風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

光あるところに影がある

2018-05-31 05:55:21 | 名ゼリフ










アニメ『サスケ』を知っている人は、やはり50代以上でしょうか。


サスケなんて言うと、最近はナルトの登場人物のサスケを連想する方が多いかもしれませんが、そっちじゃありませんからね。


忍者漫画の泰斗、白戸三平原作、猿飛の術を使う真田忍者の生き残り、大猿大助の一子サスケを主人公にした忍者アニメです。



白戸三平の忍者漫画には、忍術に関する「科学的」解説というものがついていて、子供なりに少々賢くなったような気にさせたものですが、いまから思うにこの「科学的」解説という奴、どうにも机上の空論的なものが多く、実際にはそううまくいかないだろう、というものばかりだったような気がしますね。まっ、それもまた一興ということで。



ところで、この『サスケ』で私がもっとも印象に残っているのが、オープニング・ナレーションです。






【光あるところに影がある
まこと栄光の影に数知れぬ忍者の姿があった
命をかけて歴史をつくった影の男たち
だが人よ 名を問うなかれ
闇に生まれ闇に消える
それが忍者のさだめなのだ】

「サスケ!お前を斬る!」






栄光の名を恣にしている歴史樹の英雄の裏側には、人知れず働き、戦い、命を散らしていった名もなき多くの人達がいる。


光当たる者たちには、必ず影ができるもの。むしろその影こそが肝要。影の働きあってこそ、光は輝く。



人の普段の生活は、誰とも知らぬ多くの人々の働きによって成り立っています。これを


「御蔭様」と云います。


陰陽は「陰」が先に来るんですね。「陰」がまずあって、そこから「陽」が生まれるらしい。



「影踏み」とか「影鬼」とかいう遊びがあったそうですね。影を踏まれた者は「鬼」になって、別の人の影を踏むため、人を追いかける。また、影を踏まれた者は命が縮むとか、2年以内に死ぬなんて俗説もあったようで、影は命とも関係があるらしい。

自分の影がなくなっているのを気付いた人は間もなく死ぬ。なんて都市伝説もあるようだし、吸血鬼の姿が鏡に映らないのは死んでいるからですが、鏡に映った姿を俗に「影」ともいいますよね?つまり吸血鬼は死んでいるから影がない。だから鏡に映らないんです。




どうやら「影」「陰」「蔭」というものは、「命」とか「生きる」とかいったことに、とても重要な意味を持つ、大切なもののようです。



この世の営みは名も知れず陰で働いている多くの人々の「御蔭」で動いており、その「御蔭」で我々は生かされている。


ホント、「御蔭様」なんですねえ。


まさしく


【なにごとのおわしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる】


という西行の歌は、そのまま「御蔭様」にも当てはまる。



深いねえ~(笑)




「光あるところに影がある」光があたるところばかり見ていないで、その光から伸びた影をこそ大切に。光があるから影があるのではない、本当は



影があるから、光がある。



「御蔭様」に感謝しましょう。





ちなみにサスケの父、大猿大助の声を演じた外山高士さんは、時代劇の悪役俳優として活躍された名バイプレーヤーです。「時代劇専門チャンネル」などを見ておりますと、毎日のようにどこかの時代劇に出演しておられて、見ない日はないというくらいに大活躍しておられた。

実写だけではなく、アニメの時代劇でも活躍しておられた。いやあ



素晴らしいですねえ~。





外山高士

映画 『We Are X』 2017

2018-05-30 09:50:00 | 映画











YOSHKIの書く曲はいつも泣いている。という意味のことを以前書きました。



彼らのデビュー曲『紅 -KURENAI-』を初めて聴いたときの衝撃はいまでも忘れられません。曲の異常な速さ、激しさ、流麗なメロディ。しかし私が一番惹かれたのは、それらの根底に流れている、激しい悲しみでした。

