地盤強化と地震防災④

2022年02月25日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.2.25|更新日:2022.2.26

地域循環共生圏概論 ㊴
□ 地盤強化と地震防災④

 先回は「伊勢市の環境基本計画」の市民合意形成の
手段、広報の丁寧さに感心しその内容確認にのめり込
んでしましました。今回は、「彦根愛知犬上地域新ご
み処理施設整備基本計画」(彦根愛知犬上広域行政組
合)の「第2章の計画条件の整備」を確認します。
以下
2.1 施設供用開始予定年度 
2.2 ごみ処理対象人口およびごみ排出量の動態
【要点】
1.人口は、本組合圏域全体としては2015年度にかけ
  て緩やかに減少し、2016年は200人程度微増。
ごみ排
 出量は、2013年度を境に減少傾向にある。ごみ種別
 ごとにみると、「燃えるごみ」、「燃えないごみ」、
 「粗大ごみ」、「その他」および「集団回収」は排
 出量が減少傾向であり、「資源ごみ」は2014年度ま
 では減少したがその後増加。
2.「家電4品目」は、不法投棄としての量であり、
 各市町の排出量は確認できていない。
3.自治体ごとの排出量をみると、彦根市が人口およ
 びごみ排出量が最も多く、直近実績である2016年度
 は本組合圏域のごみ排出量48,301t/年のうち約76%
 (36,877t/年)を占めているが、2013年度を境に減
 少傾向にある。
4.
愛荘町は彦根市に次いで人口およびごみ排出量が
 多く、同年度の本組合圏域の ごみ排出量の約 10%
 (4,759t/年)を占め、やや増加傾向にある。
5.豊郷町、甲良町および多賀町については、人口は
 多賀町がわずかに多いものの、過去5年間は3町と
 も7,500人前後で推移している。同年度のごみ排出量
 は豊郷町が全体の約 5%(2,612t/年)、甲良町約4
 %(1,813t/年)、多賀町約 5%(2,240t/年)を占
 めている状況であり、豊郷町はやや増加傾向にある。
 甲良町は近年3年間でほぼ横ばいに推移し、多賀町
 はやや減少傾向にある。

2.3 ごみ処理体系 
(1)現在のごみ処理体系
 1)彦根市:中間処理施設として「彦根市清掃セン
 タ」があり、「燃やすごみ」、「粗大ごみ」、「資
 源ごみ」 のうち「缶・金属類」、「びん類」、「ペ
 ットボトル」および「容器包装プラスチック」につ
 いては彦根市清掃センタにて焼却、破砕・選別、圧
 縮・梱包等の中間処理を行っている。「埋立ごみ」
 については、中継基地(中山投棄場)を経て、民間
 で委託処理を行っている。資源ごみのうち「古紙・
 衣類(センタ直接搬入分)」、「使用済乾電池」お
 よび「使用済蛍光管等」は彦根市清掃センタで一時
 保管を経て資源化事業者にて委託処理を行っている。
 「古紙・衣類(収集分)」および「廃食用油」は資
 源化事業者にて委託処理を行っている(図 彦根市
 の現在のごみ処理体系は不掲載)。 

 2)愛荘町:愛荘町は中間処理施設として「リバー
 スセンタ」があり、「燃やすごみ」のRDF化処理
 を行っている。「燃えないごみ」については、「ガ
 レキ類(収集分・直接搬入分)」は愛知郡広域行政
 組合「ガレキ類最終処分場」にて埋立処理を行い、
 ガレキ類以外の燃えないごみは同組合「愛知郡清掃
 センタ」に保管後、民間で委託処理を行っている。
 「粗大ごみ」については、収集分のうち金属類は資
 源化事業者にて委託処理を行い、金属類以外の粗大
 ごみは委託処理している。また「愛知郡清掃センタ」
 への直接搬入も可能としている。「資源ごみ」につ
 いては、収集分は資源化事業者にて委託処理を行い、
 「缶・金属類」、「びん類」、「ペットボトル」お
 よび「廃蛍光管」は「愛知郡清掃センター」への直
 接搬入も可能としている。

 3)豊郷町は中間処理施設として「リバースセンタ」
  があり、「燃やすごみ」のRDF化処理を行ってい
  る。「燃えないごみ」については、中継基地(中山
  投棄場)を経て、民間で委託処理を行っている。「
  粗大ごみ」および「資源ごみ」については、資源化
  事業者にて委託処理を行っている。

 4)中間処理施設として「リバースセンタ」があり、
 「燃やせるごみ」のRDF化処理を行っている。「
 燃えないごみ」については、中継基地(中山投棄場)
 を経て、民間で処理を行っている。「粗大ごみ」お
 よび「資源ごみ」については、資源化事業者にて委
 託処理を行っている。

 5)多賀町:中間処理施設として「リバースセンタ」
 があり、「燃やすごみ」のRDF化処理を行ってい
 る。「燃えないごみ」については、中継基地(中山
 投棄場)を経て、民間で処理を行っている。「粗大
 ごみ」および「資源ごみ」については、資源化事業
 者にて委託処理を行っている。多賀町は1市4町で 
 唯一紙パック単独の拠点回収を行っている。 

① 可燃ごみ処理施設

② 粗大・資源ごみ処理施設・保管施設 

③ 中継基地・最終処分場


④ し尿処理施設 


⑤ 現有施設の位置図 

(2)ごみ処理体系統一に向けた各ごみ種の取り扱い
新施設稼働開始後は本組合圏域のごみ処理体系の統一
を行う。(ただし、収集・運搬は各市町の方法に拠る
。)統一にあたって、各ごみ種の取り扱いについて以
下のとおり検討している。
①燃やすごみ:現在、彦根市では彦根市清掃センタに
おいて焼却処理、愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町で
はリバースセンターにおいて RDF化しているごみ種で
ある。新施設では焼却処理を行う。燃やすごみについ
ては、現在彦根市清掃センタでは、資源化可能な草・
剪定枝」を選別し民間事業者において資源化している。
これについて、新施設では以下のことが考えられる。
(1)現状どおり搬入時に草・剪定枝を選別し、一時
 保管後に資源化
(2)搬入時に草・剪定枝を選別し、リサイクル施設
 で破砕後に焼却
(3)草・剪定枝を選別せず焼却処理
 
 新施設稼働開始後も同様の取組を継続するかどうか
 現時点では未定であるが、本計画では
 (1)「現状どおり搬入時に選別し 一時保管後に資源
 化する」ことを想定。
 なお、草・剪定枝については、現在、各市町に一般
 廃棄物処理を行っている民間事業者があり、将来的
 にその分が新施設に搬入される可能性があることを
 考慮し、新施設の草・剪定枝貯留ヤードを計画する。 

②燃えないごみ(彦根 市では埋立ごみ): 現在、中
継施設にて保管の後、民間にて処理・処分を委託して
いるごみ種である。新施設ではリサイクル施設におい
て、処理不適物を除去した後、破砕処理し、可燃物・
不燃物・鉄・アルミ等に選別処理を行う。燃えないご
みについては「硬いプラスチック製品」「合成皮革製
品」を含んでいる。これらについて、新施設では以下
のことが考えられる。 

 (1) 現状どおり燃えないごみに含める。
 (2) 燃やすごみに含める。
 
新施設においては焼却設備や排ガス処理設備の性能
も向上することから、 (2)「燃やすごみに含める」こ
とを想定する。また、「プラスチック製容器包装」で
ある食品ラップ類、ペットボトルキ ャップ、アルミコ
ーティングの袋類は4町では燃えないごみに含まれて
いる。これらについて、新施設では以下のことが考え
られる。
 (1) 燃やすごみに含める。(焼却余熱としてサーマル
 リサイクル)
 (2) 容器包装プラスチックとして分別・資源化する。
 容器包装プラスチックについては、後述の⑦におい
 ても整理するが、新施設稼働開始後も分別・資源化
 を行うかどうか現時点では未定である。よって、本
 計画では(1)「燃やすごみに含める」場合と、(2)「
 分別・資源化する」場合の両方を想定する。 

③ 粗大ごみ(小型家電 を含む):現在、彦根市では
彦根市清掃センタにおいて破砕・選別処理、愛荘町・
豊郷町・甲良町・多賀町では民間に処理委託している
ごみ種である。現在は、愛荘町・豊郷町・甲良町・多
賀町では「ふとん・じゅうたん・カーペット等」は燃
やすごみ(50cm以下に裁断)、「畳」は引き取り不可
とされている。これらについて、新施設では以下のこ
とが考えられる。
(1) 現状どおり(ふとん・じゅうたん・カーペット等
は燃やすごみ、畳は引き取り不可とする)とする。⇒
専用の破砕機(切断機)は設置しない。
(2) 専用の破砕機(切断機)を設置し破砕後焼却する。
(ふとん・じゅうたん・カーペットは 50cm 以下に裁
断する必要はない。) 基本的には、現在粗大ごみとし
て収集されているものは、新施設においても同様に処
理することを想定しており、これらは彦根市では現在
も粗大ごみとして処理されていることから、新施設に
おいても (2)「破砕後 焼却する」ことを想定する。
 また、彦根市では「小型家電」について、粗大ごみ
と同様に申込みによる有料戸別収集を実施しているが、
愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町では BOX回収および
拠点回収を行っている。収集方法については各市町の
方法に拠るが、新施設では搬入された小型家電を選別
し、一時保管可能なよう計画する。

④ 缶・金属類:新施設ではリサイクル施設において選
別・圧縮処理を行う。現在は缶・金属類に含めて収集
されている「スプレー缶」については、新施設でも「
缶・金属類」として処理し、圧縮処理前に不適物とし
て除去する。除去したスプレー缶の処理方法について
は、今後、選別ヤードにおいて作業員が手作業で内容
物を除去する、または専用の処理機を設置する、また
は外部に処理委託する等の方法を検討することとする。
 また、現在、彦根市・愛荘町・甲良町においては缶・
金属類に含めて収集、豊郷町においては粗大ごみに含
めて収集、多賀町においては燃えないごみおよび粗大
ごみに含めて収集されている「その他小型金属類」に
ついても、新施設では「缶・金属類」として処理し、
圧縮処理前に不適物として除去する。 
⑤びん類:施設ではリサイクル施設において選別処理
を行う。
⑥ ペットボトル:新施設ではリサイクル施設において
選別・圧縮・梱包処理を行う。 
⑦容器包装プラスチックおよび白色トレイ:現在、彦
根市では「容器包装プラスチック(白色トレイを含む
)」を分別・資源化されており、愛荘町・豊郷町・甲
良町・多賀町では「白色トレイ」を分別・資源化され
ている。(愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町では「容
器包装 プラスチック」は燃やすごみに含まれている。)
容器包装プラスチックおよび白色トレイについては、
新施設では以下 のことが考えられる。 (1) 燃やすご
みに含める。(焼却余熱としてサーマルリサイクル)
(2) 現状どおり分別・資源化する。新施設稼働開始後
も分別・資源化を行うかどうか現時点では未定である。
よって、本計画では(1)「燃やすごみに含める」場合と、
(2)「分別・資源化する」場合の両方を想定する。
⑧ 古紙・衣類: 現在、各市町において、分別・資源
化されているが、回収・資源化のフローは各市町で異
なっている。
 彦根市…集団回収が実施されているほか、直接搬入
 分は施設で一時保管後に資源化事業者に引渡しされ
 ており、収集分は資源化事業者において直接資源化
 される。
 愛荘町…拠点回収が行われており、資源化事業者に
 おいて直接資源化される。
 豊郷町…拠点回収が行われており、資源化事業者に
 おいて直接資源化される。
 甲良町…集団回収が実施されているほか、布類のみ
 拠点回収も行われており、資源化事業者において直
 接資源化される。
 多賀町…集団回収が実施されており、資源化事業者
 において直接資源化される。古紙・衣類については、
 新施設では以下のことが考えられる。

