イースト菌をもっと有効活用すればいいんじゃないかなあ。パンだけに限定されているのかなあ。膨らませる新種のイースト菌はないかなあ。夢や希望、期待を膨らませる新種イースト菌だとか、言葉をふっくら膨らませるのだとか、財布の中身を膨らませるものだとか。有るような気がする。あってもおかしくないようにも思う。あるはず、きっと。「幸福の種一個があれば大丈夫。一日待っていれば、百個に膨らんでいます」などというキャッチフレーズがあり、種を買ってくる。或いは貸し出しもしてくれる。種は人にもお分けできる。パンのイースト菌、お酒のイースト菌、ステーキのイースト菌、西瓜のイースト菌、鯛焼きや広島風お好み焼きのイースト菌などもある。人々はこれさえあれば、もう飢餓の心配はない。何倍にも何倍にも膨らませることができる。寛ぎだとか安らぎだとか、信仰、信心、悟りだとかのジャンルにも適応できる。まったく夢のような話だけど、きっと誰かが是を実現してみせるだろう。誰かが思ったことは実現を約束したことに等しいのだから。
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さぶろうは今夜そんなことを考えていた。暇なんだなあ。
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しかし、待てよ。もうこの発明は出来ているかも知れないぞ。何でも膨らませることができるイースト菌、名付けて「イーデス菌」。「あなたもどれだけでも幸せになってイーデス菌」。いいだろうなあ、これは。争いごとなんかなくなるんじゃないかなあ。何しろ無制限無限大に膨らませることができるというシロモノなんだから、ケチる必要もないし、奪い合うこともないし、ね。
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