まるで号泣しているとしか思えないほどの激しい悲しみ。強烈な痛み。



私はこの曲一発で、彼らのファンになっていた。





幼い頃に遭遇した父の自殺。生きるとは何か、自分とは何なのか。得られぬ答えを求めてさすらう日々。


なにもかもを壊してしまいたい破壊願望、この世から消えてしまいたい破滅願望。



そんな彼の支えになったのは、おそらく音楽だったのだろう。



幼ない頃からの盟友Toshiの変容によるX解散、さらにはその5か月後、もっとも信頼を寄せていたバンドメンバー、HIDEが亡くなってしまう。



自分と関わったものが皆壊れていく、皆死んでいく。怖くて外出すら控える日々が続く。



もう音楽すら辞めてしまおうかと思っていた矢先に飛び込んできた依頼、それは、



天皇陛下在位10周年記念式典で演奏される奉祝曲作曲の依頼でした。



国のため陛下のため、失敗は絶対にできない。



己を奮い立たせ、作曲に打ち込む日々。



そうしてYOSHKIは確信するのです。己の生きる道は


音楽しかない、と。



ある意味、音楽の方がYOSHKIを手放してくれなかったのかもしれません。





「心の傷は消えない。でも寄り添うことはできる。自分をさらけ出すことで、今にも死のうとしている命を救うことができるなら」YOSHKIはドキュメンタリー制作の理由をこのように語っておりました。


Xの曲は人の心を激しく揺さぶる。しかし一方で、人の心の傷に、優しく寄り添っている、とも云えるのでしょう。



なぜXが、YOSHKIが世界中で支持されるに至ったか。その理由の一端が


ここにあるのかもしれません。

X JAPAN [White Wind From Мr.Мartin ~Pata’s Nap~/Voiceless Screaming] 1991

2018-05-29 05:13:31 | 今日のメタル












X JAPANというバンドは才能の宝庫だったといっていい。



PATA作曲によるギター・ソロ曲『ホワイト・ウインド・フロム・ミスター・マーティン』(マーティンとはPATAの弾いているギターのメーカー名)から始まり、ベーシストTAIJI作曲によるバラード曲『ヴォイスレス・スクリーミング』へと繋がっていく見事な展開。TAIJIはベーシストとしてはトップ・クラスのプレイヤーで、ラウドネスのドラマー樋口宗孝や、セッション・ドラマーのそうる透氏などの名だたるドラマーにその腕前を絶賛されたほどの人物でしたが、一方では大変なギターの名手でもあり、ラウドネスの世界的ギタリスト、高崎晃をもうならせたほどの腕前だったとか。それは有り余る才能の持ち主であったとともに、大変な努力家でもあったということでしょう。



なにより、音楽が「好き」でたまらなかったのでしょうね。





その活動の場は、主にハード・ロック、ヘヴィ・メタルの世界に限定されておりましたが、それ以外の音楽にも造詣が深く、この曲などはどこかトラディショナル・フォークの香りがします。

この難しいギター・プレイは、同バンドのギタリスト、HIDEをして「俺には難しくて弾けない」と言わしめ、PATAもまた「TAIJI程には上手く弾けない」と語ったとか。


まあ、ミュージシャンとして大変な才能の持ち主だったことは確かです。



しかしこれほどの才能の持ち主であっても、必ずしも輝かしい人生を歩めるとは限らない。どうも生き方が下手だというのか、その才能を生かす場に恵まれず、貧困に苦しみ、ケガと病気に苦しんだ壮絶な人生でした。


遂には2011年、45歳の若さで不慮の死を遂げてしまう。その死因には不審な点も多いとされ、未だ謎に包まれています。




プレイヤーとしても作曲家としても、大変な才能を持った方でした。なんとかこの方の才能を生かす方策はなかったものか。大変残念に思います。




TAIJIという稀有なる才能が残した素晴らしいバラード、じっくりとご堪能下さい。






TAIJI(沢田泰司)

有安杏果卒業ライヴ 『OPENING ~新しい青空へ~』Blu-ray鑑賞記

2018-05-28 10:06:39 | ももクロ





なんかね、あんまり多くは語りなくない気がします。


心の整理はついたつもりだったのだけど、こうして改めて見てみると、やはり寂しい、やはり哀しい。


でも自分で選んだ道だから、頑張れとしか言えないんだよな。



杏果の表情を見ていると、ももクロで自分ができること、自分が今出来ることはすべてやりつくしたという、「やり切った感」しかないことがわかる。今の自分のすべてを出し尽くし、そこには後悔も未練もない。


