは寡聞にして知らない。牧之は江戸時代後期の随筆家で、著書の内容は雪国の民族誌ということである。

 その地元塩沢生まれの文人鈴木牧之から名前をとった、「牧之(ぼくし)通り」である。



 町並みの長さだが三、四百メートルといったところである。
 豪雪の土地柄なので、通路には風情のある雁木が組まれている。



 景観がとても広くすっきりしているのは、電線と電柱が地中に埋設されて視界に無いせいだ。



「百年後、自分たちの孫の時代に誇れる街」を理想に掲げ、約十年かけて平成二十二年にこの町並みが完成した。
 この通りだが、国土交通省より「都市景観大賞」に選定された。



 二往復ゆっくり歩いての感想は、例えていうならこの通り、デザインはいかにも古いレトロなボンネットバスだが、ボディは軽量化した最新の機材を使用し、ハイブリッドエンジンやらABS機能やら最新技術の粋を搭載したものを観るようで、まだまだ少々年月の経過が必要なようだ。
 自慢の「雁木」も、歴史ある黒石のものにはかなわない。
 ただ、画像などなら「写り」はそれなりに好いものができるだろう。
                 
 この通りの町並みにいかにもマッチした一軒の蕎麦屋がある。



 はいってみると、昼時にかかわらず広い店だが客は二組しかはいっていなかった。
 店の内装やら器などもまずまずで、素材を厳選しているという能書きのあれこれも、いかにも客に期待をもたせる。だが待てよ、能書きが多い店はいわゆる「当り」でないことが多いのだ。



 やっぱり・・・残念ながらここの蕎麦は、いただけないモノであった。
 肝心の蕎麦がまず、いけない。茹でかたが甘いのか、ぼそぼそのでれでれの蕎麦で歯ごたえ喉越し悪く、出来の悪い乾麺のような味わいである。

 福井の山奥の温泉にいったとき、「手打ち蕎麦」を謳う店に入りカウンター席から厨房を見ていると乾麺を鍋に投入しているのをみてがっかりしたことを思いだす。手打ち蕎麦の乾麺を使っている、それのどこが悪い。そう言うのかも知れないが、饂飩に比べると蕎麦はまだまだ乾麺で旨いのはあまりないのだ。

 蕎麦つゆも「力」というか元気のまったくないモノで、おまけのように付いた天ぷらをちょっと漬けたら一発で油に負けてしまった。
 もう、やめた。半分以上、蕎麦を残してしまう。

 この蕎麦屋、せっかくの町並みの足を引っ張ることになりかねない。越後でも信州の蕎麦屋でいいから、短期間でも修行に出した方がいいのではないか。ええい、この店を選んだ自分に腹がたつ。



 蕎麦屋を出て、路地の入り口にあった「半熟かすてら」で口直しをした。



 四百八十円と代金はちとお高いが、米粉(魚沼産コシヒカリ)を使っているとは思えないほどの上品な甘みと口当たりのいい美味しいカステラのお陰で、ようやく気分が変わったのであった。


   →「青荷温泉(1)」の記事はこちら
   →「青荷温泉(2)」の記事はこちら

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