古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良市・佐紀陵山古墳

2008-02-02 09:35:08 | Weblog
奈良県奈良市山陵町御陵前、近鉄京都線・平城駅の東すぐにあります。
3基の陵墓が並んでいて、その中で一番東側にあります。
全長207m、 後円部径131m・高さ18m、 前方部幅87m・高さ12.3m の三段構築の前方後円墳です。
全国で26番目の大きさの巨大古墳です。
宮内庁が第11代垂仁天皇(イクメイリヒコ)の皇后、日葉酢媛命狭木之寺間陵として管理しています。
墳丘の周りは今も水を湛えた水濠になっています。
さらに周濠の外側には幅8~10mの周庭があります。
墳丘には葺き石が施されていたとみられています。
円筒埴輪や家形埴輪・盾形埴輪・蓋形埴輪などが採取されていて、墳丘には埴輪の配列がなされていました。
後円部頂中央にある埋葬施設は竪穴式石室で、南北に長さ8.55m、幅1.09m高さ1.48mの大きなものだそうです。
東西の側壁は割り石を小口積みし、南北の短い側壁は大きな1枚岩でもって作られているそうです。
石室内から流雲文縁変形方格規矩鏡、倭製内向八花紋鏡など鏡4面、車輪石・石釧・琴柱形石などの石製模造品が出土しています。
石室の真上から出土した埴輪のなかで、きぬがさ形埴輪は高さが1.5m、幅2mもある巨大なものでした。
この古墳は古墳時代前期の築造と推定されています。
ほぼ何所からでも観察できます。


「追記」
平成21年2月20日、考古学・歴史学系の15学会の代表による墳丘の立ち入り調査が行われました。
最下段部を観察するだけで、発掘や遺物の採取は行われていません。
約2時間かけて調査されたそうです。
陵墓への立ち入り調査は、昨年2月のすぐ近くにある五社神古墳についで2例目です。                         
                                                
                    (2009年2月22日記)

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