あるのはただ、感謝のみ。



しおりんがずっと静かに泣き続けていたのが印象的でしたね。夏菜子は「ついてこい、とは言えませんけど……」という言葉を2回も云っており、よほど心細かったのだろうなということがわかる。この夏菜子の言葉を受けたれにちゃんが、夏菜子のかわりにモノノフさんたちへ向かって「オマエらついてこい!」を叫ぶ。自分たちが不安がっていたのでは、モノノフさんたちもまた不安に思ってしまう。モノノフ想いのれにちゃんとしては、それだけは避けたかったのだと思う。

なんか、ほっこりします。




かくして杏果は、ももクロを去りました。



それから4ヶ月、4人のももクロは遂に、東京ドームライヴへと臨んだのです。











杏果が去って4か月、新たな「覚悟」を定めたももクロがそこにいました。自身を持って「ついてこい」とは言えなかった夏菜子の、覚悟を決めた「オマエらついてこい!」が心に響く。


杏果の卒業は、残ったメンバーに新たな覚悟を定めさせ、気合を注入させた。思えばこれこそが、杏果のももクロにおける「仕事」の総仕上げだったのかもしれない。



ももクロを宇宙の高みまで押し上げる推進ロケットとして、杏果は最後の最後までその仕事を全うして去っていったのです。



杏果の役目は終わりました。これからは、ももクロの行く道程を静かに見守ってあげてください。



有安杏果さん、長い間のお役目、本当にお疲れ様でした。


ありがとう、本当に本当に、



ありがとう……。

Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~

2018-05-27 15:29:38 | ももクロ







終わらぬ試練に立ち向かっていく

故郷を想って戦う人たち

改めて想おう 何が出来るだろう

それは

力いっぱい歌って踊ること!

ついてこいやあ!

たとえ雨がまだやまなくても

傘となりて君を守るよ

忘れない この平和は当たり前じゃない

涙の記憶を胸に刻み込め


負けんなよ

頑張ってる

大丈夫

知ってるよ

絶対諦めない WE ARE

ももいろクローバー ゼーーーーーット!!!!

(作詞・作曲。前山田健一。歌、ももいろクローバーZ
『Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~』より一部抜粋)




2011年。早見あかりの脱退に伴い、6人から5人となった新生ももいろクローバーZの幕開けを告げた曲。『Z伝説 ~終わりなき革命~』

東日本大震災直後のリリースということもあり、一見ふざけているようで実は被災者のみなさんへエールを送るメッセージ性の強い曲となっていました。



そして2018年。有安杏果の卒業に伴い5人から4人となった新・新生ももいろクローバーZの幕開けを告げたといって良い曲がこちら、『Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~』


前作が東日本大震災を意識した曲なら、今作はもっと幅広く、世界中で「戦っている」すべての人々に捧げた曲だといって良い。




一見ふざけているようで、実はとても深い、ももクロらしいメッセージソング。これが10周年記念アルバム以外では聞けないのがもったいない気がする名曲に仕上がっています。


立木文彦氏が前作と同様にナレーションとして参加していただいており、こちらもまた、素晴らしい。


機会があれば、是非にも聴いていただきたい。



この平和は当たり前じゃない。故郷を想い戦う人々に降り注ぐ雨に、せめて傘となりて守りたい……。





ヒャダイン、なにげに良い歌詞を書きましたね。








みんなに笑顔を届ける愛の戦士ももいろクローバーZ。「ついてこいやあ!」はい、ついていきますとも。


その笑顔が信じられる限り。

映画 『ゲッタウェイ』 1972

2018-05-26 06:55:04 | 映画










『ワイルド・バンチ』(1969)、『わらの犬』(1971)、『ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯』(1973)、『ガルシアの首』(1974)、『戦争のはらわた』(1977)、『コンボイ』(1978)等々、アメリカのバイオレンス・アクション映画の巨匠、サム・ペキンパー監督の個人的には最高傑作だと思う作品がコチラ、『ゲッタウェイ』。


主演はスティーヴ・マックウィーン。その妻にアリ・マッグロー。その他アル・レッティエリ。ベン・ジョンソン。リチャード・ブライトなど出演。





服役中の男、ピーター・ドク・マッコイ(スティーヴ・マックウィーン)は刑務所内で模範囚に務めており、仮釈放を申請しますが却下されてしまう。ドクの頭の中に浮かぶのは、妻であるキャロル(アリ・マッグロー)との愛の日々の妄想ばかり。


