新栄堂の占い日記

私はプロの占い師ですが、鑑定をしながら日頃感じる事…を書いております。

傷官星と心理学(高木乗 先生の講義から)・・・2

2012年10月04日 | 傷官星と心理学(高木乗先生講義録)
傷官星のある人は、多くのデリケートな感受性が強いものであるから、普通の人以上に余分な心を使う。それで恥ずかしがりや(内行的で人前から逃げたい感情が先に立つ)。劣等感を抱く、凝り性、批判する、熱中しやすく止まるところを知らない)、又は反抗する。つまり感情に走り過ぎる。また、責任や干渉や期待される事から逃げたい気持ち。それから反発してやけくその気持ち、怒り・悲しみ・感情が溢れてしまう。その上にも暗示にかかりやすい。
こうした、人間として社会人としての「好ましくない心遣い」をする人の多くは、命理学上から見れば、いずれかの形で傷官星が官星を破り、あるいは多過し、さらにはその生日の地支が死・絶している様な命式となる。傷官星のある人は、その素質の根源的な優秀性を深く自ら認め、その積極的な建設的な言行を積み重ね、好ましくない心遣いを努めて出さぬ努力をして、社会生活の上に於いて、心理学的な条件反射の固定化としての良き習慣をしっかりと身に付けることである。そこに幸運にいたる道・開運の道がある。
傷官星のある者は、欲求の阻止が人一倍その精神にこたえる。阻止されると、コツンとした感情を強く受ける。だからといって、その欲求不満にいつまでもかかわってはいけない。
傷官星の強く悪く働くような人は、わが環境、わが能力の正しい認識がなければならず、そしてそれを一段一段改善し、向上する努力を惜しんではならない。批判より反省が大事である。
とにかく、傷官星は元来人間として、最も優秀なるべき素質を示す星である。にもかかわらず、それが悪く働けば、時には人生の破滅と結びつきやすい。「好ましくない心遣い」は一日も早く抑制することを常に習慣づけ、人間としての優秀性を発揮すべく努めていかねばならない。開運は自制の心から出発する。

●過傷官と仮傷官
過傷官=傷官星が命式中に数多くあるものを言う。
仮傷官=(食神・食神)、(食神・傷官)、(傷官・傷官)が入り混じって、それが数多くあるものをいう。
仮傷官は食神星が多く集まると、仮に=実は全く同じくらいに=過傷官の働きをするところから名づけられている。
傷官や食神が2つ以上=干合支局によって生じたものを含めて=命式中に現れると、この過傷官となる。それが更に3つ、4つとなると、いささか救い難いほどの状態にまで強く作用することがある。
過傷官の人には次の様な現象がある。
① 病身である。健康体でも時には手術などする。或いは突然の事故、怪我などの災難を受ける。
② 非常に感情家である。泣いたり、笑ったり、怒ったり、その時々の気分で急激に感情の変化がある。
③ 潔癖症である。部屋のかすかなホコリが気になり、一日中掃除をしている様な女性も居る。
④ 好き嫌いが激しく情熱家である。人見知りをする。期にくわないと相手かまわず礼儀もわきまえない事になる。しかし、気に入ると猫かわいがり。或いはゾッコン惚れ込んで夢中になる。
⑤ 理想家である。これが甚だしくなると妄想にふけりとりとめがなく分裂症的な性格となる。
⑥ 努力家である。思いつめると食事も忘れて夢中になる。時には利害打算を抜いて行動する。
⑦ 宗教的意識が強い。また、学問芸術にも高い関心を持つものである。

こうした長所や欠点が全部揃って現れる人もいるが、多くの人はその時々の外界の事象に反射して継続的に現れる。そして過傷官や仮傷官の人は、その欠点の為に人生をマイナスにする場合が多い。しかし、中にはその欠点をカバーして長所を活かし、人生をプラスに転向させる人もいる。
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傷官星と心理学(高木乗 先生の講義から)・・・1