 (1) 発生する全量を受け入れ、一時保管する。(現
  在実施されている集団回収の仕組みが継続されな
  い場合)
 (2) 現在は直接資源化されている収集分と拠点回収
  分、および直接搬入分ともに受け入れ、一時保管
  する。(現在実施されている集団回収の仕組みは
  継続される場合)
 (3) 直接搬入分のみ受け入れ、一時保管する。(収
  集分と拠点回収分は直接資源化が継続され、現在
  実施されている集団回収の仕組みも継続される場
  合)新施設稼働開始後も集団回収の仕組みを継続
  するかどうかは各市町の施策に拠るところである
  が、本計画では、現在実施されている集団回収の
  仕組みは今後も継続されるものとして想定する。
   よって、(2)か(3)のいずれかとなるが、現在実
  施されている直接資源化が継続されるかどうかは
  各市町の今後の施策にも拠る所であり現時点では
  未定であるため、本計画では (2)「収集分(拠点
  回収含む)・直接搬入の両方を受け入れる場合」
  と (3)「直接搬入分のみ受け入れる場合」の両方
    を想定する。
⑨廃食用油:現在、各市町で分別・資源化されている
 廃食用油については、新施設では以下のことが考え
 られる。 (1) 燃やすごみに含める。(焼却余熱とし
 てサーマルリサイクル) (2) 現状どおり分別・資源
 化する。 新施設稼働開始後も分別・資源化を行うか
 どうか現時点では未定である。 よって、本計画では
 (1)「燃やすごみに含める」場合と、(2)「分別・ 資
 源化する」場合の両方を想定する。 
⑩乾電池・廃蛍光管: 新施設ではリサイクル施設にお
 いて一時保管を行う。
⑪使い捨てライター:現在、彦根市・豊郷町・甲良町・
 多賀町においては、拠点回収(ボックス回収)してい
 る。新施設では 「燃えないごみ」として処理する。
 (原則 は使い切って排出することとなっているが、
 中身が入ったままのものは破砕処理前に不適物とし
 て除去する。)ただし、収集については現状どおり、
 別袋での収集の継続を前提とする。 
⑫その他:❶処理困難物について:処理困難物である
 「スプリング付きマットレス」や「ソファ」、「チ
 ャイルドシート」については、新施設で処理が可能
 なよう、貯留ヤードや前処理ヤード、破砕設備を検
 討する。基本的には購入先や専門業者への引き取り
 を依頼すべきもの(家電4品目、エンジンオイルや
 バッテリー、消火器、金庫、塗料等)については、
 万が一不法投棄された場合には、新施設で一時保管
 が可能なようストックヤードを確保する。水銀使用
 廃製品(水銀体温計・水銀血圧計等)については、
 現在、各市町において回収方法は異なっている ➲ 

 彦根市…直接持込(職員に手渡し)
 愛荘町…直接持込(愛知郡清掃センターへ搬入)
 豊郷町…水銀体温計は燃えないごみとして収集、水
 銀血圧計は小型家 電として回収。
 甲良町…燃えないごみとして収集。
 多賀町…燃えないごみとして収集。
 環境省「家庭から排出される水銀使用廃製品の分別
 回収ガイドライン(2015年12月)」によれば、水銀使
  用廃製品は、その他の廃棄物と混合しないように排
  出する分別区分とする(破損したものも含む)こと
 とされている。新施設では、直接持込(職員に手渡
 し)のみを受け入れることとし、ストックヤードに
 おいて一時保管を行なう。
 ❷自治会清掃ごみについて:自治会清掃ごみ(草木・
 川ざらい汚泥を含む)(400~500t/年)について、
 現在は中山投棄場に搬入後、民間事業者に処理を委
 託している。新施設では、自治会清掃ごみは焼却炉
 において処理する。ただし一度に焼却炉に投入しな
 いよう対策(一時貯留設備を設ける、ごみピットで
 十分な攪拌を行う等)が必要である。
 ❸動物の死がいについて:動物の死がいについては、
 大型動物(シカ・イノシシ等)・中型動物(サル・
 イヌ等)は、現在、彦根市清掃センタでは一時保管
 の後、民間事業者に処理委託を行っている。ロード
 キル動物は彦根市清掃センタで の焼却処理も実施し
 ている。新施設においては、小型・中型動物(サル・
 イヌ等(ただしペットは紫雲苑での受入も行う))・
 ロードキル動物および有害鳥獣(カラス・アライグ
 マ・ハクビシン等)は焼却炉において焼却処理する
 とともに、大型動物(シカ・イノシシ等)は一時保
 管が可能なよう 貯留設備(冷凍庫)を設ける。
------------------------------------------------
※「直接資源化」…中間処理施設を経ずに、資源化事
業者に直接搬入されて資源化されること。一旦、中間
処理施設に搬入され、破砕・選別等の処理や一時保管
の後、資源化される場合は「中間処理後再生利用」と
呼ぶ。
※「行政回収」…「市区町村」主体の回収方法であり、
市区町村が委託したごみ収集車で資源ごみを回収する。
(ステーション方式)
※「拠点回収」…「市区町村」主体の回収方法であり、
役所などの施設内に「回収ボックス」等を設置して資
源ごみを回収する。
※「集団回収」…「地域団体(町内会、自治会、PTA
等)」と「回収業者」が主体の回収方法であり、回収
業者のごみ収集車が資源ごみを回収する。
 また、ここで技術工学的な用語が使用されているの
で下記に記載しておきます。


図 RDF製造フロー  出典:カワサキプラントシステ
ムズ(株)「RDF製造設備」
※RDF化処理:Refuse Derived Fuel(ごみ固形化燃
料)➲ごみ固形化燃料とも呼ばれ、生ごみ・廃プラ
スチック、古紙(DPF:Refuse Paper & Plastic Fuel
などのごみを、粉砕・乾燥したのちに生石灰を混合し
て、圧縮・固化したものをさす。
乾燥・圧縮・形成されているため、輸送や長期保管が
可能となり、熱源として利用される。石炭との混用が
可能であり、セメント焼成にも利用できる。発熱量は、
1kg当り約5,000kcalで、石炭に近い。現行法の体系下
では、原料が廃棄物であるために RDFの製造は一般廃
棄物の中間処理方法のひとつとみなされ、市町村が事
業主体となって焼却処理されている。RDFを 焼却する
処理施設は、ダイオキシン類をはじめ大気汚染物質の
排出抑制措置がとられ、粉塵の飛散防止、廃ガス処理、
ダイオキシンの濃度測定などが義務付けられている。
なお、廃熱は電気、スチームなどに利用されている。
一方、RPFは 産業廃棄物として分別収集された古紙及
びプラスチックを主原料とする固形燃料で、原料性質
が一般廃棄物と比較して安定しているため、製造工程
は RDFより単純で、製造コストも低く、低位発熱量も
RDFより高い。図はRDF製造フローである。RDFの 製造
工程は廃棄物焼却処理の工程と類似点が多い。
下表は、RDFおよびRPFの性状をまとめたものである。
可燃性の一般廃棄物を主原料とするRDF(図1(左))
は、台所で発生する生ごみ等を含むため、 RPFより水
分含量がやや多い。その分、RPFと 比較して密度がや
や大きく、低位発熱量は小さくなっている。一般炭(
約27MJ/kg)の約2分の1から 約3分の2に相当する発熱
量があるので、暖房や乾燥などに利用できるほか、発
電に利用する事例もある。形状は、20mm×40mm程度の
円筒形である場合が多い。
RPF(図1(右))は、主原料が紙類、廃プラスチック
であることから、RDFよりも水分含量が少なく、 発熱
量も大きい。灰分や塩素分など燃焼の妨げとなる異物
の量が少ないので RDFより安定した燃焼が実現できる。

 表. RDFとRPFの性状


 2003年8月、三重県多度町にある同県企業庁のRDF焼
却・発電施設のRDF貯蔵タンクで 自然発火による貯蔵
施設の爆発・人身事故が発生した。自然発酵による発
熱・発火が原因とされる。こうした事故を防ぐために
も、貯蔵に当たっては含水率を低く保って自然発酵を
抑制することが必要とされる。 RDF需要の低下とも相
まって、当初のRDF熱は、沈静してきているとされる。

※via 廃棄物固形燃料化(RDF、RPF);環境技術解説
環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア


図 AI技術を活用した次世代自動燃焼制御システム

(3)新施設稼働開始後のごみ処理体系 
新施設稼働開始後の本組合のごみ処理体系を下図に示
す。案①は 「容器包装プラスチック」および 「廃食
用油」は燃やすごみに含め、かつ「古紙・衣類」は収
集および直接搬入を含め全て新ごみ処理施 設へ搬入す
ることを想定するものである。案②は、案①に比べ「
古紙・衣類」は資源化事業者が直接収集することを想
定するものである。案③は、案②に比べ、「容器包装
プラスチック」 および「廃食用油」 を分別収集しリ
サイクル施設で資源化することを想定するものである。
(「図 新施設稼働開始後のごみ処理体系」省略)

2.4 ごみの分別区分および収集方法
(1)可燃ごみ:分別名称以外は 1 市 4 町で同様。
愛荘町、豊郷町、甲良町および多賀町は中間処理施設
がリバースセンターで同一であるため、可燃ごみの分
別は同様である。新施設稼働開始後も、これまで各市
町で可燃ごみとして収集されていたごみは可燃ごみと
して処理する。(「表 可燃ごみの分別区分および収
集方法」省略)
(2)不燃ごみ:不燃ごみについては、名称は彦根市
が「埋立ごみ」としている他は全て「燃えないごみ」
である。収集回数は彦根市、愛荘町、甲良町が月1回、
豊郷町 が月2回、多賀町が隔週1回となっている。収
集方法は全ての市町が指定袋である。不燃ごみの対象
となる項目としては、主に「金属」、「ガレキ」、「
陶器・ ガラス類」、「アルミ類」、「硬質プラスチ
ック類」、「塩化ビニール製品」等が共通して含まれ
る。愛荘町では上記項目のうち「ガレキ」および「ガ
ラス類(蛍光灯)」(割れた蛍光灯、電球、板ガラス
等)を不燃ごみとは別に回収し、資源化している。ま
た、彦根市、豊郷町および甲良町では「使い捨てライ
ター」を不燃ごみとは別に回収している。なお、プラ
スチック類について、容器包装プラスチックは基本的
には彦根市では資源ごみ、他4町は可燃ごみとしてい
るが、プラスチックの性状によって可燃・不燃の区分
が異なる。新施設稼働開始後は、「金属」、「ガレキ」、
「陶器・ガラス類」、「アルミ類」は不燃ごみとして
処理する。ただし、不燃ごみ破砕後の残渣を焼却処理
するこ とを想定し、「ガラス類(蛍光灯)」(割れ
た蛍光灯、電球、板ガラス等)は分けて処理すること
とする。また、「使い捨てライター」は、破砕時の引
火を防ぐため分けて処理することとする。これまで各
市町で扱いが異なったプラスチック類・合成皮革は、
新施設においては焼却時の余熱を高効率で回収するこ
とが可能となるとともに、排ガス処理設備での高効率
な有害物質除去が可能となることから、可燃ごみとし
て処理することとする。ただし、プラスチック製容器
包装は、分別統一案①・案②では燃やすごみに含むが
分別統一案③では資源ごみに含むこととする。(「表
不燃ごみの分別区分および収集方法」省略)
                         