刑務所生活に耐えきれなくなったドクは、面会にきたキャロルに、裏の世界に強い政治力を持つ男、ジャック・ベニヨン(ベン・ジョンソン)に釈放の裏取引を手配するよう頼みます。キャロルはジャックの元へ向かい、出所後銀行強盗を働くことを条件に、ドクは仮釈放されます。



さっそく銀行強盗を働くドク。強盗は成功しますが、ジャックに付けられた相棒の男ルディ(アル・レッティエリ)が、ドクに銃を向けます。

一瞬速く銃を放つドク。撃たれて頽れるルディ。ドクはジャックの事務所へ乗り込みますが、ドクの背後に銃を持って忍び寄るキャロルの姿が。


キャロルはドクを撃とうとしますが、急に銃口をジャックに向けると銃を連射。ジャックは銃撃により後方へ飛ばされ絶命します。


ドクはすべてを悟ります。キャロルはジャックと寝ることでドクを釈放させたのだ。その際、キャロルはジャックから、ドクを捨てて(殺して)ジャックの女になるよう誘われたのだと。


キャロルは最終的にジャックではなくドクを選んだわけですが、妻が自分以外の男と寝たことが許せず、キャロルに辛く当たります。それでも妻を捨てることは出来ず、ドクは妻キャロルとともに盗んだ金を持って、メキシコに逃げようとします。こうしてドクとキャロルは、ジャックの身内と警察と、そして一命を取り留めたルディの三者に追われる身となったのです。

ドク夫妻の逃避行(Getaway)の始まりです。







スティーヴ・マックウィーン演じるドクは、先日紹介した映画『突破口!』の主人公のような、タフで頭の切れる悪のヒーロー的な男ではありません。刑務所生活の間中、奥さんとの愛の日々ばかりを夢想し続け、すっかり刑務所生活に嫌気がさして、その愛する妻に結果的に辛い思いをさせてしまう。しかも奥さんの不逞の原因を作ったのは自分なのに、そんな奥さんを許せないという身勝手さ。むしろアリ・マッグロー演じる奥さんキャロルの方が、度胸という点では遥かに座っているといって良い。


男の弱さ身勝手さと、女性の強さ度胸の良さ。この夫婦が仲違いしながらも手を取り合って逃げていく。犯罪者であること以外はどこにでもいそうなこの夫婦に、観客はいつの間にか感情移入してしまう。うまくできてますね。




私が個人的にこの映画の見どころだと思っているのは、スティーヴ・マックウィーンの銃捌きです。軍隊経験のあるマックウィーンは銃の扱いに慣れており、ドクの愛用拳銃コルト・ガバメントの扱いに少しの無駄もない。弾倉を装填し薬室に弾を送り込んで安全装置を掛けるまでの一連の動作に、無駄な動きがまったくなくしかも素早い。まるで剣の達人の演武を見ているかのようで、惚れ惚れしてしまいます。もちろんホルスターから銃を抜いて、構え、撃つまでの一連の動作にも無駄がなく素早い。日本で云えば三船敏郎か勝新太郎か、はたまた中村錦之助か片岡千恵蔵か。そうしたかつてのスターさんたちに匹敵する凄みと「美しさ」と、そしてカッコよさを感じさせるんです。あんなに美しく銃を撃つ人を、私は他に観たことがない。


マックウィーン恐るべし!





コルト社製45口径オートマチック拳銃、М1911。通称「コルト・ガバメント」





サム・ペキンパー監督はスローモーションを多様する監督としても有名ですね。ペキンパー監督の場合、通常スピードのカットとスローモーションのカットを編集で細かく繋ぎ合わせて、独特のリズムを映像で作り上げていくんです。例えば銃で撃たれるシーンは通常スピードで見せて、斃れていくシーンはスローモーションで見せる。こうしたリズムで死にゆく者の悲哀を情感たっぷりに見せていく。壁に銃弾が当たり次々と穴が開いていく。パラパラと漆喰が降り注ぐ音、カランカランと薬莢が転がる音。映像はスローに、音は通常スピードで。こうした見せ方がある種の芸術性をも生み出しているわけです。



日本の刑事ドラマ。『大都会』シリーズや『西部警察』シリーズでも、スローモーションが良く使われておりましたが、まあ、ヒドイもんでしたね。爆破シーンやらカーアクションシーンやらを、取りあえずスローモーションにしときゃカッコよく見えんじゃね?という安易な発想で使われているとしか思えない映像ばかりで、ペキンパーと比べて到底見るに堪えないもんでしたね。と言いながら結構見てましたけどね、私(笑)


ペキンパーを見て勉強しろ!と毎会ツッコミを入れながら観てたなあ。じゃあ観るなよって話ですが……(笑)



スローモーションを舐めるなよ!







