難しいことを考えなくていい。
「どうぞよろしく」でいいんだなあ。
☆
生まれてきたときもそうだった。どうぞよろしく、だった。
こちらがあれこれの算段をしなくとも、息が吸えた。おぎゃあで息が吸えた。
☆
他力ばかりだった。その上で、さらに守られていた。さらにさらに、導かれていた。
死ぬときもいっしょだろう。他力の働きだろう。
☆
だったら、どうぞよろしく、でいい。
すべてがよろしくよろしく取り計らわれて行くはずだ。
☆
安心していていい。
死ぬ算段もしなくていい。いやいやそんなものができるはずがない。
だったら、おまかせしかない。
今晩の夕食は鍋料理。
で、昼間、フカネギを掘り上げた。スコップで。白ネギの部分も豊かだった。
白菜は家内が収穫した。中国菜ターサイ、人参、春菊、大根、里芋、どれも我が家の畑がプレゼントしてくれたものばかり。
有り難い有り難い。
もうすぐ夕食だ。鍋料理はあたたまる。酒も少しだけ飲む。これは熱燗がいい。
背骨があってよかったなあ。ゆらゆら揺れないで座っていることができる。まっすぐ立って歩ける。
なかったら、こんなことはできなかったなあ。
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今日はふっとそんなことを思った。そうだなあそうだなあと納得をした。
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もちろん何が欠けても困る。困らないようにしていてもらっているのだ。一つも欠けないようにしてある、ということが実感されて、ふっと嬉しくなった。
己は、取り柄のない人間なんだけど、にもかかわらず、一から十まで大事にされているんだなあと思った。
ただいま夕方の５時半ちょっと過ぎ。外が暗くなりました。もう庭先が見えません。気温は９℃。冷えて来ています。さっき畑から戻ってきました。麻痺をしている左足が金棒のように冷たく重くなっています。
お昼ご飯の後は畑に出ました。キャベツ畑の草取りをしました。よく働きました。草取りくらいで「働いた」と言えるかどうかは疑問なんですが。満足を覚えています。畑に出ているだけで、この老爺は幸福を味わうことができます。
雀が遊びに来ている。２０羽ほどもいそう。餌場のあたりを飛び交っている。眺めさせていただく。それだけで気持ちが晴れる。元気を誘われる。
餌は買ってきている。チャボ用のものでトウモロコシが多く含まれている餌、押し麦、上等ではないお米の３種類。餌場は庭の木々の高いところに吊している。
人には馴れていない。でも、近くで草取りをしていても大丈夫。警戒を解いている。猫が狙っているから用心をすべし。
おやおや、目白もやってきたぞ。これは１羽だけ。竹の枝に刺している蜜柑を突いている。雀と目白は敵対しないようだ。互いを恐れているふうでもない。
まもなく午前９時半になるところ。僕はまだ炬燵を離れきれない。外は日差しが溢れていて明るい。もう少ししたら僕も畑に行こう。
昨日やり残した仕事がある。高菜の苗の植え替えだ。それとチューリップの球根を植えること。でも、球根が足りなさそうだ。残りは買い求めてこなければならない。
いい一日にしよう。土に触れていたら自然といい一日になるだろう。これで上機嫌が約束されるから。長く生きている。生かされている。大切にしたい。
