屈斜路湖

2015年02月21日 | 日本の湖沼百選

 


九州の阿蘇カルデラをしのぐ、日本最大の屈斜路カル
デラのなかに横たわる巨大なコバルトブルーの湖。川
湯温泉の西2.キロメートルにあり、周囲57キロメート
ル、面積79.3平方キロメートル、最大深度117.5メー
トルの日本で6番目(カルデラ湖で1番)の大きさを
誇るカルデラ湖。湖心に浮かぶ中島は、淡水湖内では
日本一大きい島で、周囲12キロメートル、面積5.7平
方キロメートルもあり、その巨大さが想像できる。湖
を望む3つの峠に立ち、眼下に広がる雄大な原生林に
囲まれた湖を見下ろし、どこまでも広がる天空の青を
眺望(美幌峠で車を降り)できる。

周囲から小河川が流入し、南端から釧路川が流れ出
す。河川からの流入は、湖に入る全水量の20パーセ
ントほどで、残りは地下から湖底に入る。



屈斜路湖はキャンプ、ヨットやウィンドサーフィンな
どのウォータースポーツ、フィッシング、温泉浴など
で賑わうリゾート地。また、冬期間は全面凍結するが、
地熱が高く一部解氷部分が出来ることから、毎年400
~500羽の白鳥が羽を休る。

 

● 歴史

約30万年前に屈斜路火山が大噴火を繰り返し3万
前に屈斜路カルデラが形成された。現在の2倍以
上の広
さの湖が誕生したが、その後の噴火活動によ
って硫黄山
や摩周火山などが形成されて現在の形に
なった。中央部
に浮かぶ中島もじつはそうした火山
のひとつ。エクボのよ
うな摩周湖の中島とはちがっ
て、湖中島としては日本最
大の周囲12キロ、高さ
は355メートルある。屈斜路カル
デラの火山群の
中でも最後発の活火山が硫黄山(アトサ
ヌプリ)。

後の噴火はほんの数百年前に起きている。その名の
通り
かつては硫黄を豊富に産出し、明治時代には日
本の重
要な輸出資源として安田財閥などによって盛
んに採掘さ
れにぎわったという。輸送のために敷設
された鉄道は現
在の釧網本線の基礎となっている。

屈斜路湖は酸性湖沼に分類されています。実際1960
年にはpH4を記録。かなり強い酸性湖でした。とこ
ろが、1980年代から次第に中性化しはじめ、現在の
pHは7を越ている。

 

● 屈斜路湖畔温泉郷 

火山地帯であることから、周囲には火山や温泉が多数存
在し、湖岸を掘ると湯が湧き出す砂湯は観光名所となっ
ている。また湖底からも温泉が噴出している。 弟子屈町
周辺に名湯スポットが点在している。 

 

コタン露天温泉と白鳥

  池の湯



砂湯

 

【エピソード】

 

● 伝説

アイヌの伝説では、英雄アタシントクルが巨大なア
メマスを捕らえて山に結びつけたところ、暴れるア
メマスのせいで山が崩れ、中島が生まれたという。

昭和50年代(1975年から1985年頃)に大きな影が遊
泳する様子や湖面の波紋が立て続けに目撃され、こ
の湖に巨大な未知の生物が棲んでいるという噂がテ
レビなどで取り上げられた。ネッシーにならってク
ッシーと名付けられたが、
酸性が強いこの湖に大型
水生生物が存在する可能性は無いとされる。

●  由来

道北にあるクッチャロ湖とは、呼び名が似ているこ
とから混同されるが、全くの別物である。ただし、
語源は同じである(アイヌ語のkut-char(沼の水が
流れ出る口))。江戸時代の探検書・古地図には「
クスリ・トー」(アイヌ語で温泉、薬の湖の意)と
書かれていた。その後、釧路川源流付近にあったコ
タン名「クッチャロ」(喉・口、湖からの流出部の
意)から現在の「屈斜路湖」となった。

【脚注及びリンク】
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1.Wikipedia
2.釧路湿原自然再生全体構想 北海道地方環境事務所
3. 気候変動による水質等への影響解明調査 
2013.03 
4. 屈斜路湖底の温泉
5.屈斜路湖の魅力 | 摩周湖エリア | 釧路湿原・阿寒湖・

