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わたしだけのために

2014年02月21日 17時33分31秒 | Weblog

 「わたしだけのために」

青く澄み切った美しい冬空を わたしだけのためにそっと
天上いっぱいに広げて見せてくださるので
これはこのわたしにだけの依怙贔屓のように思われて
わたしは羞恥しています

わたしの身心を病ませ 泥にして苦悩の底に沈め
寒くて暗い呻吟の日々を体験せしめられたその後の
これは特上のギフトです

今日やっとわたしの両眼が頑迷の薄目を見開いて
温かな冬空を仰いでいます

曲がりくねっていてもこの道を歩めば
美しい青空に至る事をずっと知らないでいたのです

知らないまま塞ぎ込むわたしが
長い時間を経てようやくここへ漂着し
安堵の息をしています

もうすぐ一年が暮れます
あまつさえ藪の奥の静寂にはこの小さき者の為に
藪柑子が可愛い赤い実をつけています

藪柑子の赤い実や天上いっぱいに広がる冬空が
わたしにだけ捧げられていることはありません

わたしはわたしのこの熱湯のような増上と不遜を
吹いてくる山颪を全身に受けながら
冷やしています

***

これは2013年の11月に書いたものです。

ある新聞に投稿しましたが落選でした。

***

 「春の野原」

ほとけさまが
春の野原に来て
お話をなさっています

相手は?

ほとけさまのお話がわかるのは
ほとけさまです

そこへ
兎がやってきました
野鳩がやってきました

ほとけさまは
兎と野鳩にもお話になりました

***

これは即興でいま作りました。
次のも即興です。



 「正客」

ほとけさまが
こちらを向いてお話になるので
兎も野鳩も
ほとけさまの正客は
わたしたちなのだと思いました

春の野原にはたんぽぽがありました

兎も野鳩の正客も
たんぽぽの正客も
ほとけさまなのでありました
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