小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



今年も桜の季節が過ぎていった。例年より遅れて開花した桜の見頃は4月12日の前後2日ほどではなかったかと思う。撮影を心待ちにしていた先週末の2日間はあいにくの空模様で大した写真も撮れなかったが、平日の昼休みや仕事の合間を利用し晴天の下、何枚かの桜の写真が撮れた。4月13日。小田原フラワーガーデン正門前から環境事業センター方面の桜並木。4月13日。環境事業センター入口からメモリアルロードの桜並木を撮影。4月14日。お堀端の桜並木。4月14日。同じくお堀端の桜並木。4月17日。銅門ちかくの花の名残。今年は目に見えない不安のなか、目の前の桜の花でほんのわずかな時間だが心安らぐことが出来た。来年の春は、不安や心配事なく穏やかに迎えられることを願っている。

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2009年9月17日、小田原城址公園の動物園で飼育されていた雌のインドゾウのウメ子が亡くなった。本丸広場周辺の動物園の飼育施設は史跡整備の一貫として、飼育している動物が亡くなると順次取り壊されていた。ウメ子のいたゾウ舎もこの春取り壊され、整地が終わった頃に桜の季節を迎えた。ウメ子は1950年9月に市制10周年を記念してタイから購入したインドゾウ。当時推定3歳だったウメ子は、その後、小田原城址公園で約60年にわたり飼育された。この手すりにつかまり多くの子供がウメ子の姿を見つめたことだろう。夜間はこの飼育舎の中にいたウメ子。2009年9月17日の朝、この飼育舎の中で亡くなっているのを発見された。亡くなってしばらくの間、ゾウ舎の前には献花台が設置された。亡くなって1ヶ月後の10月17日にはお別れ会のセレモニーも行われた。お別れ会が終わるとゾウ舎だけが残され、いくつかの季節が過ぎた。そのゾウ舎の解体工事が始まったのが今年の3月14日。4月に入ると解体工事も終わり、ゾウ舎のあった場所に新しい砂利が敷かれた。ゾウ舎の解体工事が終わると常盤木門側に小田原城本丸の説明板が設置された。その説明板の下の石張り部分にウメ子の説明プレートとレリーフが埋め込まれている。ゾウ舎が無くなった本丸広場に今年も桜が咲いた。この先、幾度もの春が訪れ、桜の花が咲き、この場所を訪れる人も1年1年歳をとる。この場所にゾウ舎があったという記憶はいつまで残るだろうか。

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