(3)粗大ごみ:愛荘町秦荘地区・甲良町・多賀町で
は資源系(金属製)・非資源系(非金属(可燃性))と
分けているが、それ以外では区分されてい ない。収集
回数、収集方式および収集体制については市町ごとに
異なっている。新施設稼働開始後は、全て粗大ごみと
して処理する。(「表 粗大ごみの分別区分および収集
方法」)

(4)資源ごみ:処理の方法が 1 市 4 町で大きく異
なるのは「容器包装プラスチック」であり、彦根市の
み資源ごみとして処理しており、彦根市以外 は白色
トレイのみ資源
とし、他は「燃やすごみ」(ただし
ルミコーティングがされているもの等は「燃えないご
み」)としている。新施設稼働開始後は、資源ごみの
種類は「缶類」、「びん類」、「ペットボトル」、「
古紙・衣類」、「廃蛍光管」、「乾電池」および「廃
食用油」とする。これまで彦根市で分別収集を行って
いた「容器包装プラスチック」(愛荘町・豊郷町・甲
良町・多賀町で分別収集を行っていた「白色トレイ」
を含む。)および「廃食用油」は、新施設においては
焼却時の余熱を高効率で回収することが可能となると
ともに、排ガス処理設備での高効率な有害物質除去が
可能となる ことから、分別統一案①・案②では可燃
ごみとして処理することとする。(ただし、分別統一
案③では資源ごみに含むこととする。)(「 表 資源
ごみの分別区分および収集方法」)

2.5 計画処理量等の設定
(1)新施設における処理対象物の設定
 1) 熱回収施設の処理対象物 :熱回収施設におけ
  る処理対象物は、以下を想定する。

 2) リサイクル施設の処理対象物 リサイクル施設
における処理対象物は、以下を想定する。 




 3) いずれの案においても新施設に搬入されず直接
  資源化するもの新施設に搬入されず、資源化事業
  者により直接回収され資源化される。



(2)将来人口推計 本組合圏域の人口推計結果を以
下に示す(統計表グラフ省略)
。推計方法は、1 市 4
町それぞれが推計した値(2020年度、2025年度、2030
年度)を基に、5ヵ年の間の人口は等分推移として算
出。2017年度以降は全域として緩やかな減少傾向を示
すと考えている。
 尚、これまでの日本の人口問題に対する専門部会の
解析と「人口政策・戦略」専門部会の早急な提案が希
求されるところです。また、各ごみ項目の推計詳細(
ごみ量の推計方法)は『ごみ処理基本計画策定指針』
(2016年9月改定、環境省大臣官房廃棄物・リサイク
ル対策部)に基づき、トレンド法を用いている。


以下、試算結果は省略。
(5)熱回収施設の計画処理量および施設規模等
 1
) 熱回収施設の計画処理量
熱回収施設の計画処理量は以下のとおりとする。 


2) 熱回収施設の施設規模 熱回収施設規模を以下のとおり設定する。

3) 炉数 炉数については、本施設の規模において実績
の多い「2 炉」と「3 炉」の比較を行う。

上記のとおり、「3 炉」の場合は操炉計画上のメリッ
トはあるが、機器点数や必要面積の増大に繋がる ため、
建設費や維持管理費が高くなる、施設が大きくなると
いうデメリットがある。本計画では、施設 整備基本方
針で掲げている「経済性」「周辺環境との調和」とい
った観点から総合的に判断し、「2 炉」とする.



(6)熱回収施設の計画ごみ質
   1) ごみ質と設備計画との関係について 発熱量が
大きい(燃えやすい)ごみを「高質ごみ」と呼び、一
般的にはプラスチック類や紙類などの可燃分が多く含
まれ、水分が少ない場合に高質ごみとなる。一方、発
熱量が小さい(燃え にくい)ごみを「低質ごみ」と呼
び、一般的には厨芥類などの燃えにくいものが多く含
まれ、水 分が多い場合に低質ごみとなる。ごみの質は
年間を通じて変動し、平均的なものを「基準ごみ」と
呼ぶ。焼却施設の設計においては、ごみ質の変動幅が
大きい場合には設備の容量等に影響するため、計画ご
み質の設定(ごみ質の変動幅をどの程度の範囲で想定
するか)が重要である。下表は、焼却炉設備の計画・
容量決定に際して、高質ごみ(設計上の最高ごみ質)、
低質ごみ(設計上の最低ごみ質)がどのように関与する
かを示したものである。 例えば、低質ごみ側の変動幅
を大きく想定する場合には、焼却炉設備では火格子面
積が大きくなる。つまり、燃えにくいごみに合わせて、
焼却炉の広さを設計する必要がある。(ごみの発熱量
が小さいと炉温が低下し、燃焼の安定性が失われがち
となるうえ、燃焼の完結にはより長時間を要すること
等から、一定の焼却灰質を保とうとする場合、焼却能
力は低下する傾向となる。)一方、高質ごみ(燃えや
すいごみ)においては、供給空気量、燃焼ガス量は共
に増大し、また熱発生量が大となることから、ガス冷
却設備、通風設備、排ガス処理設備等を大きく設計し
ておく必要がある。また、一般的に高質ごみは単位体
積重量が小さいことから、ごみクレーンの必要容量に
影響する。
                                   
2) 過去のごみ質実績データ 2012~16年度の実績
データを下表に示す。なお、元素組成は可燃分中の割
合、種類組成は可燃分+灰分中の割合としている。

「彦根愛知犬上地域 新ごみ処理施設整備基本計画」
 p.2-56,57 参照。 

  3) 実績データの精査 ① 低位発熱量 ごみ質分析の
実績のうち、彦根市清掃センターでは各回の低位発熱
量を実測されている。一方、 リバースセンターについ
ては、各回の低位発熱量の実測はされていない。よっ
て計算によって求め る必要があるが、低位発熱量の推
計式には、「本多の式」、「狩郷の式」、「小林の式」
等がある。試 算の結果、容器包装プラスチックを資源
ごみとして分別収集している彦根市清掃センターより
も高い数値となった「小林の式」を採用する。 
         
② 元素組成 元素組成(炭素、水素、窒素、硫黄、塩素、
酸素)は、以下の算式より、ごみ種類組成から推計する
ものとする。      

                                    この項つづく
【エピソード】


□ 現状のひとり当たりのごみ排出量    Wb  Kg/Y          
□ 10年後のひとりあたりのごみ排出量  Wa  kg/Y
    計画削減率              Ω   %      
  投資額                Mc  ¥/Y
  二酸化炭素排出量削減率        De  % 
    エネルギー削減率           Er  %
  投資効果額              Ma  \/Y

基本的には上記のような、主要目的関数で表現できれ
ばと考えている(イメージとして➲これが問題解決
の肝なのですが)。時間はたっぷりあるので ^^;?!
良いアイデアがあれば情報提供願います。
 
【脚注及びリンク】
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地盤強化と地震防災③

2022年02月21日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.2.20|更新日:2022.2.23


地域循環共生圏概論 ㊳
□ 地盤強化と地震防災③
1.日本における耐震基準の変遷
前回では、湖東平野の地層・地盤の由来を考察しまし
たが、奈良県、大阪府、京都府をはじめ東京都、愛知
県の平野部はたいていは震災(火災・風水雪災・交通
事故)などに脆弱であり、その意味において大きく変
わることはないといえるでしょう。従って、彦根市周
辺でいえば、市庁舎、彦根市立病院、清掃センタなど
既設建造物はもとより全国の同施設の地盤改修法・耐
震設計施工実績を参考にして「安全・安心・安価」の
3つの「コア品質」を評価すれよいでしょう。

※現時点では、「安全×安心×安価」+「安定」➲
「安全×安心×安定×安価」の拡張モデルも含まれま
す。
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【参考】国の目指す「循環型社会」


出典:環境省資料


⛨ 上の世界(1970~2017)の地震々央分布図をみて
 いると早く国外移住するか、費用計算ど返しで地盤
 改良・耐震➲国土強靱化を実現し腹を括って生活
 するかの二択するしかないよう思えますね(「原発
 事故」や「列島沈没」で止めがうたれますが)。
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1-1 耐震基準とは
建築物や土木構造物を設計する際に、それらの構造物
が最低限度の耐震能力を持っていることを保証し、建
築を許可する基準とされています。

1-2 日本における耐震基準の変遷
耐震基準の変遷は次ぎのようになります。
via Wikipedia
・1920年 市街地建築物法(大正8年法律第37号)施行
 第12条において、「主務大臣ハ建築物ノ構造、設備
 又ハ敷地ニ関シ衛生上、保安上又ハ防空上必要ナル
 規定ヲ設クルコトヲ得」と規定される。市街地建築
 物法施行規則(大正9年内務省令第37号)において、
 構造設計法として許容応力度設計法が採用され、自
 重と積載荷重による鉛直力にたいする構造強度を要
 求。ただし、この時点で地震力に関する規定は設け
 られていない。
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・1923年 大正関東地震(関東大震災)発生
・1924年 市街地建築物法施行規則改正 許容応力度設
 計において、材料の安全率を3倍とし、地震力は水
 平震度0.1を要求。
・1950年 市街地建築物法廃止、建築基準法施行(旧
 耐震)具体的な耐震基準は建築基準法施行令(昭和
  25年政令338号)に規定された。許容応力度設計に
  おける地震力を水平震度0.2に引き上げ。
・1968年 十勝沖地震発生
・1971年 建築基準法施行令改正 十勝沖地震の被害を
 踏まえ、RC造の帯筋の基準を強化した。
・1978年 宮城県沖地震発生。
・1981年 建築基準法施行令改正(新耐震) 一次設計
 二次設計の概念が導入された。
・1995年 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)発生
・2000年 建築基準法及び同施行令改正 性能規定の概
 念が導入され、構造計算法として従来の許容応力度
 等計算に加え、限界耐力計算法が認められる。
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1-3 建築基準法の規定とは
建築物の構造耐力は建築基準法第20条で以下のように
規定されている。建築物は、自重、積載荷重、積雪、
風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃
に対して安全な構造のものとして、次に定める基準に
適合するものでなければならない。

