のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

出る杭は

2006年10月26日 | 日記・エッセイ・コラム

 ウラジオストクの属する沿海州地方にダリネゴルスク市という人口5万人程度の街があります。
 日本海から30kmほど内陸に入った街で、郊外には611高地と呼ばれるイズヴェストコヴァヤ山があります。
 10年くらい前の1月頃のことですが、夜8時頃この山に謎の光る物体が飛び交う様子が目撃され、UFOではないかと話題になったそうです。赤い光が山の上を飛んでいたそうです。

 この街出身の女性会員もいますが、仕事から家に帰る途中のお父さんが、この謎の光球を目撃したそうで、そのときはUFOなどとまったく気にもしなかったそうです。
 近くには空軍施設があるチュグエフカがあり、(最新式のミグで函館に亡命してきたベレンコ中尉もこの基地から飛び立っています)新型の飛行機か?程度にしか思わなかったそうです。

 その後、大勢のソビエト軍が街に入ってきて、この山の捜索をしたり、街の出入りも封鎖され、「アメリカ軍が入り込んだらしい」と噂が流れたそうです。
 こうなるとうっかり「謎の光を見た」などと口にすれば当局に疑いの目を向けられるので、だんまりを決め込んで普通の生活を装っていたそうです。
 やがて、噂はアメリカ軍から宇宙船になり、「もしかしたら宇宙人がこの街に市民の姿で住んでいる。」などと人々の間で噂が流れたものの、いつの間にか話題にもならなくなったそうです。いまだにあの光はなんだったのかわからないそうですが、日本人が抑留されたテチューヘの収容所のあった街ですから、無念の死を遂げた日本人の怨念が光の球となって…

 今月の19日、再びダリネゴルスク市が注目される事件がありました。市長選挙の候補者だったフトヤノフ氏が選挙前に何者かに銃殺され、選挙は順延になり、沿海州政府が陣頭指揮を執って犯人探しをしているそうです。
 他の候補者もいつ自分が標的になるかわかったものではありません。
 
 今月9日にはモスクワ在住のジャーナリストで、「プーチニズム」や「チェチェンやめられない戦争」などを書いてプーチン政権を批判していたアンナ・ポリトコフスカヤさんが暗殺されたり、きな臭い事件が横行しているロシアですが、「昔から変わっていない」そうです。

 ”出る杭は打たれる”ではなく、”出る杭は撃たれる”。極端な格差社会ですが、日本で言う”勝ち組”はいつ命を狙われるのかわからないので、ボディーガードをやとったり、セキュリティーの厳しい住居に移り住んだり、名をはせればこれはこれで苦心するようです。

 日本では妻子ある民主党のなんたら議員が、ニュースキャスターと路上でキスしている現場を雑誌に公表されて話題になりましたが、「ロシアではそんなこと話題にもならない。偉い人に愛人がいても珍しくもない。」
 ところがアメリカ人の友人曰く、「女性がニュース番組を降板したのだから、男性も議員をやめるべきだ!」と厳しい意見。


061026  最近、”危ないなぁ”と自分自身感じていることです。

 菊の花の季節になりました。

 近所の人が畑で自分で作っている菊の花を切って、花束にして畑から帰ってくる姿を見てとっさに感じたことが、「あそこの家のおばあさんが亡くなったのだろうか?」
 どうもこのところ菊=葬式のイメージが私の中に定着してしまったようで、菊の大輪など枕花を連想してしまいます。菊のみならずユリの花にも同じようなイメージを持ってしまいます。

061026a  葬式の棺おけに深紅のバラを乗せる某ロシアでは、個人がどの花を好きだったが重要で、特にこの場面ではこの花という固定概念がないので、スーパーマーケットで仏壇にお供えするために売られている切花を、平然と食卓に飾る暴挙をやってのけます。

  30年も遡れば、我が家の界隈など葬式用の生花など20kmも離れた沼田の花屋にでも注文しなければ手に入りませんでした。農協や公民館に祭事用の祭壇や造花があって、それを借りて飾っていたものですが、家の周辺に花を植える家庭も少なかったように思えます。
 こうしたことも生活の中の余裕なんでしょうね。

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