風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

昔観た戦争映画

2015-08-07 13:20:38 | 映画





                      
                        バルジ大作戦



私はあまり、外に出て遊び回るタイプの子供ではありませんでした。

だから夏休みになっても、一日家にいて本を読んでいるか、テレビを観ている。

その頃は夏休みになると、テレビでは劇映画がよく放送されており、とりわけ多かったのは、怪奇映画と戦争映画だったように記憶してます。

『バルジ大作戦』はとにかく戦車が大量に出てくる映画で、戦車好きの子供にはたまらない映画でしたね。当時は戦車のプラモデルばかり作ってましたから(笑)。ただ、ドイツ軍のタイガー戦車という設定で、ソ連軍のT-34型戦車が出てきたりして、戦車好きであるがゆえに、そうした嘘が観えてしまって、「ああ、これが映画というものなのだな」と子供心に妙に覚った憶えがあります(笑)

ロバート・ショウ演じるドイツ軍の戦車隊長がカッコ良くてね。男の子ってのは、理屈抜きに「戦いモノ」が好きなものです。



「戦争アクション」というジャンルは、今や無くなってしまった感がありますが、この当時は「気軽」なアクションものとしての戦争映画が成り立っていたんですねえ。

『荒鷲の要塞』、『戦略大作戦』、『眼下の敵』等々

好きでしたよ、戦争アクション。













                      
                        『パリは燃えているか』より、ゲルト・フレーベ演じるドイツ軍司令官




1966年の映画『パリは燃えているか』

ノルマンディ上陸作戦後、連合軍はパリ解放を目指して進撃、ヒトラーは、もし連合軍がパリに到達した時は、パリの街を灰燼に帰するよう、命令を下しています。

その命令を受けた、パリ駐留軍の司令官を演じていたのが、ドイツの俳優、ゲルト・フレーベです。

この司令官はパリの文化をとても愛しており、灰にするなどとんでもないと、内心は思っているわけです。

でもヒトラーの命令は絶対です。

苦悩した末に、彼が下した結論は…。


まあ、いまさらネタバレもなにもないので、言っちゃいますが、彼はパリを灰にしなかった。ヒトラーに逆らったんですね。

私はこの、ゲルト・フレーベに妙に惹かれまして、映画そのものより、ゲルト・フレーベばかりをみていたような気がします。


映画はオールスター・キャストで、カーク・ダグラス、オーソン・ウェルズ、アラン・ドロン、ジャン・ポール・ベルモンド等々、大スター目白押しでした。

でも一番よかったのは、やはり、ゲルト・フレーベでしたね。




この方、第二次大戦時には、ナチスの党員だったそうですが、その身分を隠れ蓑にして、実はユダヤ人を亡命させる仕事を、裏で行っていたそうです。

この事実が発覚したのは、戦後も随分時が経ってからのことで、御本人はずっと黙っていたそうです。そのため「元ナチス俳優」ということで、イスラエルではこの方が悪役を演じた『007 ゴールドフィンガー』は上映禁止になったのだとか。

ずっと黙っていた、というところが、いいですよね。

ドイツ人ですけど、なにか「サムライ」を感じさせるような。


もちろん私が子供の時分には、そんなこと知る由もなかったわけですが、何故かこの方に、強く惹かれたことを憶えています。



夏の昼下がり、たまには古い戦争映画など、いかがでしょう?

ゲルト・フレーベの「サムライ魂」に触れてみるのも、一興かと。