滋賀の山々 Ⅹ

2016年05月18日 | 滋賀連坐環

    

作成日:2016.05.18|更新日: 

【雨乞岳】

雨乞岳は、滋賀県の東近江市(旧神崎郡永源寺町)と甲賀
市土山町の境界に位置し、鈴鹿南西部、県境主稜線・御在
所岳から西に延び綿向山まで向かう稜線上にあり、鈴鹿第
二の高峰(1238m:標高一位の御池岳1247m)で、御在所

の西南西にある鈴鹿の主峰。また、北や南から望むと、東
雨乞岳とともに双耳峰である。

1968年(昭和43年)7月22日に、山域は鈴鹿国定公園指定。
愛知川(神崎川)源流の山である。別称が「白倉岳」「藤
切岳」。東側に東雨乞岳がある。竜ヶ岳と同様に山頂付近
はクマザサに覆われたなだらかな山容の山で、山頂にはク
マザサに囲まれた小さな池(大峠ノ沢)があり、古くから
雨乞信仰の対象とされ、下流域の農民がこの池に登拝して
いたことが山名の由来となっている。この池には、モリア
オガエルが生息し、山腹は天然林と針葉樹の植林地が折り
混じりアセビ、クリ、ホンシャクナゲ、ミズナラなどが分
布し、ニホンカモシカ、ニホンジカ、マムシ、ヤマビルな
どが生息している。山頂付近からは、西方に琵琶湖、東方
に鈴鹿山脈を望むこともできる。


秋に周辺の低山地で越冬するカヤクグリ


● 登山ルート

登山ルートは(1)鈴鹿スカイラインの武平峠のトンネル
西口から、御在所-雨乞の稜線を越える沢谷乗越を経て、
愛知川源流部に下り、クラ谷をさかのぼって東雨乞岳に達
するルート。(2)東近江市(旧永源寺町)の甲津畑から
フジキリ谷から、信長や蓮如上人が越えた杉峠を経て、雨
乞岳に登り、その後、南雨乞岳を経て清水頭の草原を通り
綿向山に向かう稜線の西、大峠からツルベ谷を下り、フジ
キリ谷に下るルート(※杉峠への峠道は、「千種(千草)
越え」とよばれた近江と伊勢を結ぶ街道)。

  1. 武平トンネルからのルート
  2. 稲ヶ谷からのルート
  3. 甲津畑からのルート
  4. 朝明渓谷からのルート
  5. 綿向山からのルート  

尚、コクイ谷沿いのコクイ谷出合からクラ谷の区間では道
迷いによる遭難が多発し、滋賀県警と東近江市山岳遭難対
策協議会による注意標識が設置されている。
 

【エピソード】 

  

千種街道は、滋賀と三重を結ぶ重要な街道で、織田信長や
多くの商人や旅人が往来する。室町時代、延暦寺の弾圧を
受けた浄土真宗の僧侶・蓮如上人が隠れ住んだ住居跡地や、
信長の対抗勢力に依頼された杉谷善住坊が、信長を狙撃す
る時に隠れた岩などが街道沿いにある。また、鉱山の採掘
が盛んで――南側の周辺山腹の6箇所で銀、銅、鉛などが
産出されていた、特に明治時代には300人以上の労働者
が働き鉱山の繁栄を願った桜地蔵も祀られている。

自然も豊かで、琵琶湖に注ぐ愛知川の源流があり、ブナ、
コケ、笹など、場所によって様々な植物も見られる

 

 【脚注及びリンク】
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  1. 雨乞岳 Wikipedia
  2. 永源寺グリーンランド~杉峠~雨乞岳
  3. 備忘録 甲津畑から千種街道を歩いて雨乞岳へ
  4. 朝明ヒュッテ本館キャンプ場
  5. 甲津畑から千種街道を歩いて雨乞岳へ
  6. 朝明渓谷~国見岳~根ノ平峠 ヤマレコ
  7. 春の琵琶湖を見に行かない? RETRIP 
  8. 「日本百名山」深田久弥
  9. 閲覧室|782.9 空中スポーツ
  10. 閲覧室|785.5 カヌー/カヤック
  11. 閲覧室|786.1 トレッキング
  12. 田中澄江 「花の百名山」
  13. 田中澄江 「新・花の百名山」 
  14. 滋賀の山ガイド:トレッキングの魅力と安全「滋
    賀の山を歩こう
     2015.10.09  
      

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