田園城郭都市構想 15

2017年02月05日 | 湖と城郭都市

1.ハワードの田園都市構想
2.田園都市論の現代的意義
日本型田園都市構想
4.和歌山市都市計画と学園城郭都市
5.近代ニュータウンの系譜
       -理想都市像の変遷-



都市計画・景観・歴史まちづくりについての計画 | 彦根市

5-4 イギリス:ニュータウン政策の新展開
4-3 ミルトン・キーンズの新たな成長

ミルトン・キーンズの都市構造とその問題

選択の自由と機会」、「移動の容易さとクセス」を目
標に掲げ、それまでのニュータウンとは異なる全く新し
い都市構造を目指すミルトン・キーンズの当初マスター
プラン(1970)には、その実施段階で様々な変更が加え
られることとなった。結果的に現在のミルトン・キーン
ズは多くの都市構造上の問題を抱えている。Milton Key-
nes Partnership
のレポート“The New Plan for Milton Keyn-
es:Draft Directions Papers
2005.8 は、それらの問題と
都市再生における課題を次のように分析している。



① 格子状道路網の構造

計画の実施段階で、格子状道路網の計画速度の大幅な変
30mph→ 60-70mph)が行われ、加減速のための空間
や大規模なバッファーゾーンを含む道路幅員の大幅な拡
張が行われた。そのために、格子状道路でのバスの安全
便利な利用が困難となり、バスストップはgrid square の 
内部に移された。この結果、著しいバスサービスの低下、
利用の低下が生じ、結果的に自動車利用への過度な依存
が生じている。格子状道路が大幅に緑化され、Green City
のイメージが強化された反面、単調な景観が生まる。格
子状道路を歩く人の姿を見ることはなく、道路空間の防
犯性にも問題が生じている。

② グリッドスクェアとアクティビティ・センター

道路構造の変化によって、隣接する二つの地区(Grid
Square
が視覚的にも物理的にも分断され、それぞれが
孤立する状況が
生じた。道路沿いの開発は回避され、開
発がGrid Square の内
部に押し込められる結果となった。
当初、隣接する地区を結び
つけるように格子状道路にま
たがって計画されていたアクテ
ィビティ・センターは、
地区の中央部またはバッファーゾーン
の背後に設けられ、
本来のキャッチメント・エリアを確保でき
ていない。地
区相互の間の歩行者動線も適切に連絡されず、結
果的に
ローカル・センターの多くは十分な選択性やサービスを

提供できずに終わっている。これらが当初意図された「
移動の
容易さとアクセス」、「選択の自由と機会」の実
現を阻んでいる。


③ 住宅地

都市全体を通じて低密度につくられた住宅地は、コミュ
ニティ施設と公共交通の存立が困難な状況を招いた。
質な土地利用と低密度の開発が、多様性や活力、活気に
乏しい場所をつくりだしている。また、異なるタイプの
住宅が混じり合うことなく、別の地区に分離されて建設
された結果、社会的、経済的階層の分離が生じた。住宅
の選択性や多様性の欠如は、バランスのとれた、多様で
活力あるコミュニティの形成を阻んでいる。

④ 土地利用ミックス

当初計画に反して住宅地と就業地とが分離され、意図さ
れた
用途のミックスは実現していない。結果的に住宅地、
就業地の
双方に歩行者が少なくなり、まちの安全性にも
問題が生じてい
る。また短い距離を自動車で通勤するよ
うな状況が生じている。




⑤ ペデストリアン

都市構造の大幅な変更によって、ペデストリアンは施設
利用
動線としては用いられず、レクリェーション利用に
とどまって
いる。人通りも少なく、安全上、防犯上の問
題も生じている。

参考になることが掲載されているので連載することに拍
車がかかる。

                   この項つづく

 Apr. 27, 2014

【エピソード】

 
 
  

新年会報告

昨夜、無事盛大に表示会をおえることができました。出
席者皆様方にお礼申し上げます。当日は、春慶節とあっ
て中国の宿泊者でにぎあう彦根キャッスルホテルで、5
日から改装に入る常磐の間(今夜で見納め)で、各自の
近況報告と幹事かから2つの提案(①ナショトレ調査活
動と②里山薪ストーブ事業)をさせていただきましたが
提案につきましては不採択となりました。尚、①につき
ましては、守る会とは切り離し活動を継続し行っていき
ます。

