風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

夏越の大祓

2017-06-30 13:08:16 | 日記





今ぐらいの時節になりますと、神社の参道には藁などで編んだ大きな輪っかが置かれています。

「茅の輪くぐり」という行事で、この輪っかに半年間の穢れを祓ってもらって、真っ新になるということらしいですね。



茅の輪云々は、蘇民将来伝説に関わるもので、武塔天神もしくはスサノオと関係が深いと考えられますが、特にスサノオ等を御祭神としていない神社でも、普通に行われていますね。



蘇民将来伝説はユダヤの「過越しの祭り」伝承との関連性も指摘されており、日本の神道とユダヤ人の信仰との類似性等などを考えるに、大変興味深い行事ではある、などなど、つらつら思いつつ……。




そういえば、岩手県平泉町の中尊寺境内に御鎮座されている白山神社の参道には、一年中茅の輪が置かれており、いつ行っても茅の輪で祓ってもらえるという仕組みになってるようですが、さて、

これってどうなんだろうね?交換の時期がわからないのでなんとも言えませんが、もしも年に1~2回置きくらいにしか交換しないとしたら……なんだかなあ、ではあります。



それはともかく、白山神社のように「表向き」スサノオとは関係なさそうな神社でも行われる茅の輪くぐり。もはや神道において普遍的な行事の一つと言えましょう。このでっかい輪っかを潜りながら、遥かなる古代、遠き西の彼方より渡来した人々に想いを馳せるのも一興かと。



ささ、神社に参拝、行きましょ行きましょ。

渡辺哲

2017-06-29 08:39:38 | 名バイプレーヤー










『ゴジラVSキングギドラ』の日本兵。『ゴジラVSモスラ』の戦車隊長。『ガメラ大怪獣空中決戦』でも戦車隊長。『小さき勇者たち ガメラ』では、怪獣犠牲者第1号。『ゴジラ×メカゴジラ』では自衛隊員。そして『シン・ゴジラ』では内閣危機管理監。


特撮映画にもよく出ておりますね。その強面な風貌を生かして、ワン・ポイント的な役が特撮モノでは特に多いのではないですかね。


悪役や殺し屋、ヤクザからたたき上げの刑事。頑固おやじからコミカルな役まで実に幅広い。


私が最初にこの方を認識したのは、故・伊丹十三監督の『ミンボーの女』でした。一見ヤクザのように見えて実は刑事という役で、役者の特性を生かすのが得意な伊丹監督らしいキャスティングでしたね。



そのコワモテのお顔についた、小さめですがつぶらな瞳がなんともチャーミングで、とても愛嬌のあるお顔をしておられる。なんてことを言うのは失礼かもしれませんが(笑)、でもこれはこれで、良いお顔だと思いますよ。いや、マジで。


これからもご活躍を楽しみにしております。


こういう役者さんが、好きなんだよねえ。

良い顔

2017-06-28 04:39:00 | エンタメ総合









良い顔をされておられる。若い頃はもっとこう、目に狂気のようなものを漂わせておりました。いや、今でもそういう目をなされることはあるのですが、それでも若い頃に比べたら、大分穏やかになられた。

ホント、良いお顔だと思う。


仲代さんが海老蔵さんに送ったメッセージが話題を呼んでいるようです。仲代さんは21年前に奥様を亡くされましたが、今でも奥様に支えられているそうな。年々感謝の気持ちとともに、お疲れ様と思うようになったそうです。


「こういう共存の仕方もある、海老蔵さんにも頑張って欲しいと、ふと」思ったとのこと。




幾星霜。重ねてきた方故の、含蓄ある言葉、ですね。



海老蔵さん、あなたは幸せ者だ。
















良い笑顔だ(笑)

