地域循環共生圏概論Ⅳ

2019年12月30日 | 日誌


作成日:2019.12.30|更新日:2019.12.31
地域循環共生圏概論Ⅳ
「負の遺産」から愛される発電所

地域と共生する瀬戸内Kirei太陽光発電所
先回に続き、環境ビジネスの『地域循環共生圈とビジネ
スチャンス』から、
かつて"東洋一の塩田"と言われた岡
山県瀬戸内市の錦海塩田跡地に、日本最大級の太陽光発
電所
「瀬戸内 Kirei太陽光発電所」が18年10月稼働。
エネルギーと税収を生み、塩田の貴重な生物を育み、地域
の安全を守る事例--瀬戸-
内市長・武久顕也氏とのインタ
ビューを考えてみる。

瀬戸内 Kirei太陽光発電所
官民連携の壮大なプロジェクト
瀬戸内市のほぼ中央、瀬戸内海に而して広がる、総面積
約 500ヘクタールの広大な錦海塩田跡地に、日本最大級
となる 235MWの太陽光発電所を建設。この計画の本格着
工が14年11月に、GEエナジー・フィナンシャルサー
ビス、東洋エンジニアリング、中電工、くにうみアセッ
トマネジメントの4社が出資する特別目的会社(SPC)『
瀬戸内 Kirei未来創り合同会社』が14年11月に設立
され、建設と発電事業が決まる。同事業は、日本の再生
可能エネルギー発電事業として、過去に類を見ない大規
模である。
資金調達が大きな課題で、日本のエネルギー事業の資金
調達法として当時まだ一般的ではなかった、ノンリコー
の事業
を実現。その後の資金調達の在り方に可能性を
広げた好事例となる。プロジェクト実現にあたり、強い
リーダーシップを発揮した瀬戸内市長の武久顕也氏は、
瀬戸内市の出身で、塩田近くの小学校に通っており、塩
田が使われなくなり、一部産廃処分場になっているのを
見て、何とかしたいと思い就任した年に、土地を所有し
ていた民間企業が破産し、“負の遺産" と言われるのを
市が引き取り、事業化に向けて動いてきたと話す。

当時、錦海塩田跡地は広大で日射量が良好な反面、堤防
で仕切っても周辺から雨水が流れ込むなど、土地の整備
にはコストがかかる。土地を引き取った時から太陽光発
電のアイデアはあったが、採算の合う話ではなく、どこ
も見向きもしなかった。 FIT制度ができたことでキャッ
シュフローが乗り実現したが、そういう意味では、かな
りリスクの高い挑戦であった。同事業は、瀬戸内市、民
間企業、金融機関が協力し、実現した事業。官民が連携
し、長く放置されてきた塩田跡地を、クリーンなエネル
ギーを生み出す場所として甦らせ、夢のある、壮大な事
業だった。

地域の安全安心も守る
現在は、地元の小学生から大学生、海外の留学生、観光
客なども見学に訪れる、瀬戸内の名所の1つとなってい
る『瀬戸内 Kirei太陽光発電所』。観光だけでなく、安
全安心面、実質的な経済面での恩恵もかなりあると話す。
太陽光発電所の建設にあたり、『瀬戸内 Kirei未来創り
合同会社』では、排水路整備や堤防補強工事など、地域
を災害から守るための安全安心事業に注力。15年には、
浸水リスク軽減の目的で、塩田跡地内を東西に走る約2.
5kmの中央排水路の上流部分 400mについて河床掘削
拡幅工事を行い、瀬戸内市に引き渡す。翌16年には、
塩田跡地内の排水能力向上と、市による既設ポンプ故障
時のバックアップとして排水ポンプを1台増設。さらに、
停電時の備えとして非常用電源も新たに設置し、市に寄
付した。また、大地震によって土手部が液状化し、沈下
する可能性のあった錦海湾堤防を、地下深くの岩盤層ま
で届く長い鋼管杭を打ち込むことで補強。大地震で土手
部分が沈下しても鋼管杭は沈下せずに残り、太陽光発電
所だけでなく近隣の住居や財物を津波や高潮から守る。
これは、海水が流入する構造を維持することで、希少な
動植物の生息する塩性湿地環境も保全することができる
工法で17年3月に工事を完了。東日本大震災後で、特
に海に対する安全対策への意識が強かったが、約32億
円をかけたことで結果的に農地や宅地にも恩恵を受ける。
際に昨年7月の豪雨では、河床掘削拡幅工事を施した
中央排水路に水が流れ、排水ポンプもフル稼働させたこ
とで、以前ならば水浸しになっていたであろう干拓地の
畑地への被害は皆無だった。

市の優先度に応じ、資金を活用
太陽光発電所ができたことの経済的な恩恵という意味で
は、税外収入としての借地料と固定資産税が、市にとっ
て非常に資重な収入源となっている。瀬戸内市では、そ
の借地料の6割を安全安心対策に積み立て、4割をまちづ
くりに使っていく計画を立てている。まちづくりに関し
ては、観光地へ繋げていくため、堤防沿いを通る道路を
新しく作ったり、コミュニティセンターの充実や駅前整
備などの事業に資金を活用。6割については、いざとい
う時のための災害対策、堤防やポンプの維持管理にあて、
万全の対策で安全安心を維持していく。これらの資金は
単にそのまま使うのではなく、これを原資として補助金
を獲得したりと、レバレッジを効かせ、より大きな事業
にしていくような活用のしかたをしている。例えば、
境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金『公共施
設等先進的C02排出削減対策モデル事業』を活用し、
公共施設における地域間電力融通によるエネルギーの
地産地消』に取組む。同事業では、公共施設における電
力の自給自足を目指し、太陽光発電による再生可能エネ
ルギーを活用した自立・分散型エネルギーシステムを導
入。あわせて空調設備をはじめとした省エネ、空調機の
遠隔監視機能を活用した地域全体のデマンド制御を行う
ことで、エネルギー需給バランスの最適化管理を行う。
さらに、地域内、あるいは地域間で電力を融通し、エネ
ルギーを地産地消。

