酒はない 月しみじみ観ている 山頭火
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酔っぱらいが酔っぱらわないでいる。てれれてれしているはずの山頭火が、醒めている。醒めて、濡れ縁に片足を立てて、月を観ている。酒がないから、わが手の指をしゃぶっている。どこかに行って、酒をくれと頼もうか。いや、それもしんどいなあ。月を観ている。そうだ、月が酒を出してくれたら、それで万事解決なんだがなあ! 酒ばっかしくらって、痩せ細った一文無しがいる。句帳は向こうの部屋に投げ出してある。金がないと人間はだらしなくなるけれど、これはこれでやめられない。自由が楽しめるからだ。
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月が酒をだしてくれたら今夜は寝られる 李白黄
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酔っぱらいが酔っぱらわないでいる。てれれてれしているはずの山頭火が、醒めている。醒めて、濡れ縁に片足を立てて、月を観ている。酒がないから、わが手の指をしゃぶっている。どこかに行って、酒をくれと頼もうか。いや、それもしんどいなあ。月を観ている。そうだ、月が酒を出してくれたら、それで万事解決なんだがなあ! 酒ばっかしくらって、痩せ細った一文無しがいる。句帳は向こうの部屋に投げ出してある。金がないと人間はだらしなくなるけれど、これはこれでやめられない。自由が楽しめるからだ。
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月が酒をだしてくれたら今夜は寝られる 李白黄