お慕いする良寬様のお歌をもう一首。
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浮雲の身にしありせばほととぎすしば鳴く頃はいづこに待たむ
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浮き雲の身。行雲流水。良寬様は雲水さんである。仏道修行者は一処不住の人でなければならない。そうでなくとも、人間なべて一つの処にとどまれない、さすらい人である。
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いざさらばさきくてませよほととぎすしば鳴く頃は又も来てみん 貞心尼
さようなら、どうかお元気で居て下さい。ホトトギスが鳴く頃になったらまた訪ねて参ります。貞心尼はそういって立ち去って行かれた。そこへすかさず禅師が、返歌をされたのが最初の歌だ。ホトトギスが鳴く頃までは待てません、と。いわば駄々を捏ねられたのだ。そんな冷たいことは言わないですぐにもまた尋ねて来て下さいと。
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