髪を切ってから、永作さんに似ていると評判になっているようです。なるほど~。


いずれにしろ、この子たちの笑顔は、世界を和ませる。ホント、


良い笑顔だ。

禁じられた言葉

2017-06-27 12:30:45 | 雑論





昭和41年放送の『ウルトラマン』第33話『禁じられた言葉』。



メフィラス星人が、小学生の少年、サトル君に語り掛けます。君が一言言ってくれたなら、地球は私(メフィラス星人)のものになる、と。

その言葉とは、


「地球をあげます」



子供の頃はこの話がよくわかりませんでした。何故一人の少年が、地球を上げると云っただけで、地球がメフィラス星人のものになってしまうのか、よくわからなかった。



これは一つの寓話なのでしょうね。物理的侵略というよりも、精神的侵略という意味においての。






メフィラス星人




メフィラス星人は科学特捜隊のハヤタ隊員(黒部進)とフジ隊員(桜井浩子)、そしてフジ隊員の弟、サトル君を強引に拉致すると、フジ隊員を巨大化させ、ビルを破壊させます。

そんなことをしておいて、自分は平和主義者だと嘯くメフィラス星人。地球人と戦って強引に奪うことを良しとせず、その心を奪おうとするのです。


メフィラス星人がサトル君に語りかけます。


********************

メフィラス「私は暴力は嫌いでね。私の星でも紳士というのは礼儀正しいものだ。そこで地球人であるサトル君に了解をもらいたいと思うんだ。

サトル君は素晴らしい地球人だ。どうだね、この私にたった一言、『地球をあなたにあげましょう』と云ってくれないかね」



サトル「イヤだ!絶対嫌だ!」



メフィラス「だろうね、誰だって故郷は捨てたくないもんだ。でも、これをごらん

宇宙は無限に広くしかも素晴らしい。地球のように戦争もなく、交通事故もなく、何百年何千年と生きていける、天国のような星がいくつもある。

どうだねサトル君、地球なんかサラリと捨てて、そういう星の人間になりたくはないかね」



サトル「ヤだ!」



メフィラス「聞き分けの無い子だ。なぜ『地球をあなたにあげましょう』と言えないんだ?私は君が好きだ。私の星で永遠の命を与えようというんだぞ」



サトル「僕だけがどんなに長生きしたって、どんなに豊かな暮らしができたって、ちっとも嬉しくなんかないや!僕は地球の人間なんだぞ!」



メフィラス「ほざくな!」


********************


紳士だなんだと云いながら、サトル君の毅然とした態度にメフィラスは激高してしまいます。つまりはこれが、彼、メフィラスの本性というわけです。


これを見ていたハヤタ隊員が高らかに笑います。


********************


メフィラス「ウルトラマン、なにがおかしいのだ!?」



ハヤタ「メフィラス、とんだ見当違いだったな。地球を売り渡すような人間はいない。サトル君のような子供でも、地球を良くしていこうと思いこそすれ、地球を見捨てたりは絶対にしない!」



メフィラス「黙れウルトラマン!貴様は宇宙人なのか?人間なのか?」



ハヤタ「両方さ、貴様のような宇宙の掟を破る奴と戦うために生まれてきたのだ!」



メフィラス「ほざくな!この手で必ず、この美しい星を手に入れてみせるぞ!」




ハヤタ「メフィラス、そうはさせんぞ!」


********************


メフィラス星人の「メフィラス」とは、人間を甘言で誑かす悪魔、メフィストフェレスがそのネーミングの由来だそうです。メフィラス星人は人間の心に挑戦するためにやってきたんですね。



メフィラス星人は、自分は子供の心にすら負けたのだと認め、ウルトラマンとの戦いを避け、去って行きます。


去り際にこう語りながら。



「私は諦めたわけではない。いつか私に地球を売り渡す人間が必ずいるはずだ。必ず来るぞ!」







故郷を売り渡す人間などいない。本当にそうなら良いのですがね。



今の日本の現状を見た時、甘言に誑かされて、自らも甘言を叫んで回る者たちの、なんと多いことか。



現代であれば、メフィラス星人も地球全部は無理でも、「日本」くらいなら、簡単に手に入れられるかも、しれませんねえ。


なーんてね(笑)



