小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



古い自動販売機が好きで、散策の途中に探している。小田原市内で古い自動販売機の置かれている場所は10ヶ所ほど把握しているが、未知の古い自動販売機を見つけることは最近少なくなってきた。ところが先日、散策の途中に何度も通っている場所で古い自動販売機を見つけた。寿町のカネボウ小田原工場前の県道720号を少し北進すると、東海道線と新幹線の今井ガードが見えてくる。今井ガード南側の店舗前には複数の自動販売機が設置されている。先日、散策の途中に飲み物を買おうと立ち寄ったところ、並んだ自動販売機の裏のスペースに1台の古い自動販売機が置かれているのに気がついた。ここでは何度も飲み物を買っているが今まで、古い自動販売機の存在にまったく気がつかなかった。古い自動販売機のサンプルケース上部にはハイクロンAドリンクの表記。硬貨投入口の上にあたりには大同薬品という社名。大同薬品はダイドードリンコの前身の会社で1975年に飲料部門を切り離しダイドーが設立された。錆びついた商品取り出し口の上にはハイクロンAドリンクのPOPシール。少し剥がれかけているがまずまずの保存状態。サンプルケースには4種類の飲料が並んでいる。ビンのものがハイクロンAかと思ったらハイクミンCだった。他の缶はクリームソーダとレモンスカッシュとりんごジュース。サンプル缶は1984年までのダイドー株式会社時代のものだったので恐らく、昭和55年前後くらいのものではないかと思われる。自動販売機本体に貼られている製造番号のプレート。現在でも自動販売機の製造メーカーとして有名なサンデン製。製造番号にある75Yが年号だとすると1975年製で大同薬品ブランドとして最後の年と一致する。硬貨投入口はもちろん500円硬貨の設定は無く、投入金額が表示される部分も見当たらない。商品取り出し口も硬貨返却口もなんともレトロなデザイン。ここは自動販売機の上に屋根があるので、良い感じで年月を経て朽ちている。いままで、旧抹香町の路地にある不二家の自動販売機が市内にあるレトロ自動販売機の中では一番古いものだと思っていたが、この大同薬品の自動販売機のほうが古いかもしれない。昭和時代の消費遺産のようなこの自動販売機が長く残ることを願うばかり。

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