7
ふふふ、でもまだどれも実行には移していない。ふふふをしているだけ。
し残していることなんて、実際にはたくさんあるよね。し残していることだらけだよね。これじゃ死ねない。
あれもしてみたい。これもしてみたい。
あの人にも会ってみたい。この人とも話をしてみたい。そうなれるかもしれない。
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ふふふ、でもまだどれも実行には移していない。ふふふをしているだけ。
し残していることなんて、実際にはたくさんあるよね。し残していることだらけだよね。これじゃ死ねない。
あれもしてみたい。これもしてみたい。
あの人にも会ってみたい。この人とも話をしてみたい。そうなれるかもしれない。
6
若い頃に読んで夢中になったラルフ・ウオルドー・エマソンの書籍を読み返してみたくなった。
いまならどんな感慨を抱くだろう。エマソンは19世紀の人。森の思想家。トランセンデンタリスト。「自然論」などの著書がある。
むむむむ、あんがい若くなれるかもしれないぞ。思想だけでも。
5
小学校の家庭科の時間に習った雑巾縫いをしてみたくなった。ミシンではなくて手縫いで。一日ゆっくり。
お寺の小僧さんよろしく廊下を走って雑巾がけをするのも面白いではないか。
そんな時代ではないけれど。敢えて時代を逆行してみるのも楽しいはず。
4
祭で聞く横笛が吹きたくなった。難しいだろうな。でも、やってみたい。楽しそう。いまからでもやれるだろうか。
山の中に入って行って、一人でピイヒャラピイピイヒャララやってみたくなった。ピイくらいしか音が出ないかもしれない。
何処に行ったら手に入るんだろう? などとそわそわし出す。
3
生きていれば表情が浮かぶはず。無表情は嫌だ。
表情を造る。にっこりしてみる。すると萎縮していた目が開く、大きく開く。
そうだ、それやってみようということになる。嬉しくなって来て、立ち上がる。もぞもぞ動き出す。
2
年を取るとなかなかものに興味を起こせない。関心が広がらない。どうでもいいやになる。するよりしない方がよくなる。じっとしている。人と会いたがらない。話をするのが億劫になる。
無表情になる。そんなの嫌だよ。
1
やってみたいものがまだある嬉しいね 薬王華蔵
☆
これは川柳部門で入選した句。今朝の新聞。入選することなんてめったにない。
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やってみたいものがまだある嬉しいね 薬王華蔵
☆
これは川柳部門で入選した句。今朝の新聞。入選することなんてめったにない。
よろこびがあらわす浅いみどりいろ 浅いけれどもはるばるとして 薬王華蔵
☆
木々が若葉をつけている。椎の木の若葉は、浅緑色をしている。それほど濃厚ではない。比較的あっさりしている。それが八天山の山裾に広がっている。八天山の向こうまでもずずずうっと広がっている。
地球はよろこびたいのだ。で、そのよろこびが若葉になって五月の風に吹かれている。大空の光を浴びている。でも、あんがいあっさりとした色である。
7
老爺が担当したのは草毟り。椅子に座ってちょぼちょぼちょぼちょぼとと。草毟りするところはまだ沢山残っている。草はすぐに生えて来る。
8
あ、また降り出して来たぞ。あっちからこっちから蛙が鳴き出したぞ。げっげっげっげ。ごっごっごっご。空も、さっきよりはうんと重たげになった。