エネルギーロスを極限まで抑え、価格インセンティブの
導入で、自立・分散型エネルギーシステム内で自律的に
需給のバランスをとるシステムを構築。 FITに依存しな
い再エネの導入促進を目指していく。環境への取組みは、
まちのイメージをアップさせていく上で非常に重要かと
思う。瀬戸内市の有利な部分は、『瀬戸内 Kirei太陽光
発電所』があることで、実際にまちづくりに活用できる
資金があり、それを、市の優先度に応じて活用できる部
分だと思うと同市長と話している。


環境と開発の両立を
『瀬戸内 Kirei太陽光発電所』は、自然環境保全との両
立を目指して整備された『錦海ハビタット』が併設され、
自然との共生を実現した発電所としても注目度が高い。
錦海塩田跡地では、71年の塩田事業廃止の後、40年
以上にわたり、雨水と海水の混ざり合う塩性湿地・ヨシ
原・水路・クリーク(小川)・ヤナギ林などの混在する、
独特の環境が形成されてきた。
この環境を可能な限り保
全し、生息る動植物への影響を最小限に抑え、地域にふ
さわしい風景を創出するため、メガソーラープロジェク
トでは、保全する塩性湿地帯のうち約16ヘクタールに
『錦海ハビタット』を整備している。
この『錦海ハビタット』には、地域環境の潜在能力を活
用し、その地域でなければ成しえない環境を保全・割出
し、人を含めた生き物にとって健全な生態系を維持する
デザイン手法である、エコロジカル・ランドスケープ手
法が使われている。

ヨシが生育する水辺環境を残しながら、クリークや池を
人工的に作り、もともと現地で生育していた樹木を苗木
から育て、在来種を主体とした植栽を行う。特に、希少
な猛禽類の保護を目的に、猛禽類の餌となる小動物の生
息しやすい環境を創り出している。長い歴史をもつ塩田
跡地で、様々な方の想い、これまでのいきさつに配慮し、
開発一辺倒ではなく、最大限、環境と開発の両立をはか
る必要があると考える。そこで、事業者と市役所と県で
自然保護協定を結び、開発を進めていく。


クリーンなエネルギーを創り出すだけでなく、堤防や排
水ポンプの整備で市民の安全安心を守り、自然環境にも
配慮した太陽光発電所。そのC02削減効果は、年間約
192,000トン(瀬戸内市のC02排出量の約半分)
となっている。施設の建設にあたっては、市が事業者と
一緒になり説明会に回り、行政が積極的に関わることで、
市民への安心感を与えた。こうした全ての取組みが実を
結び、発電所完成後、地域住民との間に問題は何もない。
反対に、市の観光案内に『瀬戸内 Kirei太陽光発電所』
が紹介されているなど、地域に愛される太陽光発電所と
なっている。日本最大級の太陽光発電所を、塩田跡地に
建設する。瀬戸内市が民間と手を組み、成し遂げた挑戦
は、まちにクリーンなエネルギーを生み出し、貴重な自
然環境を育み、市民を災害から守り、未来のまちづくり
への財源となって、“太陽のまち”として瀬戸内が輝き
続ける源となっていると話す。

この好事例は、①ノンリコース・ローン制度の活用、②
 FIT(固定価格買い取り)制度の活用、③排水路整備や
堤防補強工事など、地域を災害から守るための安全安心
事業に注力しレジリエンス能力を高め、④環境省の二酸
化炭素排出抑制対策事業費等補助金の活用が背景にある
ことが特徴であることを確認した。さて、次の事例とし
て、岡山県笠岡市の『地域社会と共生する水上太陽光発
電』を取り上げる。

                  この項つづく

【エピソード】


趙弼『評史』にある「前門に虎を拒ぎ後門に狼を進む(
表門で虎の侵入を防いでいるときに、裏門からは狼が侵
入してくるの意味)」から。
前後から虎と狼に挟み撃ち
されては、勇者であってもたち打ちできないことをさす。
また、「一難去ってまた一難」と意味が通じ、窮地に陥
る状況を表す。新年を迎えに当たり、年頭の言葉に相応
しいものとして先ず頭に浮びました。虎は「超少子高齢
化社会」であり、狼は、「地球温暖化}による災害の激
化によるリスク逓増です。典型例は少子化問題、東洋経
済ONLINEの『出生数90万人割れの衝撃』(脚注参照)
によれば、その原因として、①格差社会➲②未婚率の増
加/晩婚化➲③教育費の高騰➲④少数精鋭主義➲⑤心理
的抑圧が順位別に挙げられています。やはり、①格差社
会(巨大資本が振りまく価値観)の影響が大きい外化要
因でしょう。ことはこれだけでないから大変なことにな
ります。そしてその帰結として『前進!』が年頭の言葉
に集約されることになりました。文末に、皆々様方のご
健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

【脚注及びリンク】
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  1. 「負の遺産」から愛される発電所へ環境ビジネス
    2020年冬季
  2. ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジネ
    ス 2020年冬季
  3. 日本人を直撃する「人口急減」の切実すぎる未来、
    東洋経済オンライン 、2019.10.27
  4. 賀県に根づく『三方よし』の経営を実現, 環境
    ビジネス,2020年冬季
    号  
  5. 米国 風力発電2019年水力を抜いて一躍トップに:
    ラストワンマイル23、ごくとうごくらく 2019.02.
    24
  6. 2070年平均気温が4℃上昇した世界 ごくとう
    ごくらく 2019.12.09
  7. 「よくもそんなことを」グレタ・トゥーンベリが
    気候サミットに登壇 スピーチ全訳, BuzzFeed,
    2019.09.24
  8. 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV,
    2019.12.15
  9. ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞 Shinran、2007.10.12
  10. NHKスペシャル 被曝の森2018 見えてきた
    “汚
    染循環” 赤かぶ 2018.02.25 
  11. 天正地震 Wikipedia
  12. 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia       