        摩周湖エリア・北海道東部の観光情報ポータルサイト
6.
屈斜路湖畔温泉郷 Wikipedia
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三方五湖

2012年01月28日 | 日本の湖沼百選

 




【三方五湖】


三方五湖(みかたごこ)は、福井県三方郡美浜町と同県三
上中郡若狭町に跨って位置する五つの湖の総称。国指定
の名
勝で、若狭湾国定公園に属する。2005年11月8日付で
ラムサー
ル条約指定湿地に登録されている。湖の周囲には
梅畑が広が
る景勝地。三方五湖は五つの湖で構成されてお
り、五つの湖
はすべてつながっている。日本列島の気候や
植生を何万年前より記録しており、また、日本海の海洋環
境の変化を湖底に記録しているとして、湖底の堆積物を採
取するためのボーリングが1980年11月に三方湖東南部(水
深1.5メートル)の北緯35度33分32秒、東経135度53分40秒
の地点で行われた。採取した堆積物から花粉、珪藻などの
微化石、あるいは植物遺体を検出した。過去5万年間の記
録を保管していることが分かった。ボーリング地点から南
に1キロほどのところに鳥浜貝塚がある。

五つの湖は淡水・海水・汽水とそれぞれに違った性質を持ち、
また同じ汽水湖でも日本海に直接つながっている久々子湖と
一番奥にある菅湖、中間の水月湖ではそれぞれ海水と淡水
の比率が違っている。そのため梅丈岳(三方五湖レインボーラ
イン展望台)から見える景色は、五つの湖がそれぞれに違った
青色をして見えるのである。比較的大きな川は三方湖に流入
する川(「はす」は魚偏に時)のみである。そのほかは小さい川
が多数流入している。若狭湾へ流れ出る川は久々子湖・日向
湖に繋がった運河のみである。

水月湖は二重底の湖としても知られている。湖水上部(水
深0~6m)は淡水、下部(水深7-40m)は硫化水素を含む無
酸素の汽水となっている。水路工事の結果、三方湖からは
淡水、久々子湖からは汽水が流れ込むようになり、淡水に
比べ重い汽水は湖底に滞留するようになった。この状態で
湖の表面に強風が吹いても表層の淡水が攪拌されるのみで、
湖底の汽水は滞留したままである。この結果、下部の汽水
は空気に触れることが無く、表層の酸素を含んだ淡水と混
じり合うことも無いために、有機物分解によって酸素が消
費し尽くされてしまい、2006年時点では硫化水素を多量
に含んだ無酸素状態と
なっている。なお、上下湖水の境界
付近では、下部湖水の硫
化水素を上部湖水に含まれる酸素
で酸化させ、その時に発生
するエネルギーを利用して生き
る特殊なバクテリアが生息し
ている

 

【エピソード】

三方五湖の景観の特色は、低いゆるやかな丘陵性の山々を
湖の周囲に巡らし、温和で素朴な情緒があふる。車で「レ
インボーライン」を通って、標高397メートルの梅丈岳(
ばいじょうだけ)山頂に登ると三方五湖が一望。最近は足
を運ぶことがないが、泊まりがけで、温泉につかりに虹岳
島荘に訪れたものだった。

 

【脚注及びリンク】

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1.三方五湖レイククルーズ
2.虹岳島荘
3.私が素敵と想うもの
4.ラムサール条約湿地「三方五湖
5.三方五湖と寛文大地震

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風蓮湖

2011年10月08日 | 日本の湖沼百選


 

風蓮湖(ふうれんこ)は、北海道根室市、野付
郡別海町にまたがる湖である。野付風蓮道立自
然公園に含まれる。北海道東部・根室半島の付
け根に位置する。面積57.74km2は、日本の湖沼
では14番目の面積規模を有する。汽水湖として
はサロマ湖、能取湖に次いで北海道第三位であ
るが、周囲96kmは汽水湖としては全道一。直接
根室湾に面しており、湖面の標高は0m。主な流
入河川は風蓮川、別当賀川、ヤウシュベツ川。
湖名の由来は、アイヌ語の「フーレ・ペツ」(
赤い川)。



