地域循環共生概論

2023年07月20日 | 防災と琵琶湖


 作成日:2023.7.20|更新日:

❏ 地域循環共生概論 70
梅雨明け宣言がされた。しばらく、このブログ掲載を中断し
ていたが再開する。
彦根市と愛荘、多賀、甲良、豊郷の四町を対象にしたごみ処
理施設の整備計画で、焼却に代わるごみ処理技術「トンネル
コンポスト方式」について、一市四町でつくる彦根愛知犬上
広域行政組合は6月6日、導入への課題を整理した調査結果
を公表。事業費を抑えるために検討を始めた方式だが、焼却
よりも高額になる見通しを明らかにした。
------------------------------------------------------
□ 導入課題
・初期費用を含めた20年間の事業費が¥547oku~587okuとな
 り焼却とした場合の¥459okuより高くなる。
・施設整備には、現在用地拡張するか、別用地を探す必要が
 ある。
・固形燃料の買い手を確保する必要がある。
・施設稼働開始は速くて2034年度になる見込みで、老朽化が
 進む既存施設の改修費などが発生する。
------------------------------------------------------
※埋め立てごみは、県内では埋め立てできず、県外にて処理。
 そして、ごみ処理施設の新設は、速くて、11年後なんて信
 じられませんね。


美しい自然が残る湖南市
脱炭素先行地域~福祉モデル
『さりげない支えあいのまちづくりオール湖南で取り組む
脱炭素化プロジェクト』環境ビジネスから転載
------------------------------------------------------
湖南市はJR草津線を東南は栗東・竜王を含む都市で信楽の北
に位置するこの街は、早くから事業性を有する市民共同発電
所を稼働させ、市民、事業者、行政が連携し、白熱エネルギ
ーを利活用した取り組みを進めてきた。2012年9月に全国初
のエネルギー条例となった『湘南市地域白熱エネルギー基本
条例』を制定。 2015年には、自然エネルギーを地域内で流通
させることを主目的とした『湘南市地域自然エネルギー地域
活性化戦略プラン』を策定してきた。2016年には官民連携に
よる新電力『こなんウルトラパワー』を設立、自治体新電力
事業を全国に先駆けて実施してきた。湘南市は県内最大規模
の工業団地を持づ工業のまぢである一方で、全国に先駆け障
がい福祉施策に取り組んできだ福祉のまぢでもある。
脱炭素先行地域に選定された今回のプロジェクトは、そうし
た地域特性を踏まえ、福祉施設を対象にした再エネ設備、省
エネ設備導入を軸とした計画となっている。
概要としては、主にPPA事業で福祉施設以外に公共施設や住宅、
工場や事業所にも太陽光や蓄電池を導入していく計画。また
林業と福祉の連携により供給されるバイオマス燃料を活用す
る、バイオマスボイラーの導入なども進めていくと意欲的で
ある(湖南市役所・環境経済部の岡本氏)。
プロジェクトでは、民生部門電力の脱炭素化への取り組みとし
て、福祉施設、住宅、公共施設、工場・事業所等において、
共同提案者である地域新電力『こなんウルトラパワー』と滋
賀銀行が連携しPPA事業により太陽光発電(9,104kW)・蓄電
池等を導入、エネルギーの一括管理を行う。市内福祉施設を
中心とした市街地エリアに自営線によるマイクログリッドを
構築し、非常時には近接のFIT電源から電力を供給すること
で、レジリエンスを強化する。また、既存住宅へのPPA事業
や蓄電池無償設置サービスにより、住宅団地における脱炭赤
化のモデルを構築していく。民生部門電力以外の取り組みで
は、林業事業者と福祉作業所等の連携による木質バイオマス
燃料の製造を進める。これにより、障がいのある人の雇用、
社会参画の場を創出する林福連携モデルを構築する。
湖南市は、第1回の脱炭素先行地域に応募したが選考されず、
計画をブラッシュアップし再びチャレンジ(➲第1回で提
案した計画から、“福祉のまぢという地域性を明確に打ち出
しより多くの福祉施設、関連企業に声をかけ45施設という多
くの福祉施設から賛同を得たことが改善の大きなポイント。
また、第1回の申請で評価委員から“新しい住宅ではなく既
存の住宅団地をどのように脱炭素化していくかを提案してほ
しい”といった要望があり、第2回は、PPA事業とよく似たス
キームを組むことで、既存の住宅エリアに無償の太陽光設置
サービス、蓄電池設置サービスを入れていくことを提案に加
えている。