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地域循環共生圏概論Ⅲ

2019年12月23日 | 日誌


作成日:2019.12.23|更新日:2019.12.24
地域循環共生圏概論Ⅲ
『三方よし』の精神を生かし、ESG地域金融を推進す
る滋賀銀行の事例を俯瞰しました。そこでは銀行----金
融仲介・信用創造・決済機能の3つを機能を主要業務の
預金・融資・為替・信用により実現と信用金庫----営利
を目的としない協同組織の地域金融機関との業界の "ボ
ーダレス化”が起きているようにみえます。
さて今回は、「地域循環共生圏とビジネスチャンス」か
らの側面から俯瞰してみましょう。重複しますが、地域
循環共生圏とは、18年に閣議決定した第五次環境基本
計画で提唱された考え方をさします。持続可能な地域づ
くりを通して、環境で地方を活気づけていくとともに、
人材も育成していくこととしている。とりわけ地域資源
の活用をテーマとしており、これまで未活用だった再エ
ネ資源を使ったエネルギーの自給自足や、地域共生圈ど
うしの連携による新たな産業の創出など、環境を切り口
に地域の活力を最大限発揮させるという野心的な戦略で
す。地域に受け入れられている太陽光発電などを取り上
げ循環型社会におけるビジネスチャンスを探っていきま
す。(出典:「地域縦貫共生圏とビジネスチャンス」、
環境ビジネス, 2019年秋季号)

地域循環共生圈とビジネスチャンス
世界の原生林の3分の1を占める“地球の肺"、アマゾン
で広がる火災が国際的な問題となっている。国連は15
SDGsを採択。世界は脱炭素へ大きく舵を切り、持続
可能な世界への変革を目指す。そうした中、環境省では
地方版
SDGsとも言える〈地域循環共生圏〉を打ち出しま
した----地方が変われば世界が変わると。


環境・経済・社会の統合的な取り組みを
“地球の限界" あるいぱ惑星の限界"  とも呼ばれる『
プラネタリー・バウンダリー』。気候変動、海洋の酸性
化、オゾン層の破壊など9つの項目のうち、く窒素の循
環〉、〈生物多様性〉、〈気候変動〉などの領域につい
ては、既に境界値を越え、“取り返しのつかない環境変
化が生じる可能性がある" 状態となっています。地球は
限界を越え、持続可能な世界ではなくなりつつあります。
地球が限界に来ているので、“社会・経済・環境、全て
の在り方を変える" というのが、SDGsの目的です (
環境
省・環境計画課岡野隆宏氏)。環境・社会・経済を一体的
に捉えながら、持続可能な社会にトランスフォーミング
させます。SDGsの目的は、あくまで“世界を変えること"
で、結果的に17の目標を達成で気候変動も要因と思わ
れる大規模自然災害が頻発。同時に少子高齢化や地域経
済の疲弊と、経済・社会も大きな課題を抱えています。
これまでの環境政策は、経済・社会が右肩上がりの中で
発生してきた環境問題に対して、尻ぬぐい的な対応が中
心。ところが現在は、経済と社会も課題を抱える状況で、
全ての課題を統合的に見た上での環境政策が求められて
います。
パリ協定を達成するためには、いわゆる、地下資源を使
った大量生産、大量消費、大量廃棄という、これまでの
モデルは使えません。環境問題が起こらないような社会・
経済の構築、環境で新きるカタチとなっています。
象徴的なのはパリ協定。世界共通の長期目標として平均
気温上昇を2℃より十分低く抑え、さらに1.5℃に抑え
る努力を継続することになったのです。今世紀後半に温
室効果ガスの人為的な排出と吸収を均衡することも掲げ
られています。達成するには、根本的な世界の在り方を
変えることが必要とされます。
日本の状況を見てみると、ここ数年、気候変動も要因と
思われる大規模自然災害が頻発。同時に少子高齢化や地
域経済の疲弊と、経済・社会も大きな課題を抱えていま
す。これまでの環境政策は、経済・社会が右肩上がりの
中で発生してきた環境問題に対して、尻ぬぐい的な対応
が中心でした。ところが現在は、経済と社会も課題を抱
える状況で、全ての課題を統合的に見た上での環境政策
が求められています。
パリ協定を達成するためには、いわゆる、地下資源を使
った大量生産、大量消費、大量廃棄という、これまでの
モデルは使えません。環境問題が起こらないような社会・
経済の構築、環境で新たな経済を作っていくことが必要
となります。SDGsで言われている、環境・経済・社会の
統合的向上を、日本でも本当に取り組んでいかなければ
いけない状況になっています」(岡野氏)。
こうした状況を背景に、環境省は、18年4月に閣議決
定された『第五次環境基本計画』の中で、今後の社会の
在り方として〈地域循環共生圈〉という考え方を打ち出
しました。

