のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

ミズキの話

2023年04月17日 | 日記・エッセイ・コラム

 アメリカハナミズキの街路樹が咲くようになりました。ハナミズキは上に向かって花をつけるので、下から見上げることが多い街路樹では「なんか花が咲いてるなぁ」と見えるだけで、花をまじまじ見ることは少ない。でも葉っぱが茂る前に花が出るので目立つことは目立つ。アメリカ的な花ですなぁ。

 アメリカのワシントンDCに日本から桜が送られた返礼に日本に来たのがアメリカハナミズキだと聞いてますが、街路樹として増えてきたのはこの2-30年でしょう。あまり背が高くならない気ですし、太くもならない。結構病気にも強いので、手がかからず街路樹向きなのかもしれません。

 ミズキと言う樹木は昔から日本にも存在しております。ご近所に生息している娘さんはみずきちゃんでしょう。それとは違う植物の方ですね。

 子正月飾りを作ったり正月の焼き団子を刺したりするのでダンコノキなどとも呼ばれますが、木目が主張をしなき樹なので加工しやすいのでこけしなど人形制作にも使われたた木でした。

 このミズキの樹を切ると切り口からオレンジ色の血を流します。ファフィア酵母と呼ばれる酵母が樹液の中に含まれていて、これが空気に触れて固形化されたもので、樹を切ったり傷をつけても根が水を吸い上げているので血が噴き出たように不気味な液体がわいてきます。

 子供の頃ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるさんはきっとこの不気味なミズキをペンネームにしたものと思っていましたが、後にゲゲゲの女房で住んでいたアパートが水木荘だったことからこのペンネームになったと明かされていました。

 そういえばあの頃、と言っても小学生の頃ですが、ミズキの皮が擦り傷に効くと、小刀で皮をはいで傷口に押し当てて、しばらくすると皮をはいだ幹に赤っぽく樹液が固形化されたものが浮き出てくるので、気がケガを代わって背負ったんだ。なんて言ってたものですが、ありがたかったということにしておきましょう。素朴っていいなぁ。

 水木の木を薪に使ってくれと作業しているんですが、結構曲者なんですよ。その名の通り水分たっぷり含んでいるのでやたらと重たいけれど、乾くとスカスカに軽くなり、燃やせば段ボールの兄貴分程度で灰も残らない。なので昔は竈なんかでよく使った燃料ですが、暖房に使うには火が持つ時間が少ない。

 しかも、割るのに意外と苦労する。柔らかい木なのですが木目がないようなものなのでちょっと力加減が悪いと斜めにそげてしまう。割ると石鹸のような匂いがしてこれが目に染みる。シナミズキと言う外来種がこの匂いきついのですが、マンサクなんかも同じようなにおいがする。昔は化粧品などにするために樹液を採っていたこともありますが、汗臭い作業着がさわやかな香りになることはない。

 でもまぁ、愚痴らずに接していこう。っと。

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