さて、マッコイ夫妻は無事メキシコへの逃避行を成功させたのでしょうか?映画では小型トラックに乗った夫妻が、メキシコ国境を越えてトラックを走らせ遠ざかっていくシーンで終わっています。

普通に考えれば、夫妻は逃げおおせたという解釈になるでしょう。


しかしこれに「否」を唱えた方がおられました。



映画評論家の故・淀川長治氏その人であります。




淀川氏は云います。夫妻の乗ったトラックを、カメラは後方から、トラックが走り去っていき、段々小さくなっていく姿を撮り続けている。これは、実はこの先に警官隊が待ち受けていて、夫妻は銃撃を受けて死ぬのだということを暗示しているのだ。と主張したんです。



ハッピーエンドなら、車がこちらへ向かってくるカットで終わるはず。淀川氏はそう主張し続けておられたようですが、果たしてどうなのでしょうね?

正義感の強い淀川氏としては、悪を成した人物が逃げおおせてしまうというラストを認めることができず、それでこのような主張をしたのだ、とも捉えられる主張であり、やはりこれは、逃げおおせたとする解釈が正しいのではないかとも思えるのですが


果たして真相は?



みなさんならこのラスト、どう解釈されるのでしょうね?夫妻は無事逃げたのか、それとも……。



実際に御覧になって、考えてみるのも一興ですよ。

イマドキの「風」

2018-05-25 13:35:57 | ここで一句





このところ、季節がよくわからなくなってきています。夏日を記録したかと思えば冬の終わりごろのような寒さに逆戻りしたり、


おかしなことになってます。






世の中きれいごとばかりでは廻っていかない。表があれば裏もある。政治もスポーツも、エンタテインメントも、みんなそう、そういうものです。


そうしたことのなかで、最終的にことの良し悪しを印象付けるものはなんだろう?それはおそらく



「誠意」なんだろう。



そういえば昔「誠意大将軍」とかいって、誠意って言葉をおもちゃにしていた馬鹿もいたけど、ああいうんじゃなくて、



本物の誠意ね。


「誠意って、なにかね?」(菅原文太風に)




罪を犯してしまったとはいえ、あの学生の潔い態度は立派だったし、それに比べて、「大人」たちのまったく誠意の感じられない対応。


真実が奈辺にあるかは分からない。しかし「誠意」のあるなしだけはなんとなくわかる。世間の風の向きとは、そういうことだよね。



しかし、その世間の風が、必ずしも正しい方向に向いているとは限らない。ただただ風に乗っかっていればいいってもんでもないんだよねえ。



風の「匂い」を読む「鼻」を、鍛える必要があるんだろうね。



やれやれ、めんどくさい……(笑)




世間の風という奴は気まぐれで、ときに暖かく、ときに冷たい。まるで初夏の風のように。




ここで一句


【カーテンの裾翻し初夏の風】


今、私の部屋に吹き込んでいる風は、暖かいのか冷たいのか。



微妙……。

MOMOCLO HISTORY EPISODE Ⅲ

2018-05-24 06:02:02 | ももクロ












今にして思うのですが、ももクロというのは、いわば「多段式ロケット」のようなものだったのではないかと思うんです。



アポロ計画などに利用された宇宙ロケットは、推進機が2段だったか3段だったか、とにかくいくつかに分かれていて、地上から打ち上げ、ある程度の高空まで上がったところで第1段ロケットを切り離し、さらに高空まであがって第2段目を切り離し、最終的には本体のみになって宇宙空間を進んで行く。


ももクロを辞めていったメンバー、早見あかりや有安杏果はこの切り離し式のロケットだったのではあるまいか。特に有安さんは、ももクロを遥かな高みまで上らせるための、とても重要な推進ロケットだった。


つまり、今残っている4人こそがももクロの「本体」なのでしょう。


御存じのとおり、私は緑推しです。その私にして思うのです。今残っている4人こそが、ももクロの本体なのだと。





昨日行われた10周年記念ライヴ桃響導夢は、ももクロもモノノフも涙、また涙の大感動の内に幕を下ろしたようです。その感動、涙の一旦をになっていたのが、杏果の卒業であったことは間違いない。