3つのキーワード
〈地域循環共生圈〉のベースとなるのは、身の回りにあ
る森、里、川、海とい
った自然資源、地域にいる人や資
産をす効に使っていくという考え方であり、地域にある
様々な資源の可能性を掘り起こすことが、脱炭素にも
SDGsの達成にも繋がるという視点です。
山に雨が降り、川になって里の畑の農作物を育み、下流
に流れて都市の人の暮らしを潤して、海に流れて魚を育
む。この大きな循環の中でバランスをとりながら人間も
生きていく。自然は上手に付き合えば様々な恵みを私た
ちに与えてくれる。さらに、新しい技術によって太陽や
風からエネルギーを創り出す。
こうした自然の循環に立脚して自然と共生した社会を作
り直す。循環と共生、これを理念にすることで地域も活性
化していこうというのが、く地域循環共生圏〉です。
〈地域循環共生圈〉のキーワードは、"自立・分散`、
"相互連携" 、"循環・共生`。この3つを組み合わせる
ことで、結果的に脱炭素やSDGsの達成にも繋げていく。
地域にある資源を使い、エネルギーも食糧も素材も自給
自足していく自立・分散型を目指すのが基本。一方で、
森、里、川、海からの自然の恵みを都市へ供給する。そ
の対価で農村、漁村を活性化していく。
上流の森が健全であれば水が守られ、災害も起こりにく
くなる。その恩恵に対し、都市部からは観光や体験、テ
レワークやワーケーションといったカタチで交流する。
万が一、都市部で災害が起こった時には地方へ避難でき
る。そうした関係性を作っていくのがく地域循環共生圈〉
の考え方だ。「これまでが〈物質・経済文明社会〉だとす
るなら、これからは持続可能な循環共生型の社会。〈環
境・生命文明社会〉を作っていこうというのが、目指す
べき姿です。環境問題については、これまでも国際的な
議論が交わされてきましたが、“地球の温度が2℃上が
ること" と地域の暮らしには距離がありすぎたと思いま
す。地域に焦点をあて、身近なことを変えていくことが、
世界を変えていくことに繋がるという考え方は、新しい
切り口かと思います(岡本氏)。


燃料代を海外から地方にシフト

〈地域循環共生圏〉でどんなビジネスが生まれるかを考
えた場合、再生可能
エネルギーが最も大きい。環境省で
は、
日本全体で、エネルギー需要の1.7倍の再エネポテ
ンシャルが存在すると試算
している。
現在、どの地方でも、電気をつければ電気代が電力会社
に行く。電力会社
の電力は地下資源の比率が高く、燃料
代は海外に流れ、その額は年間20兆円に上り、50年
までに二酸化炭素を80%削減する
目標を日本が達成す
るためには、再エ
ネポテンシャルは高いがエネルギー需
要密度の低い地方と、エネルギー需要密度の高い都市と
の連携が不可欠。こ
の連携により、資金の流れはく都市
→海
外〉から、〈都市→地方〉にシフトします。
地域から流れ出すエネルギー代を、いかに取り戻すか。
まずは、それを考え
ることが重要です。地方の再エネ事
は、電力を大規模に創って都市に連ぶカタチが多い。
それも必要ですが、地方
からすると、単なる資源の搾取
となる場
合もあります。自立・分散型のエネルギーで地
産地消を進めることも大切だと
思います(岡野氏)。再エ
ネによる地域活性については、各地で取り組みが進んで
います。
北海道・下川町では、エネルギー代約9億円が地域外に
流出していた。地域の豊富な森林バイオマスを活用する
ことで、町全体の熱エネルギー需要の約半分を自給。節
約した燃料代を子育て支援などに活用し、地域内の経済
循環を拡大している。そして、森林資源は有効に活用さ
れ、森を守り育てることに繋がっている。
また、19年2月、横浜市と岩手、青森、福島3県の計
12市町村が再エネの活用に関する連携協定を結んでい
ます。横浜市は "ゼロカーボンヨコハマ”を掲げており、
12市町村の風力などで創られた電力を横浜市内へ供給
する仕組みづくりを進めます。横浜市としては、現在も
出しています。エネルギー代の行先が変わるだけです。
一方で、RE100を目指す企業の誘致はしやすくなります。
地方にとっては、エネルギーを売ったお金を地域活性に
あてることができます。例えば、得た利益を農産物や水
産物などのブランディングなどに活用し、さらに横浜市
に購入してもらえれば、パイプはより太くなるでしょう。
エネルギーから始まる交流と地域づくりが生まれるので
はないかと、期待していますとはなしています。

環境で経済も社会も良くする
18年4月に打ち出したく地域循環共生圈〉だが、そう
した観点での取り組
みの芽は既に各地で進んでいます。
興味深い取り組みの1つとして、北海道・鹿追町の『地
産地消水素社会』の取り組みがある。
鹿追町は、酪農と畑作を主体に農業が営まれている地域
で、大量に発生する家畜ふん尿の処理が課題となってい
ました。そこで、従来は農家が個別に処理していたふん
尿を、集中型のバイオガスプラントで処理する取り組み
を開始。メタンガスをエネルギーとして活用するだけで
なく、発生する消化液を農場に還元。ふん尿の個別処理
をなくすことで、畜産農家の負担も軽減した。畜産農家
の手間は減り、その分経営が拡大し、臭いがなくなった
ことで地域の生活環境も良くなる。まさにSDGs、1つの
改革が、地域の色んなことに繋がっていく、環境政策だ
けでなく、地域の暮らしや経済も良くしていくことを考
えるのがく地域域循環共生圈〉です。

環境で地域の社会も経済も良くしていくためには、新し
い技術を投入していくことも重要だ。鹿追町では現在、
バイオガスから水素を製造し、燃料電池によって電気・
熱を供給したり、燃料電池自動車、燃料電池フォークリ
フトなどを利用する低炭素水素サプライチェーンモデル
の構築実証を行っており、地域資源の循環による脱炭素
に向けた取り組みが進められている。

