君や忘る道やかくるるこの頃は待てど暮らせどおとづれのなき 良寛禅師
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大好きな良寛禅師のお歌のところへお邪魔する。禅師は寂しがっておられる様子。どうして? 仏道と歌と書の友、若い貞心尼の足が遠退いているから。歩いて来る道がどこぞに隠れんぼしたのだろうかなどと恍けてみせるあたり、ちょいと子供っぽくもある。でもそれだけ直截だ。一番言いたいことを初句に歌い込んである。あなたはわたしのことを忘れてしまったのだろうか。恋をしている人にはこういう感情がつきものだ。待っているのだが、日々待って待って暮らしているのだが、あなたのお姿が見えない、と。これは相聞歌ではあるが、現代人の携帯メールに近そう。お出で下さいお出で下さいと来訪を催促をしておられる。禅師はこのとき70歳近辺。お気持ちが若い。
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