メフィラス星人(メフィストフェレス)はあちらこちらに出没しております。くれぐれも甘言に弄されることの無きよう。


本当に大事なこと、守るべきこととはなにか、よおっく考えて、


サトル君に対して恥ずかしくない行動をとりましょう。




それにしても、特撮モノというのは時に、「予言書」的な役割を果たしているものなのだなと、改めて瞠目します。


大したもんだ。





DEEP PURPLE [Black Night] 1970

2017-06-26 05:42:24 | 今日のメタル











いいですねえ、このフリーな感じ。


なんとなくはじまる曲。演奏はある程度の決め事以外は基本、即興です。内容は毎日変わります。この日のリッチー・ブラックモアのギター・ソロは絶好調ですね。


60年代~70年代ごろまでは、こういう即興、インプロビゼーションが行われるライヴが当たり前だったようです。毎晩演奏が違うんだから、観客はもちろん、バンド自体も独特の緊張感があって楽しかったでしょうね。


今とはライヴの発想が違う。この時代のライヴを生で体験してみたかったと、いつも思います。



それにしても皆さん若いですね。この頃からヴォーカルのイアン・ギランとリッチーは仲が悪かったようで(笑)、そのバチバチ感がまた、いい即興を生むんだ。



ハード・ロック黎明期。まだ決まり事など特になかった、フリーな時代のお話。

今夏公開、映画『関ケ原』 

2017-06-25 04:05:41 | エンタメ総合











司馬遼太郎原作による『関ケ原』が映画化され、今夏8月26日より公開されます。


以前にも書いたかと思いますが、『関ケ原』と申しますと、私は1981年にTBS系にて放送されたドラマ版『関ケ原』を思い出します。



加藤剛さんが石田三成を演じ、徳川家康には森重久弥、島左近に三船敏郎。その他小早川秀秋には国広富之。宇喜多秀家に三浦友和。島津義弘に大友柳太郎などなど、オールスター・キャストの豪華なドラマで、加藤剛さんの三成は、その純粋さと堅物さ故に孤立していく様をよく演じており、対する森重家康の堂々たる狸っぷりが実に見事で、面白いドラマに仕上がっておりました。


その作品を今回監督するのは原田眞人。正直、期待できるとは言い難いところが個人的にはありますが、ものがものですから、観ないわけにはいかないなあと思っております。



今回、石田三成を演じるのは岡田准一。比較的若手の俳優の中で、時代劇を任せられる数少ない役者さんですねえ。イメージ的にも石田三成には合っているし、良いキャスティングではないですかね。

徳川家康には役所広司さん。最初は「えっ?」って思ったのですが、どんな役でも幅広く演じられる方ですから、これはこれで面白いかもしれないと、思い直しております。

個人的にはねえ、是非ともビートたけしさんに家康を演じてもらいたいところなんですけど、誰もやってくれないんだよね、なんで?



まあいいや。それよりも、この作品で重要な人物は上の二人の他にもおります。その一人は三成の重臣、島左近。

今回島左近を演じるのは平岳大。おおっ!これはなかなか良いのではないですか。これは期待大!




そしてもう一人の重要人物が、「裏切り者」小早川秀秋。かつて国広富之が演じたこの役を今回演じるのは、

東出昌大。


む~う、びっ、微妙……。



まあまあ、東出くんが一体どんな小早川秀秋を演じているのか、お手並み拝見といきましょう。良ければ東出くんの手柄。悪ければ監督のせいってことで(笑)。



それと有村架純ちゃんが、三成に仕える女性の役で出ています。これは映画オリジナルのキャラなのかな?良いキャラであればいいけどね。くれぐれも映画そのものを崩してしまわないよう、

お願いしますよ。




何はともあれ、今年の夏の目標が一つ出来たということで(笑)、期待度3の不安度7ではありますが、ともかくも公開を待って、鑑賞することといたしましょう。


頼むよ、原田監督!