各地が多様な顔を持つ〈葡萄型社会〉
環境省では内部に環境金融推進室を設置し、ESG地域
金融にも力を入れている。地域の金融機関にとって、地
域が良くなることは、ビジネスを継続していく上で欠か
せない条件となります。エネルギーや環境に取り組む企
業に投資することで、地域の産業を元気にしていけば、
お互いにいいスパイラルとなります。
地域の環境・経済・社会を統合的に向上させてい〈〈地域
循環共生圈〉の政策は、環境省だけの枠を越えている。
環境省では現在、各省や企業ともディスカッションしな
がら、政策を進めています。
ふり返れば、江戸時代には各地の藩がエネルギーや食糧
を自給自足しながら、地元の特産物を江戸や大坂に売っ
て外貨を稼いでいた。地域それぞれに多様な風土があり、
魅力的な地域が全国に散らばっていた。それがいま、東
京一極集中で忘れられています。いま、インターネット、
AIやIoT の進展で、東京と地域の情報格差はほとん
どなくなっている。今後5Gの時代が来れば、医療や教
育にも差はなくなってくるだろう。
新たな技術が導入され、人の生きがいや価値観が多様化
する時代に森里川海の資源に恵まれた地方には可能性し
かないと思っています。 東京一極集中ではなく、様々な
地域がそれぞれの特長を活かした多様な顔を持つ〈葡萄
型社会〉ができれば、人々の生き方も多様になり、地域
の産業も元気になり、地域から流出するお金も減ってい
く。結果として二酸化炭素が減り森里川海が健全になり
ます。そんな未来像を示したのがく地域循環共生圏〉な
のですと、環境ビジネスの記者のインタビューでこう話
しています。
                                     この項つづく

【エピソード】 

我が家の檸檬が豊作です。会員で欲しい方がおられまし
たならご連絡下さい(携帯電話の方に)。
昨日、午後4時、柳本さんのご自宅にお邪魔し檸檬を届
け、2月の総会懇親会について希望する日取り等をお伝
えしました(水曜日の平日でできればランチ時間帯)。
ご自宅近くに会食が取れそうな場所があるとのこと。当
日、奥様も同伴希望があり、調整してみようということ
でした。


【脚注及びリンク】
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  1. ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジネ
    ス 2020年冬季
  2. 賀県に根づく『三方よし』の経営を実現, 環境
    ビジネス,2020年冬季
    号  
  3. 米国 風力発電2019年水力を抜いて一躍トップに:
    ラストワンマイル23、ごくとうごくらく 2019.02.
    24
  4. 2070年平均気温が4℃上昇した世界 ごくとう
    ごくらく 2019.12.09
  5. 「よくもそんなことを」グレタ・トゥーンベリが
    気候サミットに登壇 スピーチ全訳, BuzzFeed,
    2019.09.24
  6. 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV,
    2019.12.15
  7. ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞 Shinran、2007.10.12
  8. NHKスペシャル 被曝の森2018 見えてきた
    “汚
    染循環” 赤かぶ 2018.02.25 
  9. 天正地震 Wikipedia
  10. 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia       

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地域循環共生圏概論Ⅱ

2019年12月21日 | 日誌


作成日:2019.12.20|更新日:2019.12.22

地域循環共生圏概論Ⅱ
ESG地域金融を推進していくうえで、重要な役割を担
っているのが地域に精通している地域金融機関。滋賀県
拠点として活動を行う滋賀銀行はESG地域金融を銀
行経営の要と位置付け、地域に根付いた環境経営に取り
組んでいる。
地域金融機関として、どうESG地域金融
に寄与するのか。同行の取締役頭取に環境ビジネスが聴
取を行っているので、そこから汲み取るべきもの考えて
みましょう。

滋賀県に根づく『三方よし』の系液を実現
近江商人の商道徳、『三方よし』の精神
1933年に設立された滋賀銀行。 CSR
にいち早く取
り組み、環境・福祉・文化
を3本柱としてCSR経営を行
っています。
特に環境については業界に先駆けて取り組
みを開始し、2017年には地方銀行初となる『SDGs宣
言』を行い、社会的
課題解決に向けたビジネス創出を支
しています。同行が早くから環境経営に取り組んで
た背景には、滋賀県の地理的要因が
大きく、滋賀銀行が
本拠を置く滋賀県の
面積の2分の1は森林であり、また
6分
の1は近畿エリア1,450万人の貴重な水源とな
っている琵琶湖が占めています。琵
琶湖は世界で3番目
に古い湖で、"マザ
ーレイグ"とも呼ばれています。こう
した豊か
な自然を暮らしの背景としている県民や県内企
業の間には高い環境意識があります。
また近江商人にル
ーツをもつ同行に
は、「売り手よし」「買い手よし」「世間
し」の『三方よし』という商道徳が根付いてきました。
商いは、当事者が良いだけではいけない。社会が良くな
ることが大切
であり、ひいてはそれが自分たちに還っ
くるという経験知であり、伝統としての暗黙知として根
付いてきました。
滋賀銀行の環境経営のベースには『三
方よし』の精神があります。周辺の環境を守ることは活
かすことにつながります。
地域金融機関の役割として、
お金の流れで地球環境を守る"という気概を持って 環
境経営に取り組んでいますと滋賀銀行取締役頭取高橋祥
二郎氏が件の記者に答えています。


本業として、ESG地域金融に挑む
現在、同行はESG地域金融として、SDGsに貢献する社
会的課題解決型の
新規ビジネスに取り組む企業を資金だ

けでなく、情報提供やコンサルティングなどでも支援し
ています。
これまで開催していた『エコビジネスマッチ
ングフェア』を、今年から『SDGsビ
ジネス・マッチング
フェア』に拡大して社会的課題解決型ビジネスを幅広く
応援しています。またお取引先の経営にSDGsを取り入れ
ていただけるよう“SDGsコンサルティング"も行ってい
ま丸初めはSDGsをお客様に理解してもらうことから始め
ましたが、徐々に理解も広がり、現在はそれをビジネスに
つなげていただくための支援を行っていくとのことです。

