大の字に寝て涼しさよ淋しさよ 小林一茶
大の字にごろんと寝る。暑苦しいものはなんでも脱ぎ捨てているから、涼しい。空を仰ぐ。雲が流れていく。しきりにしきりに。ぽっかりした空間が現れる。心の大空に。涼しいはずなのに、それがそのままの大きさで変色して、淋しい色になる。
一茶は情の人である。景色にだけ張り付いていられない。そこにすぐに雲が流れていく。そして景色の色が変色する。嬉しくなったり、淋しくなったりする。ゼロに戻ってくる。
そんなふうに、老爺はこの句を読んでみた。老爺流に。老爺も大の字にごろんと寝てみる。夏を涼しくするために。しかし、暑苦しいものを脱ぎ捨てる覚悟に乏しい。
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