新栄堂の占い日記

私はプロの占い師ですが、鑑定をしながら日頃感じる事…を書いております。

傷官星と心理学(高木乗 先生の講義から)・・・1

2012年10月03日 | 傷官星と心理学(高木乗先生講義録)
日頃、鑑定をして感じることは、四柱に傷官星を持ち、その傷官星が良い作用を及ぼして素晴らしい才能を発揮している人が多いことです。しかし、逆に傷官星が悪く働いて、精神的に不安定になり、人生に多くの試練を感じておられる方も多くいらっしゃいます。…その様なことを意識しているときに、高木乗先生の傷官についての講義録が送られて来ました。
皆様の参考になると思いまして投稿しました。

以下は、故 高木乗先生の講義録からの抜粋です。

・干星の中で最も変化が激しく、その判断の上で微妙な働きをするのは第一に傷官で第二に偏官である。
・その他の星もそれぞれの変化があり、他星との関係でさまざまな働きをするが、傷官・偏官ほどに複雑ではない。

●心理学上の興奮性と傷官星との関係について。
心理学に於ける興奮性には、広く生命体としての反射の問題が含まれる。反射というもは、条件反射と絶対反射とに区別される。
条件反射は後天的に積み重なって習慣化されたもの。絶対反射は生命自体の根源性、生来的な特性の上に於ける反応を言う。心理学的な外観として「よろこび」「悲しみ」「苦しみ」「怒り」「怖れ」などの一連の精神感情が反射的に起こす知 覚もまたその現象としてとらえられる。
傷官星は、近代の学問科学として理論づけられた絶対反射を古代的に把握していたものである。
傷官星は、その生まれながらにしてもつ精神感情、それを強く表面に押し出して外界に反応し、反射していく活動作用 が殊に強調されることをいう。
傷官星のある人は、外界の事象その生活環境はもとより、時々刻々に移り変わる目前の現象に対しても、常に敏感に強 く反射、反応を表現する。
要するに、一般的には何でもない小さな音、かすかな光に対しても反応し、あるいは他人の軽い気持ちで言ったりした 事柄を気に病んで、それに強く反応して、そこに異常とも思える精神感情を表す。いわゆる心理学でいう「生命体の強い興奮性」が具現される。
このように傷官星の強い人は一寸した外界の刺激にも敏感にデリケートに反射して、泣き笑い、悲しみ、喜び、怒り、怖れ、そして時にはそれが衝動的な言行によって発展していく。そうした言行はいわば結果としての現象ですが、根本的にはその人の生命体特有の興奮性がそうさせるのである。
傷官星を心理学の立場から見ると、それは生命体の興奮性によることは理解される。この興奮性は広い意味で、衝動性と感受性とに分けられる。
我々の現実の生活においては、この両者は表裏一体となって現れる場合があり、また感受性のみが強く働く場合も多い。
衝動性には偏官星にも結びつくものがあって、それは行動としての積極面であり、感受性はその行動の否定的な消極面を現す場合もある。しかし、いずれにしても傷官星は人間の精神に、そして印綬性などそれ以上に微妙な心の動きとして現れるものであるから、また一面に於いては非常に優秀な素質であることが考えられる。それ故にこそ、全て傷官星のある者は天才的な才能とそれにふさわしい輝かしい運命者と成りえる素質を持つ。
傷官が財を起こして働くものは、経済・利殖の才能に勝り、傷官が印綬と結びつき、尅するものは芸術家、心霊者としての才能に奏でるものがある。しかし、その傷官の感受性があまりにも強いとき、またあまりにも偏向的であるとき、更には精神の抑圧が甚だしい時には、そこに人間性の欠陥が現れ、その人に「悪い心)使いが現れる。そして不幸が起こる。傷官星が一般的に凶星として働くのは、この感受性の偏向によるものであって、才能の優秀性の紙一重の裏側で、精神分裂の狂者となるのは、この感受性の挫折と矛盾と葛藤によるものである。
この事は命理学に於いては、傷官・食神と、それを尅する偏印との関係、働きと考える事が出来る。だから、偏印倒食するものは、多く一方には天才とも思えるような非常に優れた才能(時には悪知恵となって働く)を持ちながら、社会的な矛盾を敢えて言行に表し、非常識な行動に出るものである。


2へ続く…
コメント (12)
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