地域循環共生圈へ向けた、滋賀銀行の取り組み
同行は、長期的な視点に基づき、地域活性化に貢献する企
業に対する金融支
援を行っている。その背景には、従来
りの価値観では、人口減少が進む時代に対応できない
という危機感があったとのことです。また、滋賀県は全
国では数少ない人口増加県だが、4年前から人口減少が
始まった。30年の統計予測では県人口は約4万人減少
名目GDPは 約4,000億円減少するという。廃業の
増加、地域縮小が進むという危機を打破するためには、
新たな需要を創造しなくてはいけない。いままでのよう
な銀行主体の目線ではなく、中長期的な社会基点での取
り組みが必要だと考え、さらに同行は、今後の地域にお
けるビジネスは“競合" するのではなく、“共創" する
時代であると語る。滋賀県のやり方が他の地域でも通用
するとは限らない。その地域の資源をその地域で活かす、
循環型の“地産地消"スタイル、つまり、『里山資本主
義-日本経済は「安心の原理」で動く
』のような仕組み
が求められているという。かつてのように限られたパイ
を奪い合うような“競合" は存在しない。あるのは、
"共創(共に創る)" だと。18年に設立された産官金連
携の組織『滋賀SDGsxイノベーションハブ(しがハ
ブ)』では、商売上は競争相手である関西みらい銀行さ
んとともに人材などを提供し、垣根を越えたパートナー
シップのもとで滋賀の課題解決型ビジネスの取り組みを
サポートしています。地域の課題に対して互いに責任を
もってやっていくこと、これが持続可能な発展につなが
る、私たちの求めるESG地域金融であると。

電子地域通貨と仮想通貨との違い 
そして、ESG地域金融をあくまでもビジネスとして推
し進めることが肝要で、環境経営はビジネスと捉えて取
り組まなければ長続きせず、事業の継続性が疑わしくな
ってしまいます。長期的なビジョンの中で、しっかりと
収益を上げながら好循環させることが重要となり、SDGs
を地域単位の言葉に置き換えるなら、地域活性化や地元
の方にとっての価値ある暮らしにつながる。社会的課題
解決という共通テーマに対し、地域金融機関と地域企業
がともに挑む。そのうえで、それぞれが適正な利益を上
げ、地域が元気になる。その地域に根ざした地域金融機
関の役割は、今後ますます重要になってくると語ってお
られます。(出典:賀県に根づく『三方よし』の経営
を実現, 環境ビジネス,2020年冬季
号)
                  

                   この項つづく

【エピソード】 

我が家の檸檬が豊作です。会員で欲しい方がおられまし
たならご連絡下さい(携帯電話の方に)。


【脚注及びリンク】
-------------------------------------------------- 

  1. ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジネ
    2020年冬季
  2. 賀県に根づく『三方よし』の経営を実現, 環境ビジ
    ネス,2020年冬季
     
  3. 米国 風力発電2019年水力を抜いて一躍トップに:ラス
    トワンマイル23、ごくとうごくらく 2019.02.24
  4. 2070年平均気温が4℃上昇した世界 ごくとうご
    くらく 2019.12.09
  5. 「よくもそんなことを」グレタ・トゥーンベリが気候
    サミットに登壇 スピーチ全訳, BuzzFeed, 2019.09.24
  6. 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV,2019.
    12.15
  7. ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞 Shinran2007.10.12
  8. NHKスペシャル 被曝の森2018 見えてきた“汚
    染循環” 赤かぶ 2018.02.25 
  9. 天正地震 Wikipedia
  10. 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia       

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地域循環共生圏概論Ⅰ

2019年12月20日 | 日誌



作成日:2019.12.19|更新日:2019.12.20
年末も押し詰まり後12日で令和2年を迎えます。今年
一年何もしていなかったわけでなく、個人的な活動集約
(環境問題のコンサルとリサーチ成果)をまとめること
にし、特に今興味のある『地域循環共生圏』について特
集してみたいと思います。まず、個人的なリサーチ活動
は、主に、①再生可能エネルギー及びエネルギー貯蔵の
技術トレンドと②地球温暖化対策の国内及びにおき、①
については❶シリーズ「ラストマイル」から❷シリーズ
「ポストエネルギー革命序論」(本日の段階で、117
まで)ブログ連載してきましたので閲覧下さい。また、
日々の動向については『環境工学研究所 WEEF』のホ
ームページ「最新注目情報」を閲覧下さい。因みに、今
日注目した情報は、今年11月に、新電力Looopの
新しい「Looopでんき0」プランの発表(下図クリ
ック願参照)です。


また、後者②の「世界的な枠組み動向」について。12
月16
日、COP25は「パリ協定」ルールの一部合意
できずに閉幕しましたが、12月9日のブログで「20
70年平均気温が4℃上昇した世界」(Impacts of a
4℃ global warming)
では、「極端な洪水と干ばつが広
がり、赤道近くの多くの国が放棄され、人々は流浪逃散
し、都市の洪水災害が頻繁に発生。海面が1メートル上
昇し、何兆ドルもの不動産が消滅。避難民の数は、国際
機関や政府の対処能力を圧倒し、多くの難民は高緯度ま
たは低緯度で生き残り定住を試みるが、多くは難民の旅
を終わることはない。国境への入国が拒否され、餓え、
紛争、有害な環境条件により死者が続出。伝統的な自由
市場資本は瀕死状態に直面し、自然は竟にバランスを改
善しはじめる」というシ
ナリオ(動画)を掲載し、警告
を鳴らしています。