さあて、どうなることやら……。






昭和58年の大河ドラマ『徳川家康』にて、役所広司さんが演じた織田信長。



去年の大河ドラマ『真田丸』で織田信長を演じたのは吉田鋼太郎さんでした。たった一回きりの出演で、セリフは「励め!」の一言のみ。これはインパクト一発の役でしたので、吉田さんの強烈な迫力はピッタリでした。何話か連続して演じるとなると、ちょっと違うなという感じですが、一発勝負には最適任なキャスティングでしたね。さすが三谷幸喜!


今年の大河、『おんな城主直虎』にも、信長が登場しましたね。

演じたのは市川海老蔵さん。


今後も登場するのかしないのか分かりませんが、インパクトとしては正直

最悪、でした。



どういう信長を演じたいのかが定まっていないといいますか、なんか、全体的に中途半端な印象を強く受けてしまった。シーンとしては信長の「怖さ」が求められていたシーンだと思うのですが、どう怖く見せたいのかが、どうもはっきりしない。声の出し方も中途半端だし、なんといいますか、

全然、なってない!


あんまり酷いので、ホントにこれ海老蔵さん?って疑っちゃいましたもん。あれはよくない、ホントに、よくない!



今は色々、本当に色々大変で、ご心痛の程はいかほどかとお察しいたします。ですから今は、こんなことを申し上げるべきではないのかもしれません。


しかし私は、海老蔵さんに期待しております。個人的には、将来の鬼平候補とも目しており、是非ともこれからの時代劇の担い手として活躍してほしい、そう願っております。


だから、だからこそ、


あれじゃあダメなんだ!


海老蔵さん、あの信長があなたの実力だ、などとは信じられない。あなたならもっと凄い信長を演じられるはず。


本当に今は大変だと思う。でもあなたは役者だ。役者道を行くしかないのです。


海老蔵さん、あなたを信じてます。


頑張れ!

Bob安(笑)

2017-06-24 03:38:11 | ももクロ





いつもファンのことを考え、どうすればファンを楽しませられるか、どうすればファンを喜ばせられるかを考えている。


有ちゃんのソロ・ライヴはそんな気遣いと優しさに満ちているように思われます。




歌に対する真剣さと相まって、有ちゃんのこの姿勢はファンを感動させ、ファンならずとも関心せずにはいられない。




感謝の心を常に持ち、日々の努力を怠らない。そんな地味な積み重ねが、今の有ちゃんを形作っている。


この子は「強い」よ。







これが~。

 ↓



髪切った!!



うん、いい感じだ。スタートラインを越えて行くのに相応しい。



いいぞ有ちゃん、突き進め!!

立川三貴

2017-06-23 04:50:09 | 名バイプレーヤー










私がこの方に抱くイメージは、ズバリ「旗本の次男坊」です(笑)。


江戸時代、家督を継げるのは長男のみと決まっておりましたから、次男以下の男子は、他家へ養子に行ってその家の家督を継がない限り、役職など与えられなかった。

だから、養子に行けない次男坊以下の男どものなかには、暇を持て余して仲間と徒党を組み、街中で悪さを働いたりする者たちも出てきます。

旗本の中でも位の高い家の次男坊が、大体リーダー格なのですが、そのリーダーの役を多く演じていらしたというイメージが強いんですよね。



この間、時代劇専門チャンネルをみていたら、昭和50年代後半くらいの時代劇で、立川さんが旗本の悪次男坊を演じているのを「発見」して、おおーっと思わず唸ってしまいました(笑)

だって、2000年以降に放送された『剣客商売』でもやはり旗本の次男坊を演じられていて、藤田まことさんに懲らしめられてましたから、一体どんたけ長く次男坊やってんだよ!(笑)


きっと業界内でも、「旗本次男坊といえば立川さん!」みたいなものがあるんでしょうね(笑)。



元々二枚目な方ですから、舞台では主役を演じられることも多いようです。御年67歳ということで、さすがにもう次男坊はきついかなとも思いつつ、これからも次男坊役にぜひとも挑戦して欲しいですねえ(笑)。


いや、無理しなくてもよろしいですけど。



本当に楽しませていただいて、ありがとうございます。立川さんのような方がいてこそ、エンタメは成立するのです。



欠かすことのできない名優に、惜しみない拍手を送りましょう!



