地域循環共生圏概論11

2020年06月30日 | 防災と琵琶湖


作成日:2020.06.30|更新日:


【地域循環共生圏概論11】
佐川急便の環境配慮型経営とは
滋賀県守山市には佐川急便株式会社グループの所有する「佐川美
術館
」(公益財団法人佐川美術館)----1998年(平成10年)、佐
川急便創立40周年を記念して開館。収蔵作品は、日本画家・平山
郁夫と彫刻家・佐藤忠良の作品が中心となっている。2007年9月2
日には、十五代樂吉左衛門の陶芸(樂焼)作品を展示する「樂吉
左衞門館」が敷地内に新館として併設された。他の特筆すべき収
蔵品としては国宝の梵鐘がある)。美術館の敷地は大部分が水庭
(人工池)になっており、水の上に浮かぶように見える2棟の切
妻屋根の展示館(竹中工務店設計・施工)が配置されている----
は、本村正秀佐川急便株式会社代表取締役社長、ESG、SDGs
時代の新しい経営戦略を環境ビジネス社(2020年夏季号)が、ト
ップリータに訊く『環境配慮型経営』でインタビューを行ってい
る。"新型コロナウイルス禍中”で運輸・物流企業のリーディング
カンパニーで、脱炭素を社会的使命として取り組むゼロエミッシ
ョン物流の実現を目指し、2050年を見越した佐川急便の環境経営
戦略読み解く。


環境配慮型の車体を導入し環境負荷の低減を推進
それによると、佐川急便は、公共の道路を使用する運輸・物流企
業の社会的責任として、交通安全を第一に基軸に、環境保全にも
力を入れて取り組んできた。1997年には経営陣を中心とした「エ
コプロジェクト推進委員会」を立ち上げ、同年に「京都議定書」が
採択された国連の第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)が当
社の本社所在地である京都で開催されたことも契機となり、京都
議定書の目標達成への貢献と、環境と物流サービスの共生を目指
した環境活動を本格的に開始。特に、営業車両からの「排気ガス
」の削減対策として、C02、NOX(窒素酸化物)、PM(粒子状
物質)の排出が少ない天然ガストラックの導入を進め、2011年に
はトラック部門において保有台数世界一であると認定(国際天然
ガス自動車協会調べ)されるなど、積極的な導入を展開。また、
エネルギーセキュリティの観点からEVやハイブリッドトラックな
ども導入し利用燃料の多様化を進めると同時に、台車や電動三輪
自転車を用いた集荷・配送も実現。集配車両の使用を抑えること
でC02排出を大幅に抑制できている。

全てにペットボトルを再利用したエコマーク認定品を採用
さらに鉄道やタクシーなどの異なる輸送モードと連携することで
効率良く、環境負荷も低減する貨客混載など、他の輸送事業者様
との協働も進めてきている。この貨客混載は、ローカル鉄道やコ
ミュミティバスなど、地域の交通インフラとなる輸送モードと連
携するケースが多く、環境負荷の低減だけでなく、その地域の交
通インフラの維持や雇用の確保など、“誰ひとり取り残さない"
というSDGsの目標達成にも貢献する取り組みとして評価され
ているとのこと。また、2002年から、ペットボトルをリサイクル
して作られた再生ポリエステル素材のエコユニフォームを採用し、
これまでに約310万着、約1,400万本の500 mlペットボトルを再利
用するなど、循環型社会の構築に貢献する取り組みも進めてきて
いる。そして、50haの 社有林「高尾100年の森」も所有している。
温室効果ガスの吸収源として「地球温暖化の防止に役立つ里山」
の保全、「日本の原風景でもある里山」の将来への継承を目指し、
2007年から地域住民、大学、専門家など多くのステークホルダー
と協働で里山の再生に取り組んでいる。この活動では、小学生や
ユース世代、社会人も対象として、豊かな自然や生物に触れると
ともに、その自然を保全する活動に参加することで、環境問題に
ついて考え、自発的に取り組むことができる人材の育成を目指し
た自然体験教室なども間催しており、年間300人以上の方々が参加
している。   





折りたたみコンテナを活用し配達後の廃棄物をゼロに


車体製造から整備、廃棄まであらゆるフェーズで環境に配慮



今年の1月に竣工した「XFRONTIER」
は、最先端のロボティクス
と高品質なロジスティクスサービスを融合した物流センターの
同施設コンセプトや特長は
「XFRONTIER」は、これ まで関東圏にあった複数の中継センタ
-を再編した「大規模中継センター」です.施設にはLED照明の
採用はもとより、人感センサーによる照明の自動制御、省エネ空
調の採用など、全館において省エネ機器を導入しています。また、
同施設の稼働による中継拠点の集約で、路線使を効率的に運行す
ることができ、トラックから排出されるC02の排出量を大きく
削減できる。さらに、この中継センターの上層階には、グループ
の3PLを担う「佐川グローバルジスティクス」が物流ロボティクス
を駆使した自動制御によるスピーディな荷捌きと配送を可能にす
る「シームレスECプラットホーム」サービスを通販事業者様や
様々なメーカー様に提供している。通常であれば、購入者や販売
店から注文を受けた商品は物流倉庫から出荷され、いくつかの輸
送行程を経て中継センターを介して全国に発送されるが、この
「X FRONTIER」を利用することで、その輸送行程を経ず全国に直
送することができる。輸送行程を省略することでC02排出抑制
や大気汚染防止を実現できます。この「X FRONTIER」は、SGホー
ルディングスグループ各社の多様な物流機能を併せ持つ、グルー
プの総合力をお客様対して、先進的なロジスティクスの提供を通
じ、物流の課題解決という「ゴール」へお客さまと突き進む専門
家集団です。メンバーはロジスティックス分野のコンサルタント
をじめシステムエンジニアや建築デザイナーなど多種多様な“プ
ロ"で構成されており、目の前の課題だけでなく、深部のニーズ
まで敏感にキャッチしながら体制を構築し、物流の全体最適解の
ご提案をを使命とする。「GOAL®」が大型ショッピングセンタ
ーの館内から近辺に至る物や人、車の流れを改善したことで、ト
ラックなどの輸送量が激減し、環境負荷を低減するだけでなく、
地域住民のストレスも緩和したという事例もあり平成26年(2014
年)グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰、国土交通大
臣表彰を受賞。『物流における環境 負荷の低減』というお客様
の課題についても是非、「GOAL®」まで相談願いたい。さらに、
社会から求められる環境情報の適切公開を意識し、グループ全体
でCSRレポートを発行し、ESG情報を公開。また、環境報告
書を作成し、今後は、社会ニーズに対応したGRIなどのグロー
バルスタンダードに整合する情報公開の強化を行う。

持続可能な社会づくりへの啓発活動 



モーダルシフトの推進
列車や船で荷物を運びCO2排出量をトラックの11分の1に





✔ 環境配慮型(あるいは共同社会型)の経営戦略手順の開示と
実行計画策定及びその実践(BCP)の見える化は21世紀の常識
として定着する。次回以降はより考察を深掘りして行きたい。


【エピソード】





【脚注及びリンク】
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  1. ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジネ
    2020年冬季
  2. 賀県に根づく『三方よし』の経営を実現, 環境ビジ
    ネス,2020年冬季
     
       
  3. 環境への取り組み CSR(企業の社会的責任)佐川急便株
    式会社
  4. 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV,2019.
    12.15
  5. 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia       

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