新国立劇場の昨日のマチネ(お昼の公演)でヴェルディオペラの大作「ドン・カルロ」を観て来ました。歌手や指揮者は代わっていますが2006年に上演されたプロダクションの8年ぶりの再演です。オーケストラは東京フィルで同じでしたが、多分メンバーは相当の方が入れ替わっているでしょうね。
「ドン・カルロ」はパリ・オペラ座の依頼で、シラーの戯曲「ドン・カルロス」をもとに1855年~1856年に作曲され、パリ万博の年、1867年にパリ・オペラ座で初演されたオペラ。
16世紀のスペイン宮廷を舞台に、スペイン国王フィリッポ2世(バス)と若き王妃エリザベッタ(ソプラノ)、スペイン王子ドン・カルロ(テノール)、王子の親友ロドリーゴ侯爵(バリトン)王子を愛する王妃の女官エボリ公女(メゾ・ソプラノ)カトリック教会の権力者の宗教裁判長(バス)達多彩な登場人物が、報われぬ恋、権力者の孤独、友情、王権と宗権、と言ったさまざまなテーマを重厚な音楽によって描いて行きます。上にあげた6人の強力な歌手を始め大合唱と大編成のオーケストラを必要とするオペラです。パリでの初演は当然フランス語で5幕の4時間を超えるのだったそうですが、その後いくつか改訂版が作られ、現在ではイタリア語のミラノ版(4幕)が上演されることが多いそうです。昨日もこのミラノ版で30分の休憩を挟んで3時間30分余でした。
多くのアリアがあって、歌手陣も実力者ぞろいで十分に堪能させてもらいました。特にこのオペラはバリトンとバス、メゾソプラノ、と言った低音歌手陣の聴きどころが沢山有って、二重唱、三重唱に四重唱、とすごい迫力の連続でした。おなじみのバス妻屋秀和さんは盲目の老宗教裁判長として登場、存在感を発揮していました。ドン・カルロを歌ったスペイン・トレド出身のセルジオ・エスコバルさん、ばあばが「リチートラに似ているじやない」なんて言うんですよ。そう言えば風貌と少し甘い声が、そんな感じもしましたね。パバロッティの後継者と言われたサルバトーレ・リチートラ、11,2年前でしょうか。映画(題名が今思い出せません(*^_^*))で彼が歌っていたのをきっかけにフアンになり、日本に来るたび聴きに行ったりしていましたが、数年前にバイク事故で亡くなってしまい本当に残念でした。2007年にオーストリアへ旅行に行った時、ウイーンのオペラ座で「アンドレア・シェニエ」を観たのですが、その時に歌っていたのがリチートラだったので、偶然なのか必然なのか、びっくりしたこともありました。
新国立劇場の2014/2015シーズンは9月から始まっていたのですが開幕がワーグナーの「パルジファル」だったので、ちょっと敬遠してしまいました(*^_^*)
日曜日のN響はシャルル・デュトワさん指揮で、ドビッシー唯一のオペラ「ペレアスとメリザンド」を演奏会形式で聴いてきました。ソロ歌手7人が出演。いずれの方も世界で活躍している方々で素晴らしい声でした。
明後日金曜の夜は武蔵野文化会館で世界で活躍するソプラノ歌手、ノルマ・ファンティーニさんのコンサート。歌曲とオペラのアリアを楽しんできます。生って最高!
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