1.建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定
 める技術的基準に適合すること。
2.次に掲げる建築物にあつては、前号に定めるもの
 のほか、政令で定める基準に従った構造計算によつ
 て確かめられる安全性を有すること。
 イ.第6条第1項第2号又は第3号に掲げる建築物
 ロ.イに掲げるもののほか、高さが13メートル又は
  軒の高さが 9メートルを超える建築物で、その主
    要構造部(床、屋根及び階段を除く。)を 石造、
    れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンク
    リート造その他これらに類する構造造としたもの
3.第6条第1項第1号に掲げる建築物=別表第1(い)欄
 に掲げる用途に供する特殊建物でその用途に供する
 部分の床面積の合計が 100平方メートルを超えるも
  の
4.第6条第1項第2号に掲げる建築物=木造の建築物で
 3以上の階数を有し、又は延べ面積が500平方メート
 ル、高さが13メートル若しくは軒の高さが 9メート
  ルを超えるもの
5.第 6条第1項第3号に掲げる建築物=木造以外の建
  築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200平方
  メートルを超えるもの
6.建築基準法第20条 第1項による構造に関する技術
  的基準は、構造種類(木造、組積造、補強コンクリ
  ートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄
  骨鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造)ごと
  に建築基準法施行令第3章第1節~第7節の2(第36条
  〜第80条の3)にて定められている。
7.建築基準法第20条第 2項による構造計算法は建築
  基準法施行令第3章第8節(第81条〜第106条)にて
  定められている。
以下、省略耐震基準-Wikipeidia

2.地盤改良・耐震ごみ処理施設事業計画の事例研究


2-1 彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備事業
.施設理念・基本方針
・理念1:ごみの安全・安心・安定的な処理が確保で
 きる施設
・理念2: 環境への負荷の少ない施設
・理念3:資源循環・エネルギーの回収に優れた循環
 型社会基盤施設
・理念4:経済性に優れた施設 
理念5:災害に強い施設
  東日本大震災の経験を踏まえ、 今後、鈴鹿西縁断層帯
を震源とする地震等、震災をはじめとする災害 に対する対
応策を予め準備しておく必要がある。 以上を踏まえ、新施
設は災害時にもできる限り安定運転が可能とし、災害廃棄
物処理および災害時の エネルギー供給等の拠点と成り得
る、必要な設備を備える施設とする。 
・理念6:社会情勢等の変化への柔軟な対応ができる施設 
【基本方針】
・大規模な災害が発生した際に一定の期間で災害廃棄物
 の処理ができるよう、余力のある処理能力を備えた設備
 を導入する。
・平常時に排出されるごみとは性状が異なる災害廃棄物へ
 の対応が可能な処理技術を備える。
地震水害により稼働不能とならぬよう、耐震化や燃料・
 資機材等の備蓄を考慮した災害に強 い施設とするととも
 に、平時より災害時の廃棄物処理に係る訓練を行う。

2-2 北九州市循環型社会形成推進基本計画
.基本理念と計画の視点
・最適な「地域循環圏」の構築
・低炭素社会、自然共生社会への貢献
・環境国際協力・ビジネスの推進



2-3 伊勢市環境基本計画(第3期)
1.基本理念と計画の視点
・低炭素で地球にやさしい社会の構築
・資源を大切にする循環型社会の構築
・歴史・文化の薫る、快適に暮らせるまちの形成
・環境保全に取り組むための基盤づくり
・持続可能な開発目標(SDGs)の視点
・コベネフィットの視点➲ひとつの活動が様々な
 利益につながること( vs 一点突破全面展開)





2.基本目標 1 低炭素で地球にやさしい社会の構築 
1)計画の期間:環境基本計画と同じ 2020 年度から
2029 年度まで。国の目標を考慮し、基準年度を 2013
年度、目標年度を 2030 年度と設定。国の動向や社会
情勢の変化等を踏まえ、必要に応じ、環境基本計画の
見直し、本実行計画を見直す。
2)対象とする温室効果ガス:地球温暖化対策の推進
に関する法律第2 条第3項で定める7種類を対象。
①二酸化炭素
②メタン
③一酸化二窒素
④ハイドロフルオロカーボン
⑤パーフルオロカーボン
⑥六ふっ化硫黄
⑦三ふっ化窒素

3)事務事業編
①市の事務及び事業における温室効果 ガス排出量の
現況:本市の事務事業においては排出された温室効果
ガス排出量をみると、基準年度の2013年度から直近の
2018年度までに約 340t-CO2削減。本計画の事務及び
事業の温室効果ガス総排出量の算定範囲は、市が行う
すべての事務事業(上下水道事業を含む)及び市が所
有するすべての施設(公用車等の付属物や指定管理者
制度により管理運営する施設を含む)を対象とし、病
院や議会事務局等においても、本市役所と同一または
隣接する施設に入居している場合は、当該施設全体が
対象。?


②市の事務及び事業における温室効果ガス排出量の削
減目標 
本市においても、国の削減目標の趣旨を踏まえた率先
的な取組の実施が期待されていることから、本実行計
画では、政府実行計画の目標に準じた「温室効果ガス
の排出量を 2030 年 度までに 2013 年度比で 40%削
減する。 


③市の事務事業における地球温暖化対策
4)区域施策編 
①市域における温室効果ガス排出量の現況 
本市の 2016 年度の温室効果ガス排出量は、約 1,206
千 t-CO2 であり、2010年度以降増 加傾向にあったが、
2012年度をピークに減少。2016年度における温室効果
ガス排出量の内訳は、産業部門が全体の3割程度を占
め、そのうちの大部分が製造業からの排出である。


②市域における温室効果ガス排出量の削減目標 
国は、パリ協定等を踏まえ、2016年 5月に「地球温暖
化対策計画」を策定しており、この中で中期目標とし
て、温室効果ガスの排出量を2030年度までに2013年度
比で 26% 削減することをめざす。本市も国との整合
を図り、「温室効果ガスの排出量を2030年度までに
2013年度比で26%削減を目標とする。


③市の施策の方向性:基本目標 1「低炭素で地球にや
さしい社会の構築」の実現に向けて「(6)市の事務
事業における地球温暖化対策」に掲げた取組と併せ、
次の取組も推進していく。


④市の施策内容
施策の方向性(1) 温室効果ガスの排出抑制
施策の方向性(2) 気候変動への適応
⑤市民・事業者に期待する役割

3.基本目標 2 資源を大切にする循環型社会の構築 
(1)現状と課題:循環型社会形成推進基本法は、「
循環型社会(廃棄物の抑制やリサイクルにより、資源
消費を抑制し、環境への負荷をできる限り低減された
社会)」の形成に向けた実効ある取組を図ることとさ
れている。廃棄物処理については、これまで3R(リ
デュース・リユース・リサイクル)の取組や個別リサ
イクル法等の法的基盤整備とそれに基づく取組等によ
り、国民の意識向上や最終処分量の大幅削減が実現す
る等、循環型社会形成に向けた取組は着実に進んでき
たが、世界規模で資源制約が強まるなかで、天然資源
の消費をさらに抑制するため、リサイクルよりも優先
順位の高い2R(リデュース、リユース)の取組強化
等が求められている。また、プラスチックごみの海洋
等への流出による汚染等の新たな問題も提起されてお
り、発生抑制や適正処理に取り組む必要がある。本市
は、燃えるごみの組成調査によると「まだ食べられる
のに廃棄される“未利用食品(食品ロス)”」や「資
源物である“紙類”」の割合が高い等の課題もあり、
市民、地域組織、事業者、行政が主体的に、また連携
し社会基盤の整備や環境負荷の低いライフスタイルや
事業活動への転換等、ごみの減量・資源化に取り組む
ことが求められている。水循環基本法ては、「健全な
水循環(人の活動と環境保全に果たす水の機能が適切
に保たれた状態での水循環)」の維持、回復のための
取組を推進することとされ、水資源は、限りある地域
共有の財産であり、将来にわたってその恵みを市民が
享受できる必要がある。水資源の健全な循環を維持・
回復していくため、調整池や貯留施設の設置による河
川への雨水流出量を抑制や、水源地の保全といった水
・水質両面からの対策を推進していくことがめられて
いる。 
(2)市の施策の方向性 


(3)施策の方向性(1)3Rの推進、(2)適正かつ効
 率的なごみ処理の推進、(3)ごみに関する啓発・協働
 の推進、(4)水循環の確保、
(4)市民・事業者に期待する役割

4.基本目標 3 豊かな自然と人が共生する社会の
 形成 
(1)現状と課題:
(2)市の施策の方向性 
(3)市の施策内容:(1) 自然環境・公益的機能の保
  全、(2)然との共生
(4)市民・事業者に期待する役割
5.基本目標 4 歴史・文化の薫る、快適に暮らせる
 まちの形成
(1)現状と課題:伊勢は、神宮がご鎮座するまちと
    して、世界に誇れる歴史・文化等の資源を数多く
   有し多くの観光客が訪れ、
伊勢の環境文化は神宮
  の中にあるだけでなく、伊勢のまちなかで感じら
  れることが大切であり、発信していく必要がある。
  本市が持続的に発展していくためには、本市の利
  益だけでなく、伊勢志摩地域、定住自立圏域等の
  枠組みで、周辺の地域と協力しながら、互いにメ
  リットのある関係性を築くことが求められる。身
  近な生活環境問題としては、空き地、空き家にお
  ける雑草の繁茂等の苦情や、犬猫等のペット飼育
  マナーについての相談が多く寄せられており、生
  活衛生環境に関して一人ひとりの意識向上が課題
  となっている。
(2)市の施策の方向性 
                  
(3)市の施策内容:
・快適で美しい住環境の保全
・歴史的・文化的環境の保全

(4)市民・事業者に期待する役割
6.基本目標5 環境保全に取り組む基本づくり
(1)現状と課題
(2)市の施策の方向性
(3)市の施策内容
・環境教育・環境学習の充実
・環境保全活動の促進
(4)市民・事業者に期待する役割

第4章 分野横断的取り組み
(1)考え方
(2)選定基準
 ・5つの基本目標のそれぞれに市の自然的・社会的
 特性や課題を踏まえ選定
 ・環境分野だけでなく、産業、福祉、防災、教育等
 分野を横断して便益をもたらし、 課題解決につな
 がるコベネフィット型の象徴的な事業
 ・市民生活や事業活動に密接に関係し、家庭や学校、
 事業所等での地域全体での取組が 求められる事業
(3)分野横断的取組の設定


1.公共交通の利用促進:
1)具体的な取組
・鉄道、路線バス、自主運行バス、コミュニティバス
等による公共交通網の維持を図りながら、啓発活動等
を通じてその利用を促進
・連節バス導入等により、輸送効率の向上を図る。 
・ICT やバスロケーションシステムの導入により、利
便性の向上を図る。
・年末年始等の観光交通対策として、パークアンドバ
スライドを実施、渋滞解消及び快適な移動手段を提供。
・利用状況やニーズを踏まえた既存路線の延伸や再編
等の検討に市民が参画する仕組みの構築等を推進。 


2.食品ロスの削減

                  この項つづく

【エピソード】




【脚注及びリンク】

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地盤強化と地震防災②

2022年02月14日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.2.14|更新日:2022.2.15
地域循環共生圏概論 ㊲
□ 地盤強化と地震防災②