こういう役者さん、大好きだなあ。

映画『宮本武蔵 般若坂の決斗』 昭和37年(1962)

2017-06-22 04:00:45 | 時代劇









このシリーズを観るたびに感じるのは、人の想いの「すれ違い」です。

すれ違いから生じる齟齬が「誤解」を生み、誤解から「争い」が起る。



それが人の世の常とはいえ、武蔵という男は余りに真っすぐで、余りに「強すぎる」。

その「真っすぐ」さ、「強さ」が、周りの人たちを巻き込んでいく。武蔵は「何も」していないのに、周囲の人々は武蔵の強さ、真っすぐさに様々な思惑を抱き、勝手に「齟齬」を生じさせ、勝手に「誤解」し、勝手に争い始める。


そのような人の世にあって、いかに生き行くか、『宮本武蔵』とはそのような物語でもあるのだな、と思いますねえ。


********************


姫路城の天守閣に3年籠り、武蔵(たけぞう)は以前とは見違えるように落ち着き、名を宮本武蔵(みやもと むさし)と改め、武者修行の旅に出ます。

頼るは腰に挿した一振りの刀のみ。この刀を持って自分を人間としてどこまで高め得るか、への挑戦。



この武蔵の純粋さが、周りの人たちに様々な波を立たせていくわけです。武蔵との再会を待ち続けたおつう(入江若葉)は念願かなって武蔵と再会しますが、修行の旅に出ようとしている武蔵にとっては、おつうは足手まとい。武蔵は後ろ髪を引かれる思いを抱きながらも、おつうを棄てざるを得なくなる。

しかし内に熱いものを秘めた女性であるおつうさんはへこたれません。武蔵を追う旅にでるのです。



そのおつうさんを嫁に貰うはずだった又八(木村功)の母親、本位田のおばば(浪花千栄子)は、武蔵が嫁を奪っていったと、自分の息子の不出来を棚に上げ、悪いのはすべて武蔵だと、これまた武蔵を追って旅にでる。出来の悪い息子を思う母親の悲哀とはいえ、このお門違いの執念は少々うっとおしくはある(笑)。


その又八はお甲(小暮美千代)の情夫に収まり、お甲のはじめた京の置屋にあって、毎日酒浸りの情けない日々を送っている。そのお甲の娘、朱美(丘さとみ)目当てにやってくる客が、京都の名門道場、吉岡道場の若き当主、吉岡清十郎(江原真二郎)。その吉岡道場に武蔵が訪れ、門弟たちを苦も無く倒してしまいます。清十郎を待つ武蔵に、門弟たちは罠を仕掛けて騙し討ちにしようとしますが、これを察知した武蔵はいち早く逃走します。

逃ぐるもまた、兵法成り。


吉岡清十郎という男は、父親の築いた栄光を受け継いで道場主の地位に納まったものの、本当は自身がなく、吉岡流当主の地位にプレッシャーを感じているようです。それでも日々安穏とした生活を送っていたわけですが、


武蔵の出現が、その安穏とした日々を崩していくことになるわけです。





さて、武蔵は鑓術の名門と謳われる奈良の宝蔵院を訪れます。その宝蔵院の庭先で鍬を手に畑を耕す一人の老僧。


武蔵はその老僧に激しい殺気を感じ、老僧の横を数メートルジャンプして飛び退きます。



武蔵は鑓術の師範である僧、阿厳(山本麟一)と対戦します。阿厳は武蔵になにを感じたのか、やたらと己の力の強さを固辞します。が、これにまったをかけたのが先ほどの老僧でした。老僧は、胤舜(黒川弥太郎)が帰ってくるまで、試合を待てと云いますが、阿厳はこれを聞かず、武蔵に攻めかかろうとしますが、一瞬の隙をついて阿厳の頭を木刀で打ち据え、阿厳は即死してしまいます。


