風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

蜂と墓参り

2015-08-14 19:57:24 | 日記
 

岩手県紫波郡紫波町の陣ケ岡。

坂上田村麻呂が志和城造営の際に宿営地としたところとされ、前九年合戦の際には源頼義・義家率いる軍勢が陣を張り、安倍貞任の首を曝した場所と伝えられ、また源頼朝の奥州平泉征伐の際には、義家の故事に倣い、藤原泰衡の首を曝した場所でもあると伝えられています。

現在は「陣ケ岡公園」として整備されており、その公園内に鎮座されているのが、「蜂神社」です。

前九年合戦時、強敵の安倍勢に押され気味だった頼義・義家は一計を案じ、蜂の巣を大量に集めて安倍陣営に投げ込み、蜂に恐れをなした安倍勢を撃退したのだとか。

その蜂を神として祀ったのが、こちらの神社の起源なのだそうです。



全国的にも珍しい、蜂を神として祀った神社ですが、元々日本では、大自然のありとあらゆるところに「神」の伊吹を感じていたわけですから、蜂に神を感じたとしても、なんら不思議はありません。





蜂の毒は時に人間を殺す力を持っています。古代日本人はこのような「力」を持つ存在に神的なものを感じていたのではないか、といわれています。

オオカミや熊、蛇などと同じような強い「力」を持った存在として、蜂を認識していた、つまり「神的」なものと捉えていた、と考えても無理はない感じがしますが、

いかがでしょう。



あるいはオオカミや蛇は神の「眷属」としても認識されていますね。それと同じように、蜂もまた、神の眷属的な存在として認識されている面があったのかも知れない。


蜂そのものというより、蜂を眷属とする神を祀る場所であったのか。



そういえば、陣ケ岡公園内の池には、「日の輪、月の輪」という伝承があるそうです。

源氏の旗印である日月の印が池の中に浮かび上がったのを観た源義家が、「これぞ勝機の証し」として安倍陣に攻撃を仕掛けたという言い伝えがあるそうです。

「日月」ですか、日月の神?ほほう。


あるいはこの、「日月の神」の眷属の一つが、蜂だったのかもしれない。


神気の強い神社を参拝すると、ブーンという、蜂が飛んでいるような音を聴くことがある、なんて話があります。

私自身、経験がないわけじゃありませんでしてね。まあ、ですから

蜂が神の眷属という発想は、私的にも極めて納得できるんですよ。

蜂神社、日月の神……。



なにやら、面白いですねえ。











今日ようやく時間が空いたので、お墓参りに行ってきました。



久々に我が家の墓を訪れると、墓石になんと、蜂の巣が!!!!!


幸い使用済みの巣だったようで、住民はすでに転居した後。数匹のアシダカバチ(多分)が羽音もたてず元気無さ気に飛び回っているだけでした。

その蜂達に「ごめんなさいよ~」と声をかけ、早速に巣を撤去。飛び回る彼らは特に抵抗を試みる様子もない。

この時期、なるべく殺生は避けたかったので、彼らのこの態度はとても有難かった。


軒下に蜂の巣が出来た家は縁起が良いとか云われていますが、蜂の巣が出来たお墓ってのは、どうなんでしょうね?

縁起が良い墓ってのも、変ですか?(笑)



縁起が良い悪いはともかく、「墓守」をしてくれていた蜂達にも感謝しつつ、今年のお盆のお墓参り、

無事終了致しました。





【蝉しぐれ 蜂をお供に 墓参り】
  

お粗末。








♪ハチのムサシは死んだのさ~。ハチに刺されて死んだのさ~♪


あれっ?なんか違う……?