地域循環共生圏概論Ⅰ
①地域循環共生圏とはなにか

さて、環境省によると、18年4月に閣議決定した第五
次環境基本計画では、国連「持続可能な開発目標」(SD
Gs
)や「パリ協定」といった世界を巻き込む国際な潮流
や複雑化する環境・経済・社会の課題を踏まえ、複数の
課題の統合的な解決というSDGsの考え方も活用した
「地域循環共生圏」を提唱しましたが、「地域循環共生
圏」とは、各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大
限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ地域の
特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の
活力が最大限に発揮されることを目指します。

②地域循環共生圈における、ESG地域金融の重要性

15年のパリ協定とSDGsの採択で、世界の潮流は大きく
変わりました。その中で日本が今後、どのような社会や
経済をつくるのか。その方針を示したのが『第五次環境
基本計画』です。日本は、50年にC02排出量を80
%減らすことにコミットしているが、残りは約30年し
かなく、
ハードルとしてはとても高く、環境省は、日本
ならではの特色を活かし、地域・循環・共生をキー
ワー
ドに社会・経済を循環させるシステム〈地域循環共生圈〉
を掲げました。これは、環境の分野を超えて、地域の多
様なステークホルダーによる----ここで、ステークホル
ダー
(stakeholder)とは、企業・行政・NPO等の利害と
行動に直接・間接的な利害関係を有する者=利害関係者。
具体的には、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、
仕入先、得意先、地域社会、行政機関など----
自発的な
取り組みを促進し、地域で、人・物・金・技術など多様な
要素を循環させ、『地域を元気にしていく』という構想
ですが、その中では、実物経済の裏側で至るところにお
金を流すESG地域金融--- ESG(環境・社会・ガバナン
ス)要素を考慮した融資等を通じて事業者を支援し、地
域の持続可能な成長を目指す動き----だが欠かせない存
在。しかし、直接金融よりも間接金融が中心の日本では、
ESG 融資の拡大が重要とされています(「〈地域循環共
生圈〉実現のカギは金融にあり-- 『ESG地域金融』で地
域を元気にする」環境ビジネス、20年冬季号より)。
特に地域金融機関によるESG地域金融が普及していく
ことで、全体的なインパクトの創出につながると考えて
います

③知見を共有し、ESG地域金融を促進

環境省は、地域の資金調達の主体となる地方銀行や信用
庫、信用組合などの地域金融機関と地域企業力パート
ナー
シップを組む流れを推進する構えだ。まずはESG
地域金融へのモメンタムを全国津々浦々に広げるため、
全国キャラバン『事例から学ぶESG地域金融のあり方」セ
ナー』  をはじめ、
ESG要素を考慮した事業性評価のプロ
セス
構築支援や、地域におけるESG融資に対する利子補給
どESG地域金融に取り組みたいと考えている地域金
融機関の後押しを行っており、3月に公表した先行事例
集『ESG 地域金融のあり方』では、例えば滋賀銀行の事
例を紹介をおこなっています。滋賀県の地元企業が実施
する画期的な新規事業にSDGsの観点から投融資を行った
という事例で、滋賀銀行が本業として環境経営を取り組
まれており、短期的な利益を追求せず、長期的な視点で
事業の継続性や
インパクト、企業価値を捉えられている
ことを賞賛しています。また、 ESG地域金融の推進は、
環境省と金融庁がタッグを組むなど、省庁間の壁を越え
た一体的な取り組みも特徴的。金融庁は金融機関を監督
するという立場にあるが、同庁とは良いパートナーシッ
プのもと、一緒に取り組んでおり、これからは、ありと
あらゆるチャネルや人と人との繋がりを捉えて進めてい
くことが求められていると環境省の担当責任者(中井

太郎総合環境政策統括官)は環境ビジネスとのインタビ
ューで語っています。


④ESG地域金融の今後の展望とは
環境省は、ESG地域金融の拡大に向けて、地域の資金
調達の主となる地域金
融機関と、地域企業力パートナー
シップ
を組み、ともに中長期的な価値向上を目
指し、ビ
ジネスを行っていく今の流れをさらに広げていくという。
このような地域金融への期待を、地域金融機関が全国か
ら集まりネットワーキングするイベントが10月に東京
で開催され、環境省も今回、初めて出展し、地域金融機
関の皆様が、それぞれのエリアを越え、企業同士がサプ
ライチェーンを結ぶ新たなマッチングが生まれ、各々の
地域の資源を活かす理想的なパートナーシップがあちこ
ちで実を結んでおり、地域金融機関のネットワークカに
は改めて驚き、今後、地域におけるビジネスを永続的に
循環させていくためには、このように地域金融機関や行
政を上手く巻き込みながら、地場に根付いている企業が
強みを活かしてプレイヤーとなるなど、パ-トナーシッ
プの重要性が大きくなる見通しで、いまの地球の状況は、
人でいう慢性病にかかった状態で、すぐにでも体質改善
しなければ、取り返しのつかないことになります。
これからの時代は、とってつけたような環境経営ではな
く、長期的な企業価値向上に向けた事業ポートフォリオ
の変更など、企業の“体質改善"が求められますが、日本
全国各地には、それを適切に支援してくれる地域金融機
関という心強い味方がいます。企業の皆様とうまく連携
しながら地域で一体となって取り組んでいただければ、
素晴らしいコラボレーションが生まれると信じていると
そう話しています。