さらに、前回は湖南市単独で提案したのに対し、今回は共同
提案者として地域新電力の『こなんウルトラパワー』、滋賀
銀行が加わったことも、事業実現性の高さという面で、選考
にあたり一定の評価を得たと考えている。ちなみに、2023年
4月28目に結果が公表された第3回となる脱炭素先行地域の
募集では、民間事業者等の共同提案が必須要件となっている。

対象を主に福祉施設に設定じ支えあうまちづくり”をテーマ
に地域特性を出したこと。PPA事業の核となる『こなんウル
トラパワー』、金融機関である滋賀銀行が共同提案者に名を
連ねることによる事業実現性への信頼感。そして、林業の人
手不足解消と障がい者の方々の活躍の場剔出という2つの地
域課題を同時に解決する林福連携モデルの独自性が、評価の
ポイントとなったと思うと話す。

地域課題解決には広域
域連携
脱炭素先行地域の選定においては、第1回が79提案中 26件、
第2回が50提案中20件、そして右近の第3回は58提案中 16
件の選定と、回を重ねるごとに選定基準が上がってきてい
る。2030年までのカーボンニュートラルに向け、回を重ねる
ごとに達成までの期開か短くなり、より熟度の高い計画が求
められること。少なくとも100のモデル地域を作ることが目
的のため今後は、既に選定された地域の取り組みとは違う視
点でのモデル性を求められることなどが、ハードルが高くな
っていく理由だという。
前出の岡本氏の今後胤炭素先行地域に挑戦する自治体に向け
てアドバイスは第4回以降の選考にチャレンジしていくなら
交付金を使って地域のどんな課題をどう解決していくのか。
域課題の解決を計画に盛り込むことは必須という。もうひ
とつ、広域連携がポイント。複数の市町村で提案していくこと
が評価につながるかと思います。太陽光以外の地域資源をい
かに活用していくかといった部分で、木質バイオマスなどを
広域で検討していくのも、1つの方法とのアドバイスである
                         了
------------------------------------------------------
「放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分
(技術資料:第四版)改訂版」2014.4.24 国立環境研究所
12.1 はじめに
12.2 基礎情報の収集整備
12.3 一般廃棄物焼却施設における焼却灰等の放射性セシウム
     濃度の推移
12.4 焼却灰等の放射性セシウム濃度の空間分布
12.5 放射性セシウムで汚染された焼却灰等の施設・地域特性
図12.4に示した飛灰の放射性セシウム濃度と空間線量率の分
布状況を見ると、焼却灰等の放射性セシウム濃度と空間線量
率の間には一定の相関があることが予想されます。そこで、
図12.5に施設ごとのごみ収集対象区域の平均空間線量率と飛
灰の放射性セシウム濃度の関係を示します。ごみ収集対象区
域の平均空間線量率は、文部科学省航空機モニタリングに基
づいて作成されたメッシュデータを用い、中心点がごみ収集
対象区域に含まれるメッシュの空間線量率を単純平均したも
のを用いています。なお、空間線量率の値はバックグラウン
ドである自然放射線量の値を差し引いていません。