6.彦根の被害想定
 地震調査委員会の「鈴鹿西縁断層帯の評価」(2004)
などによれば、彦根市に強い地聯動をもたらす可能性があ
る(近くにあってMが大きい)のは、鈴鹿西縁断層帯、桝
ケ瀬・関ケ原断層帯、琵琶湖西岸断層帯であろう。第7図
は、中央防災会議(2006)による、鈴鹿若緑断聯帯が震源
断層になった場合の想定震度分布の1つで、モデルによっ
て震度の分布のパターンは微妙に異なるが、いずれの場合
も彦根と周辺地域は震度6強となる。


 彦根がもっとも用心すべき地震は、むしろ、地震調査委
員会(2012年)の長期評価で30年発生確率70%の東南海地
震、30年発生確率60%の南海地震てあろう。これらの地震
による彦根の想定震度は6弱であるが、3分もの長時間に
わたって地震動が続くので、内陸型地震による震度6弱の
場合に比べて、被害は洛かに深刻になると予想される。そ
れは、2011年東北地方太平洋沖地震の場合の福島県福島市
やいわき市、茨城県の水戸市や腹鳴市などの揺れに対応す
る。彦根市一帯では、埋め立て地を中心に大規模な液沃化
も発生すると推測されている。

7.「地震の間」の建築学的構造について
 「地震の間」は平屋立てで、屋根は大屋根の寄せ棟造り
と建物外周部に下屋を配置し、全面を比較的軽量な柿葺き
としている.写真2のように大きな岩石を人工的に積み上げ
た築山を地盤として、自然石を加工したのべ石あるいは玉
石の上に土台を敷いて建築されている。構造は木造軸組構
法であり、接合部は金物を用いずに木組みによる伝統的構
法である。主要な材には板材が使用されている(彦根市文
化財課、私信)。


 柱脚部の構造は写真3に示すように、約360×I35㎜程度(
背×幅)の足固め(柱相互を水平につなぐ木材)を設置し
て堅固に一体化している。柱と足固めの接合部は、足固め
側面を欠き込んで、柱の側面から接合している。欠き込み
部分は咤断面の半一分程度であり、また西澤・中川(1997)
によれば欠き込みはすべて足固め側で柱側の欠損は無い。
 柱は概ね105自負程度で壁は上塗である。地震に抵抗する
主要な耐震要素は桂、上塗り壁、足固めであるが、写真4に
示すように室内は床の間を有する書院造りであり、柱や壁
は非常に少なく、開口部上に配置されている垂れ壁(天井
から垂れ下かった途中までしかない壁)と足固めが重要な
耐震要素であると思われる。
また今回の視察では確認できていないが、齋田(1940)II
によれば、要所に雲筋かいを設置して小屋組の剛性を高め
ていることかわかっている。
 以上のことから「地震の聞」の耐震性能について、建物
重量が軽量であることは建築物に作用する地震力が軽減さ
れており、柱脚部を堅固に一体化しているので、地震時に
柱脚部か個々に挙動せずに局所的な損壊が抑制される(特
定非営活動法人緑の列島ネットワーク、2010)。これらは
耐震上有効であると言える。
しかし耐震要素が少ないことや岩石による築山の崩壊の可
能性などは耐震,ヒ懸念される事項である,.さらに
「地震の間」には、写真5に示すように自然石の.hに往を建
てて建物部分を支持する極めて不安定な状態で建築物か付
随しており、付随建物の倒壊に伴うr地震の間jの損傷も懸
念される。

7.まとめ
「地震の間」が位置している場所は、100m程度の空間的ス
ケールでは、地盤は約30万年年前~2万年前に堆積した段丘
相当層で耐震的には良い地盤である。しかし、10mスケール
では2万年前以降に堆積した耐震的には軟弱な沖積層である
ただし、近江平野一帯は、彦根城か建てられた彦根山を典
例として、小スケールの基盤の凹凸が多く見られ、「地震
の間」の下もそのように,凹凸の良い地盤である可能性もな
いとはいえない。それを明らかにするには、「地震の間」
の側を走る混線で反射法探査を行って地下構造を謂べる他
には無い。
 地震災害にっいては、とかく強震動予測を中心に研究さ
れてきた。内陸地震という複合災害を引き起こす危険性の
高い自然現象では、地域ごとに、地盤構造から活構造を1
っの枠組みで検討する方途を考えるべきであると結ばれて
います。



第1章 彦根市周辺の地盤と地震
1.有感地震回数 
 彦根地方気象台観測による本市における近年の有感地震
回数は下表に示すように、平成23年が年間61回と最も多く
なっています。また、毎年10回程度以上の有感地震が発生
しています。 

3.地震被害想定 
 滋賀県が平成25年度~平成26年度に実施した地震被害想
定調査から、彦根に最も大きな被害をもたらすと想定され
る地震災害は「鈴鹿西縁断層帯地震」であると考えられて
いる。また、非常に高い確率で起こると想定されている、
南海トラフ巨大地震による著しい被害が生じるおそれがあ
る地域として、「南海トラフ地震防災対策推進地域」に本
市が 指定されている。


3-1 鈴鹿西縁断層帯の評価
平成11年度に地質調査所(現:産業技術総合研究所)によ
り行われ、これまでに行われた調査研究成果に基づき、こ
の断層帯の諸特性を次のように評価されている。
1.断層帯の位置及び形態
鈴鹿西縁断層帯は、滋賀県坂田郡米原町から、甲賀郡土山
町に至る断層帯である。長さは約44kmで、ほぼ南北方
向に延びる、東側が相対的に隆起する逆断層。
2.断層帯の過去の活動
鈴鹿西縁断層帯の最新活動時期は明らかでない。既往の調
査研究成果で直接的なデータではないが、本断層帯の長さ
をもとに経験則で求めた1回のずれの量と平均的な上下方
向のずれの速度に基づくと、平均的な活動間隔は約1万8
千~3万6千年であったと推測。
3.断層帯の将来の活動
鈴鹿西縁断層帯は、全体が1つの区間として活動すると推
定され、マグニチュード7.6程度の地震が発生すると推
定。この場合、断層の東側が西側に対して相対的に3-4
m程度高くなる段差を生じる可能性があり、30年の間に
地震が発生する可能性が日本の主な活断層の中ではやや高
いグループに属す。via 鈴鹿西縁断層帯の長期評価につい
て、2004年9月8日 

4.湖東平野火山灰分布調査
4-1 湖東平野の姶良あいら火山灰
 姶良(AT)火山灰は約2,2万年前に日本列島を広く陵った
広」或降下火山灰であるごとはよく知られている(町田・
新井,1976).湖東平野の11地点のボーリングにおいてATが
報告された(植村・横山,1983).下図(Fig.44)に湖東平
野の地形分類図に.AT火山灰の発見されたボーリング地点
が示され,下図にそれらのボーリング柱状図が示されてい
る。AT火山灰は湖東平野の自然堤防・氾濫原帯では, 地表
下5-17mに位置し,泥炭・粘土ヴ越部である“中部泥届”中
に挟まれる。その下位には砂礫層または砂・泥層があり最
終氷期末の堆積と考えられている。こ
の榛届は扇状地,旧
河床,浜堤などの堆積物,砂・泥層はデルタや自然堤防・
氾濫原・後背湿地の堆積物と考えられる。
 中部泥届の下位には砂礫層があり,下部礫層と呼ばれて
いる、下部礫層は地表下5~15m以深にあり、この礫層堆積
時には,湖が急速に埋め立てられ,平野が前進したと考え
られている。このことから小谷(1971)の第1湖段の主た
る構成層が下部改層相当層で,3~4万年前のものと考えら
れた(植村・横山,1983).第2湖段は日野川の右岸の上部
疎届の連続で,l~1.5万年前の形成,第3湖段の形成は完新
世後で,歴史時代に入る可能性があるという.
 高谷・西田(1964)は湖岸地域の被圧地下水潜水層(第
45図)が所期段丘礫層で,第2湖段形成層としている.そ
して第1湖段は下部(下位)古期段丘礫層の延長と考えた
(第46図)。AT火山灰が湖東平一野で5~17mの深さにある
ことは,完精読の厚さはそれより薄いことを示している.


図 湖東平野の地形分類図(Kamura・Yokoyama 1983)


図 湖東平野の地質柱状図

図 湖東平野の模式地質断面図(Takatani.Nishida 1964

4-2 曽根沼ボーリング
 完新統あるいは更新統上部の鍵層として,近畿地方では
4層の広域テフラが認められている。上位から.アカホヤ
(Ah、6.300年前,鬼界カルデラ噴出),隠岐(U-Oki,約
9、300年前,鬱陵島噴出) 入山ホーキ(約2万年前,火山噴
出),姶良(AT、約 2.2万年前,姶良カルデラ噴出)の各火
山灰である。これらの鍵層を挟む堆積物の花粉組成から,
最終氷期原隊の植生と気候の変遷が推定される.本地域で
は,琵琶湖底200mボーリングコアで,これら4層の火山灰
がすべて確認されている(第47図)。また湖東胚野のたAT
火山灰層に関して先に述べた,
 曽根沼(第47図)は宇曽川下流左岸の荒神山蔭にあ
る。
宇曽川は鈴鹿山地西縁部の湖東流紋岩類山地に,比較的狭
い集水域をもち,愛知川と犬上川とが作った扇状地の間を
流れて琵琶湖に注ぐ.曽根沼の東から湖岸にかけては,砂・
泥の堆積した沈水性の河口となっていて,宇曽川が粗粒物
質運搬能力の比較的小さい河川であることが分かる.そし
て荒神山が植生に覆われた比較的幅広い独立丘で、その山
蔭に宇曽川が運ぶ土砂により埋積されない沼沢地が出現し
たのが曽根沼であると考えられる.また、湖岸の浜堤によ
る後背厚地でもあるといえる。現在、西下部は干拓された
が,東不知はなお水域が残り、公園となっている。
 曽根沼にはョシ原が延びており,腐植配の堆積が厚く存
在することが予測されるので,ハンドボーリングで直配を採
取し,花粉分析と火山灰の検出を行った。ボーリング地点
は第48図に示すように,曽根沼南岸から北へ沼の中に延び
たョシ原で,ドロノキも点生しているところである.ハン
ドボーリングは径2cmのコアを2ocmの長さずつ採取できる。
.ビストンコアラーで行った、9.25mの長さの試料を採取す
ることができ,肉眼紋章により岩質を記載した(第49図).
また5層準について14C年代を測定し,59試料について砂と
火山ガラスの含有比を調べ,39試料について花粉分析を行
っている。