今にして思うのですが、杏果が今年の1月に突然の卒業を発表した後の混乱は、結果的にももクロ10周年を盛り上げる最大の要素となった。



昨日のライヴで、我らがリーダー百田夏菜子が告白しています。杏果が辞めたことで「目の前が真っ暗になった」と。

このまま続けて行ける自身がなかった。みんなに笑顔を届けると云いながら、みんなを悲しませるようなことになってしまって、申し訳なく思ったとも。



これは杏果のことをディスっているのではありません。寧ろ杏果がももクロにとっていかに重要なメンバーであったかというリスペクトがあって、そんな杏果が去っていったのは、リーダーの自分がちゃんとしていなかったからではないかという責任感が、夏菜子を相当に苛んだようです。


夏菜子だけじゃありません。ももクロのメンバーは勿論のこと、モノノフさんたちもまた、様々な立場、角度から杏果のことを思い続けていた。


杏果は1月に卒業しました。しかし「杏果ロケット」は未だみんなの心の中にあって、みんなを引っ張り続けていたんですね。

もっともこの場合、「引きずっていた」といった方が正確かもしれませんが……。



夏菜子は云います。でも応援してくれるみんな(モノノフ)を見ているうちに、4人で進んで行ってもいいのかなと思えてきたと。



夏菜子の葛藤、そして築き上げた「覚悟」。夏菜子は続けます。


「まだ4人でできることはたくさんある。やりたいこともいっぱいある。みんなとだからできることも、やっていきたい。アイドルって、ももクロって本当に楽しいと思ってもらえるように頑張りたいと思う。ちょっと欲を言えば、みんなが笑顔になる理由が、私達だったらいいな~と思います。みんなにもっとたくさんの笑顔を届けられるように、みんなで歩いていけたら」


そして


「オマエら全員付いて来い!今日は本当にありがとうございました」




この最後の言葉をもって、夏菜子は、「杏果ロケット」を完全に切り離したんです。あとは4人と、モノノフさんたちとで、未来へと進んで行くだけ。


夏菜子の言葉は、会場にいた緑推しを含む多くのモノノフさんたちの心の中にいた「杏果ロケット」を切り離し、昇華させたに違いない。



もうなんの迷いも葛藤もなくなった。我らモノノフはももクロ姫たちを奉じて、未来へと進んで行くのだ!



この一体感、高揚感!これが感動を呼び、涙を呼んだ。


ももクロもモノノフも、10周年を越えておおきな飛躍を得ることができたのだ。



この日を境として、緑の衣服を着、緑のサイリウムを持ってライヴ参戦する人たちは激減していくでしょう。そうしてやがて、4色へと纏まっていく。

それがいいのです。それが正しい。



「杏果ロケット」は最後の最後までももクロとモノノフを更なる高みへとけん引し続け、遂にその役目を終えました。



ももクロ10周年は、杏果の御蔭で最大の盛り上がりを見せた。みんな杏果に感謝しなくちゃいけませんね。


いや、誰も感謝しなくても、私は感謝します。



有安杏果さん、ありがとう。あなたの御蔭です。

長い間、ご苦労様でした。










物事には時期というものがあります。

有安さんは現段階では、ももクロについて一切なにも話すべきではありません。今はまだ、その時期ではない。


いずれ「時」が必ず解決してくれます。いつか必ず、ももクロへの思いの丈を存分に語れるときが来ます。


今はまだ、その時ではありません。



それは時に、あなたに辛い思いをさせることになるかもしれない。でも自分で選んだ道です。どうか耐えてほしい。


有安さんは一人の人間として、自らの自由意志を行使しました。それは誰にも妨げられるべきものではありません。

だから、有安さんは堂々と胸を張って、ご自分の道を行かれればよろしい。


大丈夫、おなたには多くのファンがついています。みんなあなたを応援しています。


あなたは決して



一人じゃない。



【嫉まれるがいい、恨まれるがいい。幸福でさえ無傷ではない】
谷川俊太郎



応援してます。頑張って!!