続いて、柳本様の乾杯の音頭で新年会を開宴、幹事の方
から不参加の会員の近況報告をさせていただき、「大老
御膳」コース料理を堪能、肝胆相照らし話に花を咲かせ
ました。吉田様からは料理の味がこの上なく美味しいと
の、幹事(有山)冥利に尽きる感想を頂き、吉田様の〆
で千秋楽させていただき。ここに皆様方にお礼申し上げ
ます。
                    幹事敬白



尚、不足分二百円は、辻様から義援いただきました。お礼申
し上げます。

【脚注及びリンク】
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  1. 田園都市 Wikipedia
  2. Core Strategy (2013) - Milton Keynes Council
  3. "The New Towns: There Problems and the Future
    Department for Communities and Local Government,
    2002.11.21
  4. 日本エシカル推進協議会Japan Ethical Initiative-
    エシカル日本
  5. 明治期廃絶城郭の公園化について ―史跡の保存
    活用の前史として― 佐々木孝文
     2015.06.26
  6. 都市とは何か 都市計画なぜ必要か - 東北大学
    奥村誠  2015.10.15
  7. 和歌山市都市計画マスタープラン 和歌山市
    2017.01.12
  8. 和歌山市立地適正化計画 2016.12.22
  9. 日本型田園都市構想―イギリス田園都市と比較し
    京田辺市を見直す―2001.12.11 西村利也
  10. 田園都市とエソテリシズム 吉村正和 2004.03.05
  11. 田園都市論の現代的意義 中井検裕 家とまちなみ
    45、2003.7.8
  12. 住宅地計画論 1.ハワードの田園都市構想園都市
  13. 都市思想の二人の巨人、ジェイコブズとハワード:
    宮﨑洋司市
  14. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.06 28
  15. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.07 26
  16. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.07 26
  17. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.07 03
  18. 平成 28年度 主要事業 彦根市
  19. 都市づくりの基本方針(全体構想) 彦根市
    橋梁長寿命化修繕計画による対策橋梁について
    滋賀県
  20. 彦根市都市計画道路網見直し検討調査
  21. 「まちづくりはひとづくり」をめざし 市民主
    のまち創る-近世城下町彦根市本町地区の2
    例の
    場合-(これからの都市づくりと都市計画
    制度全
    国市長会) 中島一 2005.05.09
  22. 中国城郭都市社会史研究 川勝守 著 汲古書院
  23. 都市計画の世界史、日端康雄 講談社現代新書
  24. ドイツ流 街づくり読本  水島信
  25. 続・ドイツ流 街づくり読本 水島信
  26. 完・ドイツ流 街づくり読本 水島信
  27. 都市計画1 日本の都市計画制度の概要 大谷英一
  28. 都市計画2 都市の歴史と都市計画 大谷英一
  29. 都市計画の理論 系譜と課題 高見沢実編集
  30. 道路をどうするのか 五十嵐敬喜・小川明雄 岩
    波新書
  31. 日本の道路史 武部健一 中公新書
  32. 道のユニバーサルデザイン 鈴木敏 技報堂
  33. 道路が一番わかる 窪田陽一 技術評論社
  34. 「道路」についての国際比較 藤井聡 2010.3.14
  35. 彦根市都市計画道路網見直し指針 
  36. 地域別のまちづくり方針(地域別構想)-彦根市
  37. 彦根市新市民体育センタ整備基本計画 2016.10.31 
  38. 彦根市立図書館|簡易検索
  39. 中心市街地の活性化に関する法律 Wikipedia
  40. 富山市におけるコンパクトなまちづくりの進捗と
    展望 2014.11.26
  41. アウガ Wikipedia
  42. 富山市 人と環境に優しいまち 公式HP
  43. 青森市 都市計画マスタープラン 公式HP
  44. コンパクトシティはなぜ失敗 するのか 富山、
    青森から見る居住の自由 2016.11.08, Yahoo!ニュー

  45. <アウガ>2副市長辞任 青森市政混迷増す 河
    北新聞 2016.01.28
     
      

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