ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

日記 「民族の心,、舞が繫がれていきます」(2012.2.12)

2012-02-12 21:23:24 | 日記
日記  「民族の心、舞が繫がれていきます」


 東成区民センター(大ホール)で6時45分から8時半まで、PUM民族舞踊学院第3期卒業記念公演(代表 宋英愛,講師 李南景)を見てきました。

 「素晴らしい!」のひとことです。なんと優雅な踊りでしょう。麗しい祖国の山河に抱かれたような安らぎと幸せを感じて帰ってきました。まだ余韻が残っています。初級学生から高級学校卒業生に至るまで、人数は多くないけれど一人一人の水準がとても高いのです。指先から足指の先まで全細胞が生きています。何しろ美しいのです。2時間近い時間、すべての演目に見とれてしまいました。

 異国に生まれ育った子供達がこんなにも民族情調豊かな感性を持ち、民族の誇りも高らかに舞うのです。民族舞踊の素晴らしさが余すところ無く表現された舞台でした。

 全員が白いチマチョゴリを着て踊った「学院舞踊基本動作」、初等科の「鳳仙花―花遊び」、予備科の「手太鼓の舞」、予備科ー崔悠順さんの「機織る乙女」、予備科ー鄭淳夏さんの「貝の舞」、独舞は2作とも中学生とは思えぬ優雅さです。

 専門部ー玄純夏、朴春玲、朴善友さんの「クェンセノリ」、卒業作品「トラジ」、「天安三距離」、2部では初等科の「サンモと鈴の舞」、卒業作品「祖国への思い」、予備科の「花帽子」、専門部の「ハンサンの舞」、卒業作品「チャンゴの舞」とすべて水準の高い舞踊ばかりでした。

 今日の主人公は高和鈴(中1から6年この学院で学びました。)、鄭宝物(京都から4年間通いました。)さんです。二人の高校卒業を記念しての公演です。

6年前、宋さんの生徒は高和鈴さんだけでした。

 宋さんは祖国で5年間ピョンヤン音楽舞踊通信大学で鞍舞を基礎理論からしっかり習い、すべて習得され優秀な成績で卒業しました。彼女が祖国での卒業公演で披露した従軍慰安婦をテーマーにした作品は祖国の舞踊家達をビックリさせるほど斬新なものでした。

 私も彼女が創作し自ら踊ったその踊りを見て、感動のあまり胸が詰まったほどです。こんな素晴らしい才能を持った人がこの大阪にいる。どんなに喜んだかも知れません。でも彼女は自分が舞台に上がることよりも、創作者、舞踊指導者の道を選んだのです。

 その彼女が育てた素晴らしい芸術家の卵たちが今日巣立っていくのです。高和鈴さんは金剛団歌劇団への入団が決まり鄭宝物さんは進学するそうです。二人のご両親や家族、学校の舞踊指導の先生や友人達に対する感謝の言葉、特にお二人のこの学院の師匠に対する涙ながらの感謝の言葉は観覧者すべての方々の胸に届いたと思います。

 民族の心が3世から4世に、5世に繫がれていっています。

 素晴らしい舞台を有り難う。朝鮮舞踊は美しい、白い指先にまで神経の行き届いた素晴らしい民族舞踊の優雅さを堪能させていただきました。

 今日も幸せな日でした。
コメント (4)
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