風蓮湖(ふうれんこ)は、北海道根室市、野付
郡別海町にまたがる湖である。野付風蓮道立自
然公園に含まれる。北海道東部・根室半島の付
け根に位置する。面積57.74km2は、日本の湖沼
では14番目の面積規模を有する。汽水湖として
はサロマ湖、能取湖に次いで北海道第三位であ
るが、周囲96kmは汽水湖としては全道一。直接
根室湾に面しており、湖面の標高は0m。主な流
入河川は風蓮川、別当賀川、ヤウシュベツ川。
湖名の由来は、アイヌ語の「フーレ・ペツ」(
赤い川)。
これは本来、流入河川の風蓮川を指した地名で
あり、川に湿原由来の赤く染まった水が流れ込
んでいたことにちなむ。湖の方はただ「トー」
(沼)と呼ばれていた。砂州である春国岱(し
ゅんくにたい)はアイヌ語の「シュンク・ニタ
イ」(エゾマツ林)が由来の地名そのままに、
砂丘に自生する日本唯一のアカエゾツ林で覆わ
れている。さらに日本国内で最大級のハマナス
の群落がある。周囲には湿地帯が広がっている
ために、食糧を得られること、陸上を徘徊する
捕食者にも襲われにくいこと、隠れ場所となる
植生が存在することなどから、タンチョウの営
巣地や水鳥の飛来地になっている。
湖とそれに伴う湿原の重要性から、日本国政府
は1993年に国指定風蓮湖鳥獣保護区(集団飛来
地)に指定した(面積7,806ha、うち特別保護
区地区6,139ha)。その後、春国岱とともに「
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に
関する条約」(ラムサール条約)が指定する湿
地の候補として選定した。2005年10月21日には
国内での登録を終え、2005年11月8日第9回会議
で正式に決定された。なおご案内の通り風蓮湖
は北海道の根室にあるわけだが、以前は本州な
どもっと暖かい所に渡って越冬していたオオハ
クチョウなどの渡り鳥が、21世紀に入ってから、
風蓮湖で越冬する個体も確認されるようになっ
た。これは風蓮湖が全面凍結しなくなったため
と言われている。全面凍結しなければ水草も食
べられるし、陸上を徘徊する捕食者にも襲われ
にくいからである。ちなみに全面凍結しなくな
ったのは地球温暖化の影響だと考えられている。
【エピソード】
【脚注及びリンク】
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1.「山内恵介公式サイト」
2.「平成21年全国都道府県市区町村別面積調 湖沼面積」