これは本来、流入河川の風蓮川を指した地名で
あり、川に湿原由来の赤く染まった水が流れ込
んでいたことにちなむ。湖の方はただ「トー」
(沼)と呼ばれていた。砂州である春国岱(し
ゅんくにたい)はアイヌ語の「シュンク・ニタ
イ」(エゾマツ林)が由来の地名そのままに、
砂丘に自生する日本唯一のアカエゾツ林で覆わ
れている。さらに日本国内で最大級のハマナス
の群落がある。周囲には湿地帯が広がっている
ために、食糧を得られること、陸上を徘徊する
捕食者にも襲われにくいこと、隠れ場所となる
植生が存在することなどから、タンチョウの営
巣地や水鳥の飛来地になっている。



湖とそれに伴う湿原の重要性から、日本国政府
は1993年に国指定風蓮湖鳥獣保護区(集団飛来
地)に指定した(面積7,806ha、うち特別保護
区地区6,139ha)。その後、春国岱とともに「
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に
関する条約」(ラムサール条約)が指定する湿
地の候補として選定した。2005年10月21日には
国内での登録を終え、2005年11月8日第9回会議
で正式に決定された。なおご案内の通り風蓮湖
は北海道の根室にあるわけだが、以前は本州な
どもっと暖かい所に渡って越冬していたオオハ
クチョウなどの渡り鳥が、21世紀に入ってから、
風蓮湖で越冬する個体も確認されるようになっ
た。これは風蓮湖が全面凍結しなくなったため
と言われている。全面凍結しなければ水草も食
べられるし、陸上を徘徊する捕食者にも襲われ
にくいからである。ちなみに全面凍結しなくな
ったのは地球温暖化の影響だと考えられている


ファイル:Lake fuuren 01.jpg 

【エピソード】

 

 クリックすると新しいウィンドウで開きます

【脚注及びリンク】
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1.「山内恵介公式サイト
2.「平成21年全国都道府県市区町村別面積調 湖沼面積

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涸沼

2011年10月06日 | 日本の湖沼百選

 

 

涸沼(ひぬま)は、茨城県中部の鉾田市、東茨城
郡茨城町、大洗町にまたがる那珂川水系の汽水湖。
涸沼は、東茨城台地、鹿島台地に囲まれた所に位
置し、上流から笠間市を水源とする涸沼川や大谷
川などが流れ込む。下流側では涸沼川が那珂川に
合流し、そのすぐ先で海と通じており、満潮時に
は海水が涸沼川を逆流し、淡水と海水が混ざりあ
う汽水湖となっている。また、那珂川の氾濫時に
は淡水が涸沼に流れ込み、地形的に遊水池ともい
える。なお国や県では涸沼川の一部分という見解
が一般的である。流域面積:439km2、湖面積:9.35
km2、流域人口約161,000人。シジミの生産が盛ん
であり(1999年全国第4位)、涸沼沿岸では直売営
業所も見られる。また、マハゼなどの魚の漁も盛
んである。涸沼では、398種の植物が確認されてい
る。

Hinuma-landsat.jpg

昭和40年代までは、ヨシやマコモなどの水生植物
が群生していた。しかし、下記に示す湿地の干拓
やコンクリート護岸工事などによって、群生地が
減少、ミズアオイ、ミズワラビ、タコノアシが絶
滅の危機に瀕している。涸沼では、86種の鳥類が
確認されている。また、シジミや小魚が豊富であ
り、鴨や雁などの水鳥が多くみられる。また、シ
ギやチドリなどの渡り鳥が湿地などによくみられ
る。さらに、冬場には猛禽類であるオオワシやオ
ジロワシも見られる時がある。

魚類は105種の魚類が確認されている。全国的に
珍しい汽水湖であるため、フナ、ナマズなどの淡
水魚やハゼ、ボラなどの回遊魚など多種多様な魚
を見ることができ、ニシンの太平洋側の南限とし
ても知られる。昆虫類 は、国のレッドリストで
絶滅危惧I類に指定されているヒヌマイトトンボ
というイトトンボの一種が確認されている。貝類
はヤマトシジミの全国的な産地となっている。し
かし、護岸工事などで年々漁獲高が低下している。