図 曽根沼周辺及び周辺地域の地形

図 長曽根ボーリング地点図

図 長曽根ボーリング柱状図と砂・火山ガラス含有量及び
  14年代

5.荒神山の湖東流紋岩



via 彦根市公式HP
今から約1億年前(中生代白亜紀)の滋賀県ではいくつもの
火山活動があったと考えられている。荒神山は、そのころ
の火山活動でつくられた。火山噴火には、多量の溶岩を流
すもの、火山灰や軽石を吹き上げるもの、火砕流という流
れをつくり出すものなどがあります。荒神山をつくった火
山活動は、火砕流をともなうものであったとされている。
火砕流とは高温の水蒸気を含んだ火山灰や軽石などが、周
辺の岩石や地層をぶちぬいて地表に噴出し、周辺の山腹に
沿って低い方へと流れていく現象。このときの流れの速さ
は、時速100キロメートル、温度400~450℃だと言われて
います。最近では長崎県雲仙普賢岳の火山噴火の際に火砕
流が発生している。火砕流は、土地の低い部分や谷の部分
にたまり、自分自身の重さと熱によって火山ガラス、軽石、
火山灰などがペシャンコになってくっつき合い一つの岩石
となる。このようにしてできた岩石が溶結凝灰岩といわれ、
この溶結凝灰岩の化学的な成分が流紋岩質であることから、
「湖東流紋岩」と呼び、このように荒神山はこの岩石から
でき、湖東平野の中にぽつぽつとある小高い山の多くも湖
東流紋岩からできています。

【関連参考図書】
1.彦根市災害廃棄物処理計画 彦根市, 2019年9月
2.新ごみ処理施設, KO・KO・RO, 2021年7月28日
3.彦根志公式ホームページ
.彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備事業に係わる環
 境影響評価方法書 2020年12月
第1章 事業者の名称、代表者の氏名および主たる事務所
   の所在地
第2章 事業の目的および内容
第3章 対象事業実施区域およびその周囲の概況.
第4章 県境影響評価を実施しようとする地域
第5章 計画段階環境配慮書に対する意見と事業者の見解 
第6章 対象事業に係わる県境影響評価の項目ならびに調
   査、予測および評価の手法
 6.1 環境影響評価の対象事業
 6、2 環境影響要因の区分
 6、3 環境影響評価の対象とした環境要素
 6、4 環境影響評価の対象とした環境要素の選定理由
 6、5 環境影響評価の対象としなかった環境要素
 6.6 現況調査の実施計画および予測手法
 6.6、1  大気質
 6.6、2  騒音
 6.6、3  超低周波音
 6.6、4  振動
 6.6、5  悪臭
  6.6.6  水質
. 6.6.7  動物
  6.6.8  植物
 6.6.9   生態系
 6.6、10 景観
 6.6、11 人と自然との触れ合いの活動の場
 6.6、12 廃棄物等
 6.6、13 温室効果ガス
 6.6、14 文化財
 6.6、15 伝承文化
 6.6、16 その他の環境要素に係る現況調査
 6.7  評価手法の選定
第7章 その他の事項

さて、次回は「地盤強化工法」の考察にはいる。
                    この項つづく

 【エピソード】



IAEA調査団が来日 処理水放出の安全性検証
東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む
処理水の海洋放出をめぐり、国際原子力機関(IAEA)の調
査団が来日し、14日に安全性検証のための調査を開始した。
海洋放出については、国内外で安全性や風評被害への懸念
が出ている。意見交換では、カルーソIAEA原子力安全局調
整官が「調査団は国境を越え透明性のあるメッセージを送
る。世界中から集まった専門家が調査を客観的、科学的に
行う」と強調。政府側は、調査団の助言を放出の安全管理
に反映させる方針を示した。 
▶2022.2.14 東電福島第1原発,時事通信

 原子力災害リスク|解説|滋賀県防災情報マップ
原子力災害は、原子力発電所などで事故が発生し、放射性
物質がもれ出て、周囲に被害が出ることをいいます。原子
力災害は、地震や台風などの災害とは異なり、放射性物質
や放射線は目に見えないなど五感で感じることができませ
ん。ただし、適切な対応をとることにより、被ばくや汚染
をおさえることができます。このため、原子力災害の特徴
や放射線についてあらかじめ知っておくことが大切です。


source Shiga Prefecture

【脚注及びリンク】
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地盤強化と地震防災

2022年02月10日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.2.9|更新日:2022.2.11*
地域循環共生圏概論 ㊱
□ 地盤強化と地震防災Ⅰ

序章 彦根城周辺の地盤
1.はじめに
  
滋賀県に被害を及ぼした陸域の浅い場所で発生した
地震のうち、歴史の資料によって知られている最も古
い地震は、976年の地震です。この地震の規模は M6.7
以上と推定されており、この地震により、京都府南部
や滋賀県で死者50名以上などの被害が生じました。ま
た、方丈記にも出てくる 1185年(M7.4)の地震は、
琵琶湖西岸断層帯の南部の活動と考えており、琵琶湖
の南西岸を中心に大きな被害を与えました。この地域
で知られている最大級の地震は1662年の地震(M7.25
~7.6)です。特に県北西部の比良山地を通る若狭街
道沿いの被害が甚大であったということです。
 1970年ごろ大阪から彦根に転任し、理科学系辞典で
彦根市周辺地震々源図を見て、震度1クラス*の直下型
地震発生が周知していることに驚いた記憶が残る。



現在たったひとつ現存するその「地震の間」が彦根城
の下屋敷にあります。ご存知の通り、彦根城は関ケ原
の合戦の後、徳川幕府によって天下普請として琵琶湖
湖畔にうかぶ彦根山に築かれ、琵琶湖に通じる水掘を
周囲にめぐらせた同城の下屋敷は御書院の奥に「地震
の間」と呼ばれる庭の一角に高さ2m近くまで積みあげ
られた石組。その高台の上に立つこけら葺き屋根のお
茶室風の建物があります。その建物の説明文に「人工
的な岩組みによって建築地盤を堅固にしており、柱が
土台に限定されておらず、天井裏で対角線方向に綱が
張ってある。さらには、建物全体を軽快な数寄屋造と
し、屋根に軽いこけら葺き、土壁も比較的少なくして
いる。また、下部の床組に大材を用いて重心を低くし、
地震力を小さくする、基本的な耐震建築の様式を用い
ている。」とあります。





2.彦根城と「地震の間」の略史

 2011年11月13日、立命館大学歴史都市防災研究セン
タらの研究グループは『彦根城楽々園「地震の間」の
地震学的環境』として公表----彦根場内の改修工事の
楽々園御書院にあわせ「地震の間」を視察し考察を行
っています。それを引用すると、
 1586年1月18日(天正13年11月29日)、マグニチュー
ド(以下Mと略記)フ、8の大地震が、畿内、東海、東
山、北陸諸道を襲った。長浜城は大きな被害を受け、
城主山内一豊の幼女も圧死し、どの活断層が動いたか
について確実な資料は無いが、庄川断層(岐阜県)、
阿寺断層(同)の二元地
震、あるいは、養老断層(岐阜県一三重県)も加えた
三元地震と考える研究者が多い。なお、天正十三年は
ほとんどは1585年に対応するが、十一月十二日からは
1586年になるので、地震が起こったのは1586年である。
以下、必要の無い限り年のみを示す。
 10年後の1596年(文禄五年、慶長元年)には M7.5の
大地震が山城から摂津一帯を襲った。伏見城の天生聞
が大破し、500余人が圧死した。震源は有馬高槻断層帯
(大阪府、兵庫県)である。
  1600年(慶長五年)関ケ原の戦いの次の年、井伊直
政は、上野国高崎から、近江15万石の領主として転封
されてきた。彦根城は、1604年(慶長九年)、尾張、
三河、美濃、伊勢などの近隣の譜代大名を総動員して
築城工事を始め、1607年(慶長十二年)に主要部分が
完成した。場所の選定に当たって天正地震や慶長地震
を強く意識したのであろうか、流紋岩の岩体からなる
強固な岩盤の丘の上(第1図)が選ばれた。松原内湖
に流れ込んでいた芹川の旅路はほぼ1km南方に付け替
えられ、城下町市街地はその間に作られ、1662年(寛
文二年)には、三方断層帯日向断層と花折断層帯北部
を震源とする大地震が起こり、近江全域は大きな被害
を受けています。 
 また、楽々園は、1677年(延宝五年)から2年かけ
て、天守のある丘の牝東側の平地(第2図)に、藩主
の下屋敷として造営され、後に摩御殿と呼ばれるよう
になった。寛文の地震によって改めて耐震の意識が呼
び起こされたのであろう、御書院は耐震を意識した造
りになっている。ただし、楽々園がおかれている場所
の地盤は良いとは言えない。
 12代藩主井伊直売の代(1812-1850)になって賜御殿
は増築され、「地震の問」(写真1)も作られた。そ
の年代は明らかにされていません。楽々園は、1881年
から民間業者によって旅館として営業されていたが、
1947年、彦根市が楽々園全体を井伊家から買い取り、
1994年には旅館の廃業により建物が彦根市に返還され
ています。
 このように、「地震の間」は、上の写真1からもう
かがえるように、地面が突き固められた高低差2mほ
どの高まりに建てられており、周囲は石垣で囲まれて
いる。しかし、その下の沖積堆積層の厚さがどのくら
いかは解明されておらず、本質的に地盤の強度がどれ
くらいかは分からないままでした。.


3.東近江の地盤構造
 近江盆地の地盤構造は「全体として丙に深く東に浅
くなる.局所的な地質の変化(層相変化)が著しいj
という特徴をもつ.琵琶湖東岸地域では、所々に堅硬
な基盤岩が孤立丘として突出し、それを覆ったり取り
囲んだりするように弱固結~未固結の堆積層が分布す
る。この堆積層は、約400万年前~30万年前に堆積し
た「古琵琶湖層群」、約30万年前~2万年前に堆積し
た「段丘相当層(第3図のユニットⅡ)」及び2万年
前以降に堆積した「沖積層(同ユニットⅠ)」に区分
されます。ただし、「古琵琶湖層群」は第2図の範囲
では地表に表れていません。


図3.図の地質断面位置図としめした直線に沿った彦
根中心市街地の東西地質断面図,縦横比か1対1でな
いことに注意されたい、小松原・閲西地質調査業協会
地盤情報データベース作成委員会(2010)による。 