試合の後、老僧に茶粥を相伴される武蔵。老僧・日観(月形龍之介)は訊ねます。なぜ私の側から飛び退いたのかと。

武蔵が殺気を感じたことを話すと、老僧は云います。「それはお手前自身の殺気じゃ」と。


武蔵自身が発している強烈な躁気が、老僧を通して武蔵に鏡の如くに反射したのです。武蔵は自分自身の殺気に驚いて飛び退いたわけですね。


「お手前はもっと弱くなることを憶えねばならぬな」そう言ってカラカラと笑う老僧に、武蔵は強い敗北感を感じるのでした。





宝蔵院の鑓を破った武蔵の評判は、奈良にたむろする不逞浪士たちの間にも広まり、その不逞浪士たちが、武蔵に賭け試合をやって一儲けしないかと持ち掛けますが、武蔵はこれを断ります。

これを恨みに思った不逞浪士どもは、町の辻々に落手を貼り、武蔵が宝蔵院を嘲っていると風聞を流します。


武蔵は柳生の庄を訊ねるため、奈良を出ようと般若坂に差し掛かると、そこには不逞浪士どもと宝蔵院の僧侶たちの姿が!


刀を抜いた武蔵は単身、不逞浪士どもの群れに飛び込み、次々と斬り倒していきます。宝蔵院の僧侶たちは、ただこれを眺めているばかり。たまりかねた不逞浪士が、「約束が違うではないか!」と叫ぶと、宝蔵院管主・胤舜が「かかれ!」と檄を飛ばします。

僧侶たちが鑓を向けた相手は、武蔵ではなく不逞浪士どもでした。


不逞浪士どもの悪評は日々高まりを見せており、対策に苦慮した奈良奉行所は宝蔵院と謀り、今回の騒動を利用して、不逞浪士どもの一層を図ったのです。

「では私も利用されたのか!?」憤然とする武蔵をなだめる老僧・日観。日観は路傍の石ころを広い集めさせ、一つ一つに経文を書くと、浪士どもの遺体に一つづつ置いていきます。

「これで供養になる」そう云って去っていく日観。


「つき殺しておいて読経か!?」嘘だ!この行為に強い違和感と欺瞞を感じられずにいられない武蔵でした。


(第三部『二刀流開眼』に続く)













『宮本武蔵 般若坂の決斗』
制作 大川博
原作 吉川英治
脚本 鈴木尚之 内田吐夢
音楽 小杉太一郎
監督 内田吐夢

出演

中村錦之助

入江若葉
丘さとみ

木村功

江原真二郎

佐々木孝丸
南廣
唐沢民賢

河原崎長一郎

小暮美千代
赤木春恵

浪花千栄子

宮口精二
堀正夫

黒川弥太郎

山本麟一
大前均
南方英二

月形龍之介

吉田義夫


三國連太郎

昭和37年 東映映画

高城れに生誕祭2017

2017-06-21 00:00:00 | ももクロ










本日6月21日は、ももクロ最年長高城れにさんの、24歳の誕生日です。


おっめでと~!!!!



今月2日には、お笑い芸人の永野さんとコント・ライヴを開催するなど、独自の道を歩み始めたれにちゃん。こうした活動がももクロに反映されて、ももクロの活動内容は益々深みを増していく。


良いことだ。



そのふわっとした優しさでももクロメンバーを包み込む姿は、まさに慈母観音。その天下一の笑顔で、これからも妹たちを、モノノフたちを見守ってね。



笑顔が一番、れにちゃーん!





チビノフと戯れるれにちゃん。金沢にて。