2012年10月03日 | 傷官星と心理学(高木乗先生講義録)
日頃、鑑定をして感じることは、四柱に傷官星を持ち、その傷官星が良い作用を及ぼして素晴らしい才能を発揮している人が多いことです。しかし、逆に傷官星が悪く働いて、精神的に不安定になり、人生に多くの試練を感じておられる方も多くいらっしゃいます。…その様なことを意識しているときに、高木乗先生の傷官についての講義録が送られて来ました。
皆様の参考になると思いまして投稿しました。

以下は、故 高木乗先生の講義録からの抜粋です。

・干星の中で最も変化が激しく、その判断の上で微妙な働きをするのは第一に傷官で第二に偏官である。
・その他の星もそれぞれの変化があり、他星との関係でさまざまな働きをするが、傷官・偏官ほどに複雑ではない。

●心理学上の興奮性と傷官星との関係について。
心理学に於ける興奮性には、広く生命体としての反射の問題が含まれる。反射というもは、条件反射と絶対反射とに区別される。
条件反射は後天的に積み重なって習慣化されたもの。絶対反射は生命自体の根源性、生来的な特性の上に於ける反応を言う。心理学的な外観として「よろこび」「悲しみ」「苦しみ」「怒り」「怖れ」などの一連の精神感情が反射的に起こす知 覚もまたその現象としてとらえられる。
傷官星は、近代の学問科学として理論づけられた絶対反射を古代的に把握していたものである。
傷官星は、その生まれながらにしてもつ精神感情、それを強く表面に押し出して外界に反応し、反射していく活動作用 が殊に強調されることをいう。
傷官星のある人は、外界の事象その生活環境はもとより、時々刻々に移り変わる目前の現象に対しても、常に敏感に強 く反射、反応を表現する。
要するに、一般的には何でもない小さな音、かすかな光に対しても反応し、あるいは他人の軽い気持ちで言ったりした 事柄を気に病んで、それに強く反応して、そこに異常とも思える精神感情を表す。いわゆる心理学でいう「生命体の強い興奮性」が具現される。
このように傷官星の強い人は一寸した外界の刺激にも敏感にデリケートに反射して、泣き笑い、悲しみ、喜び、怒り、怖れ、そして時にはそれが衝動的な言行によって発展していく。そうした言行はいわば結果としての現象ですが、根本的にはその人の生命体特有の興奮性がそうさせるのである。
傷官星を心理学の立場から見ると、それは生命体の興奮性によることは理解される。この興奮性は広い意味で、衝動性と感受性とに分けられる。
我々の現実の生活においては、この両者は表裏一体となって現れる場合があり、また感受性のみが強く働く場合も多い。
衝動性には偏官星にも結びつくものがあって、それは行動としての積極面であり、感受性はその行動の否定的な消極面を現す場合もある。しかし、いずれにしても傷官星は人間の精神に、そして印綬性などそれ以上に微妙な心の動きとして現れるものであるから、また一面に於いては非常に優秀な素質であることが考えられる。それ故にこそ、全て傷官星のある者は天才的な才能とそれにふさわしい輝かしい運命者と成りえる素質を持つ。
傷官が財を起こして働くものは、経済・利殖の才能に勝り、傷官が印綬と結びつき、尅するものは芸術家、心霊者としての才能に奏でるものがある。しかし、その傷官の感受性があまりにも強いとき、またあまりにも偏向的であるとき、更には精神の抑圧が甚だしい時には、そこに人間性の欠陥が現れ、その人に「悪い心)使いが現れる。そして不幸が起こる。傷官星が一般的に凶星として働くのは、この感受性の偏向によるものであって、才能の優秀性の紙一重の裏側で、精神分裂の狂者となるのは、この感受性の挫折と矛盾と葛藤によるものである。
この事は命理学に於いては、傷官・食神と、それを尅する偏印との関係、働きと考える事が出来る。だから、偏印倒食するものは、多く一方には天才とも思えるような非常に優れた才能(時には悪知恵となって働く)を持ちながら、社会的な矛盾を敢えて言行に表し、非常識な行動に出るものである。


2へ続く…
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