そろそろ夜明け。まもなく午前5時。
起きようかな。起きて畑へ行こうかな。
今なら清々しくしていられるだろう。
草取り作業がまだ済んでいない。
耕して畝を盛り上げておこう。
そうすれば、薩摩芋の苗蔓を此処へ植え付けることもできる。まだ間に合う。
そろそろ夜明け。まもなく午前5時。
起きようかな。起きて畑へ行こうかな。
今なら清々しくしていられるだろう。
草取り作業がまだ済んでいない。
耕して畝を盛り上げておこう。
そうすれば、薩摩芋の苗蔓を此処へ植え付けることもできる。まだ間に合う。
いま、午前5時を過ぎたところ。障子戸を開けた。外はもう明るい。お天気がいいようだ。風もない。庭の草木が揺れていない。静かな山里の朝である。
朝ごはんの前に、しばらく畑に出てみようかな。日中は暑くなる。暑くなれば、畑仕事はやりにくい。
午前中も午後も外に出ていた。お天気がからりとしていた。外に出ているだけでいい気持ちだった。
することはすぐに見つかる。庭仕事、畑仕事、あれこれあれこれがある。次から次に見つかる。それを済ます。ちょこちょこちょこちょこ、ある。
丸椅子とバケツと農具をひっさげて、あちらへ行きこちらへ行く。擦るべきことが見つかったところで、椅子を置いてそこに座る。
ま、大概は草取りである。水まきをしたり殺虫剤を散布したり、施肥をしたりもする。
花が咲き終わって枯れかかっているのは、抜いて、耕して、季節に合った新しい草花と交換する。畑の野菜類も同じ。
季節が移り変わるごとに、それに対応して行く。
ナデシコが咲き終わった。セキチクも咲き終わった。マリーゴールドやヒャクニチソウはこれからだ。
お昼はお蕎麦。おいしかった。久しぶりにいただいた。乾麺を茹でて冷やして笊の上に載せたもの。ワサビを落として、つけ麺でするすると啜った。
夏になると冷やした食べ物がおいしくなる。暑くなると麺類が喉通りがいい。簡単に済んでしまう。
野菜は牛蒡と人参の煮付け。緑色をした鮮やかな莢豆も加えてあった。終わりにパパイアメロンを二切れ頬張った。
あ、それに残り物のカレーライスを平らげた。といっても、スプーンで3回掬ったら終わってしまった。緑茶を飲んで寛いだ。
7
指がごわごわしてうまく曲がらない。力を込めてやらないと反応しない。なにしろ昨日一日、農具を握りしめていたからなあ。右手がひどい。左手はすれほど重労働はしていないのに、右手の強張りの半分ほどは有る。箸を握ったらぽとりと落ちてしまう。
オイチニオイチニと掛け声を掛けて指の折り曲げ運動をしている。ふふふ、それが今日のこの老人のお仕事。
7
指がごわごわしてうまく曲がらない。力を込めてやらないと反応しない。なにしろ昨日一日、農具を握りしめていたからなあ。右手がひどい。左手はすれほど重労働はしていないのに、右手の強張りの半分ほどは有る。箸を握ったらぽとりと落ちてしまう。
オイチニオイチニと掛け声を掛けて指の折り曲げ運動をしている。ふふふ、それが今日のこの老人のお仕事。
6
今日は、農作業はお休みしている。右腕の腱鞘炎が治まるのを待つしかない。
お天気がいいから、家の中にいるのはもったいないように感じられる。
さっき外に出て、種物床あれこれに水遣りをした。小さな種蒔きようポットだから、一日水遣りを怠るとすぐに乾燥をしてしまう。
いつもは夕方に水遣りをするのだが、昨日は省略してしまっていた。朝方の水撒きはよくないのだが。
5
北の畑はコブシという雑草が蔓延(はびこ)っている。この雑草は厄介な草だ。根茎で増殖して行く。まさに侵略者だ。山賊海賊だ。細い毛根を伸ばしている。そこからまた次の芽を出す。畑がコブシで覆われる。イネ科に似た単子葉植物。
それとスギナ。ツクシンボウの親玉だ。これも根茎で増え続ける。土深く根を下ろしているので、なかなか抜き取れない。
4
隣の畑が広い麦畑になっている。雲雀の声がよく聞けた。楽しい美しい声だった。
いい気になって仕事に励んだ。
農具を握って振り下ろして土を耕し続けたので、右腕が強張って、とうとう腱鞘炎症状を起こした。それが分かったのは帰宅した後なんだが。
根の詰め過ぎじゃないかな、老人ということを忘れたかな?
3
命令されてする仕事ではない。誰からも命令はされていない。だから、嫌になればすぐに中止してもいいのだ。でも、中止しないで草取り仕事を進めた。
里芋の畑、トマトの畑、茄子の畑、南瓜の畑が、草を抜き払われて、清潔になった。満足感を覚えた。日照りに顔を長い時間照らされて、ひりひりするほど焼けた。