石竜子(とかげ)さんとお話をしました。まだ小さな石竜子さんでした。
人間を恐がっていませんでした。逃げて行きません。
こっちを見ています。興味深そうにしています。
信頼してもらったんだと思って、嬉しくなって、あれこれ話しかけました。
「やあやあ」
「こんにちは」
「まだきみは生まれて間もないようだね」
「寒くないかな?」
「お腹が減った?」
「これから何処へ?」
などなどと。
石竜子さんは耳を澄ませてわたしの話かけを聞いている風でした。
*
ここは人間だけが住んでいるところではありません。友だちがたくさんいます。それで寂しくないようにしてあります。仲良くしていたいなあと思います。