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温泉クンの旅日記

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さすが、の牛バラご飯

2012-05-30 | 食べある記
  <さすが、の牛バラご飯>

 有楽町駅の日比谷口を出たら、ガード沿いに帝国ホテルに向かって歩く。





 晴海通りの信号を渡ればもうすぐで、駅から五分とかからない。



 純広東料理「慶楽」。
 昭和二十五年創業であるから、六十年を超えている老舗である。

 入ったのが書き入れ時を過ぎた午後一時前であったが、ほぼ満員である。ただ、ほとんどの客が食べ終えるようだ。
 一階奥の、四人掛けテーブル席に案内された。ひとりだから恐縮して座るが、なあに実は嬉しい。

 運ばれたお茶で喉を潤しながら、メニューを一応は見るふりをする。わたしの注文は鼻から決まっているので迷いはない。ただの格好つけである。

 メニューの品数は非常に豊富で、古代の神の名前のような長く難しい漢字がずらりとならぶページが多い。
 この店の人気メニューは「上湯炒飯(スープ入ヤキメシ)」、「肉絲炒麺(豚肉とモヤシやきそば)」、「蝦仁湯麺(エビつゆそば)」、それに「燒賣(シュウマイ)」などである。

 手をあげて店のひとを呼び、
「牛バラご飯を」
 正式名称はわからぬが、これで注文はオッケーだ。週に二度いく店を別にして、一村一品ならぬ「一店一品」がわたしの基本である。行く店で頼むものはひとつなのだ。

 牛バラご飯・・・ああ、懐かしい。

 丸の内で働いているころの昼飯といえば、「鳳鳴春」が支店長課長クラスの行きつけの店のひとつであり、「慶楽」は部長クラス以上のお偉いさんの行きつけであった。
 勤めていた外資系会社の、日本人経営者のトップであったYさんがこの店の「牛バラご飯」が大好物であったのだ。
 怖いものなしの若造のわたしも給料日とか賞与がでたときに、Yさんの真似をして同じものを食べていたのだった。

 連れのいない常連客が次々と入ってきては、「エビチャーハン」とか聞き取れない名前の麺類を頼んだ。
 わたしの「牛バラ」だけでなく、人気メニュー以外の好みの品が常連にはそれぞれあるようである。

 あまり待たされることもなく、料理が運ばれてきた。



 量は男にはすこし足らないぐらい、普通のカレーライスを思ってもらえればいい。女性だったら「ご飯を少なめに」と注文の際に言えばいい。

 まず、スプーンで牛バラ肉を口に入れる。
(うーん、これこれ、間違いない、この味だ)
 さすが、慶楽、味はぜんぜん落ちてはいない。

 口のなかでほろほろと溶け崩れる、味わい深い牛肉がたまらない。
 とびっきりのビーフシチュー、オン サ・ライスを想像したらその味わいをわかりやすい。。ビーフの煮込みがドミグラスソース味ではなく、極上の中華丼に使用するような奥深い中華スープ味になっている。とろみはごく薄い。
 たっぷりの牛肉のほかには、青菜がはいっていた。

 牛バラご飯・・・この店の隠れた逸品である。こいつを食べ終わると、お代の千百五十円は決して高くはない。
 伊勢廣とともに、お薦めのランチである。


  →「焼鳥屋の絶品ランチ」の記事はこちら
  →「鳳鳴春の坦々麺」の記事はこちら

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