図12.5 焼却飛灰・溶融飛灰の放射性セシウム濃度
(2011年7月測定値、Cs-134とCs-137の合計)と空間線量率
の関係

この図より、焼却飛灰や溶融飛灰の放射性セシウム濃度は施
設のごみ収集対象区域の空間線量率と一定の正の相関がある
ことがわかります。その一方で、空間線量率のレベルが同程
度であっても焼却飛灰や溶融飛灰の放射性セシウム濃度は施
設によって大きくばらついており、1桁から2桁程度異なって
いる場合があることがわかります。焼却飛灰や溶融飛灰の放
射性セシウム濃度は、焼却前のごみの放射性セシウム濃度と
焼却による飛灰への濃縮倍率で決まると考えられますので、
施設によるこれらの違いが飛灰の放射性セシウム濃度の違い
に影響していると考えられます。そこで、放射性セシウムの
焼却ごみ濃度や濃縮倍率について推定を行い、地域や施設ご
との特性を分析しました。焼却飛灰・溶融飛灰Cs濃度(Bq/kg)
ごみ収集対象区域の平均空間線量率(μSv/h)

12.6 焼却ごみの放射性セシウム濃度の傾向
(1) 焼却ごみの放射性セシウム濃度の推定
                     この項つづく




出所:NHK




トリチウムは除去できないか
近畿大学工学部教授 井原辰彦、近畿大学原子力研究所、東
洋アルミニウム株式会社および近大発のベンチャー企業であ
る株式会社ア・アトムテクノル近大らの研究チームは、放射
性物質を含んだ汚染水から放射性物質の一つであるトリチウ
ムを含む水「トリチウム水」を分離・回収する方法及び装置
を開発している(汚染水からトリチウム水を取り除く技術を
開発 東日本大震災の復興支援プロジェクトから生まれた汚
染水対策 2018.6.27)。 関連特許が申請されていたので参考
に掲載しておく。

WO2018/221531 HTO含有水溶液中のHTO濃度を低減す
る方法及び装置 学校法人近畿大学
【概要】
下図2のごとく、トリチウム含有水溶液中のHTO濃度を低減
する方法に関する。トリチウム含有水溶液の水蒸気等を細孔
径が500Å以下の範囲にある細孔を有する多孔質体と接触
させて、トリチウム含有水溶液のHTOを選択的に前記多孔質
体に吸蔵させ、HTO濃度を低減したトリチウム含有水溶液を
得ることを含む。本発明は、トリチウム含有水溶液中のHTO
濃度を低減するために用いる装置に関する。原料トリチウム
含有水溶液のリザーバー、トリチウム含有水溶液の水蒸気等
を生成する手段、細孔径が500Å以下の範囲にある細孔を
有する多孔質体を格納した吸蔵手段、及びHTO濃度を低減し
たトリチウム含有水溶液を回収する手段を含む。さらに、前
記水蒸気等を吸蔵手段に移送するための移送手段、及び吸蔵
手段から回収手段にHTO濃度を低減したトリチウム含有水溶
液を移送する手段を含む。


図2.トリチウム吸蔵除去装置の一態様の概略説明図

【産業上の利用可能性】 
本発明は、トリチウム含有水溶液の除染方法に関する分野に有
用である。 特に、福島原発事故によるトリチウム汚染水の
平均HTO濃度は1 MBq/L程度と言われている。また、東電では
地下水バイパスやサブドレインを通じて汲み上げた地下水を
海に放出しているが、その際の基準値は漁協との取り決めに
よって1500 Bq/Lに設定している。1 MBq/Lの濃度の汚染水を1
500 Bq/Lのレベルにまで除染するには99.85%以上の除染率が
必要となるが、現状の状態の多孔質体をそのまま使用する場
合、多孔質体の枚数を2、3枚重ねて用いることで到達でき、
トリチウムの除染方法に関する分野に有用である。

【符号の説明】10、14 リザーバー、11、22 温度測
定用の熱電対、12 水蒸気及び/又はミストを生成する手段、
12a、15 乾燥空気の吹込口 13 マントルヒータ 
20、23 吸蔵手段、30、31 HTO含有水溶液を回収する
手段(コールドトラップ)、40、50、60 移送手段、

以上は一例であるが、トリチウムの完全処理除外は、可能だ
と思われる。それができないのは経済的な理由ではない。実
行力の問題だと考える。

【エピソード】


暑中お見舞い申し上げます。
如何にお過ごしでしょうか。
ご家族皆様方のご健勝をお祈り申し上げます。


【脚注及びリンク】
------------------------------------------------

------------------------------------------------------