 この基盤岩と堆積層の地下境界面は起伏に富んでい
る。彦根市周辺は、近江盆地東部の中でも特に基盤岩
が洩く、彦根山、佐和山などの丘陵性山地として地表
に表れ、その周囲の低地を段丘相当層と沖積層が埋積
しているこの基盤岩上では歴史時代に地震被害が少な
く、彦根で1000軒もの家屋が倒壊したと伝えられてい
る1662年,寛文地震の時にも基盤岩上に位置する彦根城
本丸や寺社では大きな損傷の記録はない。
 城下町市街地の段丘堆積物の中には約9万年前の阿蘇
山の巨大噴火によって九州中部より飛来したAso-4と呼
ばれる火山灰層が認められるほか、段丘堆積物の最と
部には広い範囲にわたって腐植土か分布し、その下部
に九州南部の姶良カルデラの約2万6千年~2万9千年前の
巨大噴火によって飛来したATと呼ばれる火山灰層(第3
図中央の朱線。左端で標高7om、中央右部で標高8om)
か分布する。この腐植土層は彦根駅付近では地下数m
に、彦根市の湖岸付近で地下10~13mにあり、西ほど深
くなる。約15m以浅の段丘相当層(第3図のユニットⅡ)
の上位に古琵琶湖層群が存在するか否かは明らかでな
い。
 彦根淑の表層地質を構成する沖積層は、第2図に示
されているように、湖側から順に浜堤堆積物、内湖お
よび後背湿地堆積物、扇状地堆積物に区分される。浜
堤堆積物は湖岸から500m程度の幅をもって帯状に分布
し、砂趣層や砂層によって構成されている,浜堤堆積
物の東側に分布する内訓および後背湿地堆積物は主と
して非常に軟弱な腐植土と泥によって構成され、部分
的に芹川などの阿川沿いに供給された砂や榛を挟んで
います。
 彦根城の南方に広がる旧城下町は、かつて沼沢地が
点在していた場所を慶長年問に造成した軟弱地盤であ
り、滋賀県内でもしばしば地震被害を蒙ってきた。な
かでも彦根地方気象台は後背湿地堆積物か厚く分布す
る地域の西端付近に位置している(第2図)。彦根気
象台において兵庫県南部地震時に滋賀県内最大の計測
震度(深度5弱)が記録されていることは、このような
表層地盤条件や彦根山に近く硬い基盤岩と堆積層が急
傾斜で接しているという地盤条件を反映したものと考
えられる。また、彦根山の北側は昭和期に干拓される
まで松原内訓と呼ばれる内訓が広かっており(第2図)、
内訓のほぼ全域に非常に軟弱で含水比の商い腐植土層
が分布している。彦根城楽々園は、おそらくこの軟弱
な腐植土層を埋め立て、さらに巨羨や岩片によって盛
土した上に築かれた庭園であり、地って盛土した上に
築かれた庭園であり、地盤条件としては良好な場所に
あるとは考えがたいとされる。



 2006年、第4図上の青の折れ線のように、丹波山地
から滋賀駱南部を横句」り濃尾平野までほぼ東西のほ
ぼ100kmの測御で地震波反射法探査が行われた。第4図
下は、深さ1.2kmまでの浅部構造である。最下部の赤色
から褐色の部分が花肖岩の基盤で、紫が前述の弱固結
~末固結の地層を含む堆積層である。この厚さは琵琶
湖部分で1km程度、平野郎全体では200mから500mである。
測線は彦根から南に約10kmずれているが、彦根近傍の
地盤の様子も大局的には同じようなものであろう。


4.東近江の地形と活断層 
第5図は、滋賀県に分布する活断層を示す。これらの
活断層のうち、県東北部を南北に走る関ケ原一柳ケ瀬
断層帯に属する柳ケ瀬断層、鍛冶屋断層、関ケ原断層
などは、西側低下の成分を伴う右横ずれ運動成分が卓
越しているが、鈴鹿万緑断層帯は東側の鈴鹿山脈を隆
起させる東傾斜の逆断層である。彦根はこれら2つの
断層帯の中間部に位置し、彦根を境として南北で第四
紀後期の地殻変動の様式が異なる,
 彦根以北では柳ケ瀬一関ケ原断層帯の西側が沈降し
湖北平野には段丘面が発達しない上、沖積層の下位に
厚い第四系と考えられる堆種物が存在する。JR東海道
本線の近江長岡~米原間の天野川の幅数100mの谷沿い
にも沖積層の下位に風化程度の高い砂榛や腐植を含む
厚い高位段丘堆積物(古琵琶湖層群)が存在する。な
お、高位段丘堆積物は大阪平野の千里丘陵、京都盆地
の宇治丘陵などの構成層に対応する。鍛冶屋断層は約
1000年前以降に活動した証拠が得られていることや柳
ケ瀬断層南部が13~14世紀ごろに地震として活動した
可能性が高いことが指摘されており、柳ケ瀬一開ヶ原
断層帯は歴史時代に少なくとも一部が活動したと考え
られています。
 彦根以南では鈴鹿西縁断層帯以西を含む盆地全体が
西傾動(西に向かって標高が低下)し、河川沿いには
西に向かって累積的に顛動している高位~低位の段丘
面が広く分布する。その一方で鈴鹿所縁断腰帯の活動度
は低く、歴史時代における活動は知られていない。
 彦根市は両地域の境に位置しており、市街地周辺に
明確な活断層は認められない。また市街地の直近に当
たる鈴鹿西縁断層帯常安寺断層は高位段丘を数m~10m
程度変位させるに過ぎず活動度が高いとは言えない。
しかし、19世紀にはフィリピン海プレートの沈み込み
に体うと考えられるやや深い地震(1802年・享和地震・
1819年文政近江地震)が湖東平野東部付近で生じるな
ど、彦根市周辺が地震の少ない場所であると言うこと
はできない。事実、附表に示す滋賀県周辺の地震史か
らも分かるように、彦根の城下町は町の成立以降に滋
賀県を襲った地震のたびに家屋被害を出している。こ
のように地震ごとに大きな被害を生じる地区は滋賀県
内でも彦根のほかに、内周の湖畔に位置する高島市の
大溝地区や湖を埋め立てて建設された大津市の膳所城
など一部に限られる。それは、前節で述べたように彦
根城下町が極めて軟弱な地盤トに立地していることに
よる。

5.彦根付近の歴史地震
 付表は、東近江に被害を与えた考古地震と歴史地震
を示す。ここでは、特に彦根周辺に大きな被害を与え
た4つの歴史地震について手短に述べたい。

(1)寛文地震(1662年6月16日、M=7.25~7.6)
 寛文二年五月一日、福井県三方郡美浜町沖合いの若
狭湾から遠敷郡上中町に至る長さ約26kmの三方断層帯
日向断層と、今津町から花街峠付近まで長さほぼ26km
の花街断層帯北部を震源断層とする大地震が起こり、
京都では、町屋の倒壊は約1、000、死者は200余名とさ
れる。滋賀県では、琵琶湖の丙側を中心に被害が大きく、
湖岸域の沈降や液沃化現象が生じた。大津市葛川梅ノ
木町~町居町付近の朽谷で大規模な山体崩壊が発生し
た。彦根城では、石垣が500~600間以上崩落し、30人
を越える死者が出た。三ツ矢千軒遺跡(高島市)は、こ
のとき、地滑りによって水没しました(滋賀県文化財
保護協会、2010)。



(2)文政近江地震(1819年8月2日、M=7~7.5)
文政二年六月十二日、大地震が伊勢・美濃・近江を
襲った。震央は彦根近辺で、震度V激震域の半径は100
km以下である(第6図)。彦根城では、石垣・土留石
の崩れやはらみ(孕)が6ケ所で起こり、約70間に達
しか。近江ハ幡市で潰家82、半潰160、死者5名、彦根
市の酉の甘呂では、105軒中70余が潰れた。米原市の尚
江千軒遺跡が地滑りによって水没したとされる(滋賀
県文化財保護協会、2010)。
 震央から離れた金沢でも潰家、京都で石灯籠が多く
倒れ、奈良の春日大社の灯馥が8分通り倒れ、敦賀・出
石・池田・大阪・大和郡山などでも被害かおり、江戸
でも長時間ゆれた。震源断層は不明であるが、余震が
知られていないこと、震度5が広範囲であることから、
フィリピン海プレートの沈み込みにともなうやや深発
の地震と考えられている)。

(3)伊賀上野地震(1854年7月9日、M=7~7.5)

 喜永七年,六月十五日、木津川断層を地震断層とする
大地震が襲った。地表には地震断層が出現したとされて
いる。彦根城は、本丸南側の石垣の崩れや孕みの被害
が生じた,伊賀、伊勢、大和を中心に、死者1300人を
越える犠牲者を出し、奈良の占市では堤が決壊して約
60人が死ぬなど大きな被害が生じた。

(4)姉川地震(1909、M=6.8)
 1909年(明治42年)8月14日、姉川地震(紅涙地震と
も言う)が発生した。震源断層は柳ケ瀬断層の南方延
長上か、関ケ原断層に雁行する潜在的な推定活断層と
思われている。彦根~大垣間の水準路線の改測(1899
~1917年,)では、柏原~今須間で、約6cm程度の相対
的な東側隆起が認められ、断層を挟む両側地盤は西高
東低の傾動状の変化が生じている。
この地震の時、滋
賀県長浜市北東部で大きな被害が生じた。被害は姉川
中下流で大きく、関ケ原峡谷部から濃尾平野北西域に
及んだ。死傷者や倒潰家屋は東浅井郡に集中したが、
岐阜県域でも山崩れなどの地変が多く発生した。
 滋賀蒜彦根測候所(1911)16jこよれば、姉川河口付
近や湖低は、東西200間(360m)、南北300間にわたっ
て、2尺(0.6m)から15~20丈(45~60m)の深さにな
った,湖岸には多数の亀裂を生じ、これらより異臭と
共に5~6尺の高さにおよぷ泥水を噴出して、フ~8分後
に突然停止した。また、土地の陥没に引き続いて、湖
岸には6尺(1.8m)におよぶ波が押し寄せた。


❏ 歴史都市防災論文集 Vol. (2012年7月)彦根城楽々
 園「地震の間」の地震学的環境;Seismological enviro-
nments of Zisin-no-ma(earthquake-resistant room) of the
Hikone Castle, Ichiro Kawasaki, Taku Komatsubara, Tatsuro
Suda and Atsumasa Okada
❏ 楽々園 Source: Wikipedia&nbsp
楽々園(らくらくえん)は、滋賀県彦根市にある歴史的建造
物と庭園および遺構。 かつては、江戸時代初期 (1677年)
に彦根藩4代藩主井伊直興によって造営が開始された井伊
家の下屋敷であった。 「御書院」、「地震の間」、「楽々の間」
、「雷の間」、「新東西の間」や「鳰の間」など江戸時代後期
の数奇屋建築が現存する。 江戸時代は「槻御殿」あるいは
「黒門外御屋敷」と呼ばれており、明治時代以降に「樂々の
間」から「楽々園」と呼ばれるようになったとされる。 御書院
から望む庭園は玄宮園の池泉を借景とする枯山水である。
戦前までは庭園と御書院の間に池が広がっていた。敷地は
国の特別史跡「彦根城跡」の区域に含まれる。また、隣接
する大名庭園の玄宮園とともに「玄宮楽々園」として国の
名勝に指定されている。 -
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□ 事例:彦根市宇尾町の地盤データ
揺れやすさ 1.48
 ➲比較的ゆれにくい地域ですが、場所によっては,
  揺れやすいところがあります。
地盤の種類 自然堤防
 ➲地盤の種類は、自然堤防です。自然堤防は、河川
 の流路に沿って形成される、河川により運搬された
 土砂のうち粗粒土が堆積した微高な地盤です。非常
 に 液状化しやすい地盤です。

✔ 揺れやすさとは:層地盤増幅率と呼ばれるもので、
 地表面の地盤の地震時の揺れの大きさを数値化した
 ものです。数値が大きいほど地盤は弱く揺れは大き
 くなります。具体的には、揺れやすさ=表層地盤増
 幅率が2倍になると、地震の揺れ幅が2倍になりま
 す。例えば、揺れやすさ=表層地盤増幅率が2.0 の
 地点は、1.0の地点に比べて揺れ幅が2倍になります。