MOMOCLO HISTORY EPISODE Ⅱ

2018-05-23 04:41:00 | ももクロ











2011年のよみうりランド極楽門ライヴから、2012年のNHK紅白歌合戦初出場。2014年の国立競技場大会と、ももクロの快進撃の時期ですねえ。

紅白出場が決まったときの川上マネージャー(kwkm氏)の涙と、「よかったね……」の言葉が泣かせます。この人が「親」だったから、ももクロはあんないい子に育ったんだなと、川上さんなしにももクロは語れないと思いますね。



国立での夏菜子の、「笑顔の天下獲り」宣言。これが現在のももクロの活動指針となっているんだから、リーダーの座は伊達じゃないね。




私がももクロのファンになったのは2013年頃からなので、丁度今日の動画の時期と重なります。生涯アイドルを推すことなどないだろうと思っていた私が、こんなにファンになってしまうなんて、人生って不思議なものです。

ついこの間のことのようで、とっても懐かしい。





さて、昨日の東京ドーム1日目は大成功に終わったようで、良かったです。一部のツイッターで、「緑排除」とかいう物騒なことを盛んに煽っている輩もいたようですが、ふたを開けてみればなにもない。緑推しの方々は普通に緑の衣服を身に着け、緑のサイリウムを振って参戦し、とくに阻止されるようなこと、不穏なことは何もなかったようです。

まあ、そんなもんだろうとは、思ってはいましたけどね。もし万が一のことがあったら、と実は心配していたのですが、なにもなくて良かった。

昨日は緑のサイリウムは勿論、青のサイリウム(青は早見あかりのイメージカラー)を振っている人たちもちらほらと見受けられたらしい。そういう方々を、モノノフさんたちは基本、暖かく見守っていたようだ。


皆さん色々、複雑な思いは交錯していると思う。でも「緑排除」なんてことまでは思っていない。それがモノノフさんたちの、ある意味「総意」なのだろう。


杏果はももクロの歴史を支えてくれた欠かせないメンバーだったし、緑推しの方々は皆、「仲間」なのだ。


天下に名だたるモノノフが、緑排除などするはずがない。そんな馬鹿気た煽りなんぞに乗っかるはずがないのである。



なにより、ももクロちゃんたちが、そんなことを喜ぶはずはない。むしろ悲しむでしょう。


ももクロが悲しむことを、モノノフさんがするはずがないのである。こんな当たり前のことも分からんか!?



「緑排除」を唱えた輩よ、あんたたちはモノノフのことは勿論、抑々ももクロのことを全然理解していない。

御気の毒さま。




今日は2日目。今日も何事もなく、無事大成功に終わることを祈ります。




進め!ももクロ


行け!行け!ももクロ、どんと行け!

MOMOCLO HISTORY EPISODEⅠ

2018-05-22 05:36:13 | ももクロ











ももクロ10周年記念ベストアルバム『桃も十、番茶も出花』初回限定版【モノノフエディション】に収められているBlu-Rayには、以前発表されたドキュメンタリー「はじめてのももクロ」の最新版、「はじめてのももクロ、モノノフ・エディット」が収録されております。


前作の「はじクロ」では、結成から2014年の映画『幕が上がる』撮影までを治めたドキュメンタリーでしたが、最新版にはそれ以降から現在まで、具体的には杏果の卒業とその後までを収録しているということでしょう。



本日の動画はその「はじクロ」最新版のエピソード1の予告編です。ももいろクローバー結成から早見あかりの脱退、そしてももいろクローバーZへの改名までのドキュメント。



この予告編に、杏果が当たり前に出ているのをみて「よかった」とつぶやいたファンがいるらしい。なにを言ってるんだか!?ももクロの歴史を語る上で早見あかりと有安杏果が欠かせない存在であることは論を待たない、火を見るよりも明らかな、当たり前の話なのである。

べつに杏果は不祥事を起こしたわけでもなければ、不義理を働いたわけでもない。杏果には一点の曇りもないし、やましいことなどなにもないのである。


一体何を気にしているのか!?変な気の使い方をする一部のファンには、驚くというより呆れてしまう。


一言言わせていただく



「アホちゃうか‼」


あーすっとした(笑)




さて、今日は愈々10周年記念ライヴ、桃響導夢大会1日目です。無事大成功に終わることを祈ります。




頑張れ!ももクロ


進め!ももクロ


行け!行け!ももクロ。どんと行け!