10
(これは9の続きです)(これでラストです)
あの世に行くのは自力で出来ることではありませでした。これは仏さまのお仕事でありました。何から何まで仏さまがしてくださいます。お迎えに来られるところから始まります。極楽往生してそこでする次の活動もスケジュールに入っています。
仏さまがなさることです。仏さまがなさることですから、すっかりお任せしているより他はありません。この世とは違うのです。わたしが想定できる範囲を超えておりました。
10
(これは9の続きです)(これでラストです)
あの世に行くのは自力で出来ることではありませでした。これは仏さまのお仕事でありました。何から何まで仏さまがしてくださいます。お迎えに来られるところから始まります。極楽往生してそこでする次の活動もスケジュールに入っています。
仏さまがなさることです。仏さまがなさることですから、すっかりお任せしているより他はありません。この世とは違うのです。わたしが想定できる範囲を超えておりました。
9
(これは8の続きです)
そうは問屋が卸さずに、赤鬼さん青鬼さんがわんさと押しかけてきて、縄で縛って、地獄へ連れて行ってしまいそうな不安もある。八大地獄に落とされたら拘留期間が長いよ。
あの世に行ってどうするか。どうにもならないよ。刑務所暮らしだよ。どうしてもらえるか。この世で犯した罪の償いばかりで千年万年が過ぎてしまいそうだ。いいことをした記憶がない。
8
(これは7の続きです)
其処まではあの世での助走期間で、次は菩薩様や如来様方と会うことになるだろうなあ。次から次へと菩薩様方に会うだろうなあ。抱いてもらうだろうなあ。褒めてもらうだろうなあ。その後は次次次と如来様方に会うだろうなあ。
なにせ、第十八願で阿弥陀仏に極楽往生を約束して貰っている。
***
そんな想定をしていい気になっている。やはりやはり、ちょっと虫がよすぎるかなあ。
7
(これは6の続きです)
「わたしの中で、あなたはずっと生きていましたよ」と言えば、相手も、態度をやんわりやわらげてくれる? くれるかもしれないなあ。これはまんざら嘘偽りじゃないし。
すぐに同じ返事が返ってくるだろうなあ。「わたしたちの中でもあなたはずっと生きていましたよ」と。
だったら? 一挙に雪解けになるかもしれない。ラブラブになるかもしれない。
うううううん、どうかなあ。
6
(これは5の続きです)
じゃ、延長せずにいま此処で会ったら? 死なない前にいま此処で会ったらどうするか? リハーサルで、父と母と弟に来て貰ったら、どうするか。
抱いてもらえるか。褒めてもらえるか。父と母がこちらへ来てくれたらどうするか。
さぞさぞ狼狽(うろた)えてしまうだろうなあ。「ご覧下さい、成長を遂げたあなたの子です。あなたの兄です」と堂々と言えるかなあ。逆立ちしても言えそうもないなあ。
5
(これは4の続きです)
うううううん、ちょいと待った。会ってくれるかなあ。抱いてくれるかなあ。褒めてくれるかなあ。
この世にいるときからお頼みしていたら、聞いてもらえるかなあ。やっぱり駄目かなあ。うううううん、いまのオレの生き方からすると覚束ないなあ。今のオレを延長した延長線上だと、現実味が乏しいなあ。
4
(これは3の続きです)
これでもういい。十分だろう。冥土の旅の不安も疲れも吹っ飛ぶだろう。ふんわりとふにゃりを、これだけ繰り返して重ねたら、もういいだろう。
ちょっと考えが甘いかなあ。甘すぎるかなあ。砂糖漬け過ぎるかなあ。
3
(これは2の続きです)
褒めてもらう。しきりにしきりに褒めてもらう。あることないこと、したことしなかったこと、褒められ得ること得ないこと、あれこれ含めて、褒め言葉に包んでもらう。包み込んでもらって、ふんわりとなる。ふにゃりともなる。
2
(これは1の続きです)
その人たちはそこですでに仏道精進をして品格を上げて、慈愛を高めて巨大化しているから、移り変わり抱き上げてもらって、抱いてもらう。抱いてもらってふんわりとなる。ふにゃりともなる。
あの世に行ってどうするか。どうしてもらいたいか。
1
あの世に行ったら、父と母に会う。弟も先に亡くしているから、弟にも会う。父と母のそれぞれの父と母にも会う。親類の方にも会う。会ってふんわりとなる。ふにゃりともなる。