✔ 揺れやすさの目安とは、
独立行政法人 防災科学技術研究所の分析では、
2.0以上の地域:特に揺れやすい
1.6以上~2.0未満の地域:揺れやすい
1.4以上~1.6未満の地域:
場所によっては揺れやすい としています。
出典:揺れやすさとは-- 大地震対策に役立つ記事--
大地震対策.info
                 この項つづく
【エピソード】

  
もうすぐ春ですね ♪ しかし、オミクロンの趨勢
は微妙。朝から忙しくしているところに毎年の渋谷章
社中の伊勢大御神楽から「頭噛み」「鈴舞」の厄払い
をお受けいたしました。
それを担保する、治療薬が速く欲しいところ。3回目
のブースターワクチン(ファイザ)接種は来月の4日
と決まりました。
会員のご家族の皆様方のご無事を心よりご祈念申し上
げます。
                   幹事敬白

【脚注及びリンク】
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家庭ごみの分別・焼却・埋立

2022年02月05日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.2.4|更新日:2022.2.5
地域循環共生圏概論 ㉟
□ 自転車操業状態の彦根市のごみ焼却場

1月24日、和田裕行彦根市長は、定例会見で「再
稼働するが、貯留量は限度近くにあり、予断を許さ
ない状況は続く」と話し、機械の故障で焼却炉の「
2号炉」と「3号炉」が稼働していない彦根市清掃
センタは、2号炉の修理を終えて2月上旬に再稼働
させる方針を示した。(▶2022.1.29 しが彦根新聞「
焼却炉復旧も「予断許さない」-貯留ごみの処分他
市町に要請」)。市清掃センタは先月中旬、燃やす
ごみを処分する2号炉と3号炉の排ガスを煙突へ送
る誘引通風機に破損を確認し、稼働を停止したと発
表。1号炉のみの稼働になったため、ごみ削減を市
民に求めていた。同センターによると、施設内での
貯留量は先月までの見込み量として最大800㌧と
していたが、約830㌧まで可能なことが判明。
 しかし今月17日までに貯留量が約800㌧に達し
たため、同日から日野町の日野清掃センタヘ貯留ご
みを搬出している。1号炉で一日30㌧~40㌧を焼却
処分し、昨年10月からごみの処分を依頼している三
重中央開発と、日野清掃センタで一日10月から程度
搬出しているが、回収してくるごみ量と比べてプラ
マイゼロのトントンの状況」で、貯留量は今月24日
の燃やすごみの回収前の時点で約770㌧だった。
 年末の大雪の影響で同センタセンタヘのごみの搬
大量は減少しているが、今後の搬入量しだいでは2
号炉が再稼働しても貯留量が減らないため、市清掃
センタでは「厳しい状況に変わりない」として、ほ
かの市町の施設にも協力を依頼している。

市議会臨時会
□ ごみ搬出と修理1億7千万円ふるさと納税好調
 6億円見込む
 同新聞社によると、彦根市は「ふるさと彦根応援寄
付金」(ふるさと納税)の想定以上の入金に伴う返
礼品の発送業務などの経費(1億6,095万円)を含む
専決の12月補正予算案、市清掃センタの焼却炉の故
障に伴う外部搬出などの事業費を盛り込んだ専決の
1月補正予算案(12億8,294万円)、子育て世帯への
臨時特別給付金の追加分などを計上した補正予算案
(1億5,219万円)など4議案を26日の市議会臨時大
会に提案。いずれも承認、可決。市清掃センタ関連
は燃やすごみを外部に委託する運搬費や処分費 1億
3,256万円)、故障した焼却炉2基の修理代(3,849
万円)など計1億7,332万円。ふるさと納税の関連予
算は、当初予算で2億5,000万円の寄付額を想定して
いたが、昨年11月議会に3億2,000万円に見込みを修
正した後、想定以上の寄付の申し込みがあり、12月
補正として6億円を見込んで予算を再度修正してい
る。
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⧉ ワンポイント
□ 家庭ごみ家庭ごみの分別・焼却・埋立
Ⅰ 焼却処理場の環境リスクゼロ計画・設計・評価
1 家庭ごみと二酸化炭素
ごみの焼却等により排出される二酸化炭素は、家庭
から出るそれの11.3%を占めるとされています(デ
ータは1989年とこしふるいですが)。実際に現在家
庭ごみの焼却処分から出る二酸化炭素量を計算して
みると、家庭ごみ量は自治体により多少異なります
が、13大都市の実績から1人1日当り約850グラムと
する(93年度)。環境庁によると一般廃棄物からで
る二酸化炭素量は0.239kg-C/kg(湿重量)、これ
を単純に当てはめると1人1年間当りの量は、0.85×
0.239×365=74.2kg(炭素換算)となります。
これをもう少し詳しくに計算してみると、まず家庭
ごみの含水率を42%とし乾重量でごみの組成別重量
を計算します。その重量に各組成の焼却による二酸
化炭素換算係数2)をかけたものが下表です。これに
よると1人1日当りの家庭ごみの焼却からでる二酸化
炭素は約213グラムであり、年間では0.213×365=
77.7kgとなり、先ほどの単純計算より大きくなりま
すが、こちらの方がごみ組成に基づいており実質に
近いと考えられています。

1-1 1日1人あたりのごみの焼却から出る二酸化
   炭素

➲出所:認定NPO法人 環境市民 - 2.2.1 家庭ごみ
   と二酸化炭素
組成配分は乾ベースで全国平均値から、一人一日あ
たりの家庭ごみ量を0.85kgとする。つぎにごみの収集
車からでる二酸化炭素量を0.0094kg-C/kg(湿重量)
とすると1人1年間当りの発生量は0.85×360×.0094=
2.9kgとなる。これからごみから直接排出される二酸
化炭素量は焼却によるものと合せて1人1年当り80.6kg
となります。さて、ごみになった物の製造時におけ
る二酸化炭素量を概算すると下表のようになります。
これから1人1年当りの二酸化炭素量を計算すると
0.291×365=106kgとなります(なお、これは統計上
は産業部門からの排出扱いとなります)。

1-2 家庭ごみになった物の製造時における二酸
   化炭素排出量

➲換算係数は、(社)化学経済研究所『基礎素材
    のエネルギー解析調査報告書』(1994)から

換算係数は、(社)化学経済研究所『基礎素材のエ
ネルギー解析調査報告書』(1994)から概略値を求
めました。これらを合計するとごみになるものの製
造と焼却処分に関する二酸化炭素発生量は年間一人
当り186.6kgとなる。なお製品の輸送と販売にかかる
二酸化炭素発生量はこの中に含まれていません(残
念)。また家庭からでるごみの中で分別再資源化さ
れているものも、この計算に入っていません。

 家庭あたりの炭酸ガス排出量(1989年)

📚 今夜は、目前にある焼却場の事故について記載
しました。本当は、軟弱な琵琶湖の地盤強化と地震防
災について記載する予定でいました(次回から始めた
いと考えています)。すこし、つまみ食いしてみまし
ょう。

□ 地盤を知る
1.身近であってもわからない地盤
家であれ、工場であれ、ビルディングであれ、多く
の構造物は地盤 の上に造られます。これらの構造物
の重量や地震のときの荷重を地盤 は支えることにな
ります。地盤が弱ければ、構造物をいくらしっかり
と造っても、構造物に大きな負担を抱えて、構造物
の沈下や壁の亀裂 などをもたらすことになります。
地震による家屋被害では、構造物自身の被害も起こ
りますが、全壊や大きな被害を与える原因の多くは
地盤の弱さです。構造物の場所によって沈下の程度
が異なる不同沈下、地震時の地盤の変状は、地盤の
上に存在する構造物に大きな被害を与えます。また、
地中に埋設されている上下水道管などにも大きな被
害 を与えます。 地盤の性質や強さを知ることは重
要です。特に、気を付けるべきは、平時はしっかり
と構造物を支えることができても、地震や大雨の時
には、地盤が支持力を失ったり、大きな変状を起こ
すことです。なぜ、このようなことが起こるのかを
理解しておくことは大事です。


図1 基本的な地形
出典:公益社団法人 地盤工学会 東北支部『知って
おいてほしい 地盤のはなし』

また。下図のように竹中土木HPのある『廃棄物焼却
施設の解体処理技術「トラシッド・システム」』では
廃棄物焼却施設の解体にあたり、計画段階の調査、解
体計画の立案から、施工、跡地の利用までを、周辺環
境に配慮し、作業員の安全を確保しながら、資源とし
てリサイクルを行う、総合技術力を駆使したシステム
を構築提供しています(この技術は財団法人日本建築
センタの「新建築技術認定 焼却施設の解体処理技術」
で国内第1号となる技術認定を取得し、2010年8月に
更新事例のように、人命と環境を守る仕事だけに、丁
寧で高品質(高付加価値)な仕事が必要となります。


※1:洗浄剤を地中で循環させて土に付着した汚染物
質と一緒に汲み上げ、回収する工法
※2:微生物による有害物質を二酸化炭素や水などの
無害な物質に分解する工法

 

【エピソード】

 
□ 除雪作業と屋根瓦・雨樋などの修理で大わらわ
(「防災常態時代①:白い信号機」,ごくとうごくら
く、2022.2.1 )。特に、彦根市民のみなさまもお疲れ
様です。先月24日、件の彦根市長は定例会の中で、除
雪の整備費の補助を求めるため今月13日に総務省を訪
問し、総務省に対し「5年前も大雪だったように、今
後も数年に一度の大雪が予想できる。『準豪雪地帯
という扱いをしてほしい。除雪の整備体制を整えたい
」と補助を求めていることを報告しています。が、こ
のような原因は、温暖化による水蒸気量の増加➲日
本海側の豪雪➲ベタ雪の堆積による嵩密度上昇➲
寒気による氷結➲屋根の陥没・瓦解の破損(局所的
な全地球凍結? ^^; 、樋支持の変形などの罹災を
起こしましたが、補修工事の発注急増でなじみの業者
は対応遅れで、悲しいのやら嬉しいのやら ^^;。



日本には、日本海側を中心に、豪雪地帯と呼ばれる地
域がたくさんあります。スキーやスノーボードで雪を
楽しむ人もいれば、雪かきや雪下ろしに苦労する人、
雪や雪解け水を農業などに利用する人もいます。そん
な身近な雪の「これから」に大きく関わる存在なのが、
地球温暖化です。気温が上がると、降雪は減ってし
まうのか? どうやら、そんな単純なことではない
のです。日本でただ一人、雪と地球温暖化を専門に研
究する著者が、雪と地球温暖化の関係に迫せまります。

□ 地球温暖化で赤い雪が広がる?
▶微生物が引き起こす赤雪現象を、地球まるごとシミ
ュレーション EurekAlert! 2022.2.2 
ところで、アスタキサンチンという赤い色素を細胞内
に貯め込む雪氷藻類が大繁殖すると、雪が赤く染まっ
たように見える「赤雪」と呼ばれる現象が起こります。
面白いですね。
Global Simulation of Snow Algal Blooming by Coup-
ling a Land Surface and Newly Developed Snow Algae M-
odels , Journal of Geophysical Research: Biogeosciences
Volume 127,  First published: 06 January 2022
https://doi.org/10.1029/2021JG006339



【脚注及びリンク】
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