パパとママはセックスをするだけでいいのである。あとは受精卵が細胞増殖を繰り返して独自の発達を遂げていく。すると目ができる、口ができる、顔の両端に耳ができる、顔の真ん中に縦向きの鼻ができる。マジシャンがマジックをするように、十月十日で生きて行くのに必要なすべての部品ができあがる。心臓が打ち出す。血液が流れる。肺が呼吸をする。もちろん、産後はママがおっぱいを差し上げねばならないのだが、生まれて来るまでの十月十日間、ママが直接胎内へ潜り込んで行って、胎児の細胞増殖に関わるわけではない。計画書は赤ちゃん自らが遺伝子に隠して持参して来て、その計画書通りに人間完成の全過程が遂行されていくのである。
人間の顔をまじまじと見る。目がある、口がある、耳がある、鼻がある。同じように造られている。見ていると不思議で不思議でしょうがない。神さまを知るのはそのずううっとずううっと後のことなのである。其れも不思議で不思議でしょうがない。