縄文時代、海水面が上昇し、涸沼周辺では入り江
であった。その後、入り江の入り口が川の土砂に
よってふさがれ涸沼ができた。江戸時代では、東
北や那珂川流域から物資を運ぶルートとして利用
され「内川廻り」といわれるルートの一部であっ
た。さらに水戸藩が松波勘十郎に涸沼西部の海老
沢から巴川流域の紅葉まで約10kmを結ぶ「紅葉運
河」や涸沼川から大貫までの約1kmを結ぶ「大貫
運河」を掘らせたが失敗に終わった。明治時代に
入ってからも、大久保利通が大谷川から北浦の流
入河川である鉾田川をむすぶ国家計画に着手した
が、暗殺により頓挫した。いまでも旧旭村(現鉾
田市)に切り通しの跡を見ることができる。1927
年(昭和2年)より、涸沼干拓が始まり、前谷(茨
城町下石崎)、広浦(大洗町神山町)、船渡(茨
城町上石崎)、馬割(茨城町海老沢)、東永寺(
茨城町上石崎)、宮ヶ崎と干拓され、水田として
利用された。

 

【エピソード】

 

茨城県森林湖沼環境税 茨城県では、森林や霞ヶ浦
をはじめとする湖沼・河川などの公益的機能の重
要性にかんがみ、これらの環境の保全に資する施
策の一層の推進を図るため、平成20年度から5年
間「森林湖沼環境税」を導入している。課税方式
は県民税の均等割額への超過課税(上乗せ)方式。

税収の使い道は(1)森林保全整備=8億/年
(2)湖沼河川水質保全=8億/年


 

【脚注及びリンク】
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1.「
クリーンアップひぬまネットワーク
2.「松波 良利
3.「茨城県森林湖沼環境税

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図 茨城県 食品の放射能検査データ

 


中禅寺湖

2011年10月03日 | 日本の湖沼百選

 

 

 

2万年前に男体山の噴火でできた堰止湖。人造湖を
除く広さ4km2以上の湖としては、日本一標高の高い
場所にある湖である。また、栃木県最大の湖である。
湖のすぐ北には男体山がそびえ、北西には戦場ヶ原
が広がる。湖の南側には八丁出島と呼ばれる細長く
突き出した半島がある。

・流入河川 : 湯川など
・流出河川 : 大谷川(鬼怒川の支流)から華厳の滝
 へ(中禅寺湖から華厳の滝の間の通称は「大尻川」
 である)

782年(天応2年)、勝道上人が男体山の登頂時に発
見したといわれている[1]。1876年(明治9年)には
明治天皇が訪れた際、同湖を「幸の湖」と名付けて
いる。1878年(明治11年)6月末に当地を訪れたイザ
ベラ・バードは、いろは坂を上り切った山頂から見
下ろす中禅寺湖の水面に映える男体山を絶賛し、ま
た湖畔を竜頭滝方面に進む際に絶えず聞こえた小石
を洗う漣と高さ5メートル弱のツツジの林が真紅の花
で染まっている様子をその手紙に綴っている。当湖
には従来魚はいなかったが、日光二荒山神社の記録
によると1878年(明治11年)、西欧魚類の放流およ
び養殖が開始され、日本有数の釣り場となったとあ
る。明治中期から昭和初期にかけて、同湖周辺には
欧米各国の大使館別荘が建設され、各国の外交官た
ちが避暑に訪れるリゾート地となる。

華厳の滝と湯ノ湖と西ノ湖

 

Lake Yunoko 02.jpg

【エピソード】

中禅寺湖とヒメマス 

栃木県の放射性物質による汚染検査結果

 

【脚注及びリンク】
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1.「日光市と栃木県が隠す水源汚染

2.「環境の状況と保全に関して講じた施設 第二部

  栃木県
3.「同上 水質汚濁関連法令体系」栃木県
4.「世界の水事情  コカナダモの繁殖懸念
5.「中禅寺湖-日本光観光協会

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