古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

岐阜県大垣市・矢道長塚古墳

2016-05-07 05:53:35 | Weblog
岐阜県大垣市矢道町権現前の水田の中にあります。
「ぬくもりの郷」の東隣です。


                         (左が後円部)


                         (右が後円部)


                         (前方部先端)


         (竹林になっている前方部)

  
          
全長89m、 後円部径65×54m・高さ4.2m、 前方部先端幅43m・高さ2.7m  三段構築の前方後円墳です。
後円部は昭和4年に土取りのため消滅しています。
現在消滅した後円部の跡地には、地元の人々によって顕彰碑が建てられています。


墳丘の周りには盾形をした周濠があります。
墳丘には葺石が施されていたようです。
円筒埴輪や朝顔形埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。

昭和4年の土取りの際の発掘調査で、主軸と直交する2基の粘土槨が発見されています。

後円部東側にあった粘土槨(全長5.45m、幅0.45m)は割竹形木棺による埋葬です。
棺内から中国製三角縁獣文帯三神二獣鏡・中国製三角縁波文帯三神三獣鏡・中国製唐草文帯二神二獣鏡・硬玉製勾玉3・碧玉製管玉48・ガラス製小玉多数・鍬形石3・鉄刀2・素環頭太刀1・銅鏃 などが出土しています。
棺外から鉄刀5・鉄斧・鉄鏃14 などが出土しています。

後円部西側にあった粘土槨(全長1.76m、幅0.3m)は箱形木棺による埋葬です。
棺内からは倭製内行花文鏡・倭製三角縁獣文帯三神三獣鏡・硬玉製勾玉3・碧玉製管玉245・ガラス製小玉多数・石釧76・鉄刀2 などが出土しています。
棺外からは石製合子1・石杵2 などが出土しています。

これら出土品は、東京国立博物館に収蔵されています。
なお石釧の出土数は、奈良県・櫛山古墳に次ぐ多さだそうです。

古墳時代前期・4世紀後半頃の築造と推定されています。

岐阜県の史跡に指定されています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