❐ここで、持続可能な開発目標への直接投資でなく、
日本的な間接的投資が強調されていますが、少し違和感
をもちました。それというのは、二酸化炭素等の温暖化
ガス削減には①主に太陽光・熱及び②風力並びに③二次
電池(ユーティリティ型/分散型)と④二酸化炭素等の
温暖化ガスの吸収(吸着)除去回収、⑤地下化石燃料を
使用する火力発電、核燃料の発電の漸次撤退への積極的
な直接投資の促進をと考えています(『ポストエネルギ
ー革命序論』は技術・経済的側面から実現可能性の担保
として連載しています)。しかしながら、より丁寧に、
計画実行し目標達成させるための戦略ツールであること
の意味を否定するのではありません。
                     この項つづく
【エピソード】 


会員の皆様へ
この間、平日夕方に近くの日本料理魚忠で打ち合わせよう
と電話予約の条件を尋ねると①前日までの予約と、②2人
以上ということでした。平日のランチなら、部屋さえ空いてい
たなら、価格や足下が明るいので利用しやすいが、夕方

らっと上がり会席を取るには便利悪いことがわかりました。
恒例の新年会(総会)は、平日のランチ時間に計画してみ
ませんか。

 
【脚注及びリンク】
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  1. ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジネ
    2020年冬季
  2. 賀県に根づく『三方よし』の経営を実現, 環境ビジ
    ネス,2020年冬季
     
  3. 米国 風力発電2019年水力を抜いて一躍トップに:ラス
    トワンマイル23、ごくとうごくらく 2019.02.24
  4. 2070年平均気温が4℃上昇した世界 ごくとうご
    くらく 2019.12.09
  5. 「よくもそんなことを」グレタ・トゥーンベリが気候
    サミットに登壇 スピーチ全訳, BuzzFeed, 2019.09.24
  6. 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV,2019.
    12.15
  7. ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞 Shinran2007.10.12
  8. NHKスペシャル 被曝の森2018 見えてきた“汚
    染循環” 赤かぶ 2018.02.25 
  9. 天正地震 Wikipedia
  10. 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia       

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近況報告

2019年12月15日 | 日誌

   


作成日:2019.12.14|更新日:

☈今年2月の新年会以降、7月10日に、5名(佐々木さん、
柳本さん、吉田さん、辻さんと小生)が後三条の居酒屋『さん
かく』での暑気払い(「夏燕(かえん)の宴」)を行って以来、
主体的な活動が行えませんでした。12月に柳本さんが酒宴を
企画して頂いたのですが、小生のスケジュールが悪くてキャン
セルとなり、2月にあらためて新年会として企画したい旨をお
聞きした。

☈小生といたしまして、自治会活動もあり、2月の第2週以降
の(水曜日を中心とした)平日を希望します。詳細は柳本さん
にお任せしたい。その折り、①脱原発活動報告(参考資料
)、②再生可能エネルギーと温暖化と気候変動、③各自
の近況報告、④その他(次回会合担当決定)など話し合えれば
と考えています。

☈いづれにしても、小生の都合で腰を折るようなことになり申
し訳けありません。来年一杯も過密状況スケジュールとなりま
す。御容赦のほどご免なさい。尚、谷口さん、山田さんは体調
不良で参加はだめそうです(最終確認は年明け確認します)。
芝原さんも家庭事情で参加できません。また、故人の田中さん
や久保さん、友岡さんや石井さんのお墓参りも今年はまったく
できておりません(田中さんは一度だけ墓参しました)。



【エピソード】   

 

☈世界の今年の流行語大賞はグレタ・トゥーンベリさんの9月
23日の国連気候行動サミットでのスピーチの「#Howdaryou」
で決まりですね。さらに、「気候変動アパルトヘイト」という
言葉も話題になっています(脚注参照)。これは、1972年に
発表されたローマクラブの「成長の限界」にはじまり、201
5年11月26日の国連環境計画(UNEP)
は、「20年から3
0年の間に毎年、排出量を 7.6%ずつ削減していかなければ、
世界は産業革命以前と比べて気温の上昇を 1.5℃に抑えると
いう15年のパリ協定の目標を達成する機会を失う」と警告し
ています。これに対し、『環境工学研究所WEEF』のブログ
「ごくとうごくろう」では「ポストエネルギー革命序論」を連
載し、その回避策に関する戦略・政策・制度・技術の各論を展
開していますのでそちらの方を是非お読み頂ければ幸甚に思う
次第です。

☈過日、町役員の寄り合いの雑談で、「彦根市民防災マニアル」
を踏まえ、万一、犬上川堤防の決壊・越水に備えるための防災
土嚢(土の)の準備の是非が話題となったが、簡単に言うと「
どうしようもないじゃないの」という話しとなりました。「無
農薬除草方法」をちいさな実証試験をやってきた小生は、早速
帰宅後、「最新土嚢袋技術」としてネットサーフしました。結
論は「小規模な個別家屋用浸水防止土嚢」と「大規模な自治体
単位用浸水防止土嚢」を区別し十分ではないが試行する価値は
あるのではと考えました。会員の皆様はどう思いますか。下記
に面白い特許技術がありましたので紹介・記載いたします。

特許6209711 非常災害用水嚢堤防袋

 

【脚注及びリンク】
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  1. 米国 風力発電2019年水力を抜いて一躍トップに
    ラストワンマイル23、ごくとうごくらく 2019.02.24
  2. 2070年平均気温が4℃上昇した世界 ごくとうご
    くらく 2019.12.09
  3. 「よくもそんなことを」グレタ・トゥーンベリが気候
    サミットに登壇 スピーチ全訳, BuzzFeed, 2019.09.24
  4. 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV,2019.
    12.15
  5. ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞 Shinran2007.10.12
  6. NHKスペシャル 被曝の森2018 見えてきた“汚
    染循環” 赤かぶ 2018.02.25 
  7. 天正地震 Wikipedia
  8. 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia       

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