古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

岡山県岡山市・金蔵山古墳

2010-10-23 08:06:13 | Weblog
岡山県岡山市中区沢田の操山丘陵にあります。

全長165m、 後円部径110m・高さ18m、 前方部幅(先端幅)72m・高さ15.5m  三段構築(前方部は二段)の前方後円墳です。
全国で54番目の大きさです。
ただ雑木林に埋もれその全容を見ることは困難です。

くびれ部の両側に造り出しがあります。
墳丘には葺き石が施されていたとみられています。
円筒埴輪、楯形埴輪、入母屋造家形埴輪、鶏形埴輪、水鳥形埴輪、短甲形埴輪、蓋形埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。

1953年春に発掘調査が行われています。
後円部墳頂に埴輪列で方形に区画された竪穴式石室が二つ並んで見つかっています。
二つとも盗掘を受けていました。

主石室は波紋岩板石を積み上げて造られていて、全長6.1m・幅1.3m・深さ0.8mあり割竹形木棺が納められていたそうです。
石室は盗掘で大きく破壊されていますが、碧玉製管玉・筒型銅器・鋤形石・鉄剣・鉄刀・鉄鉾・鉄鏃(約20本)・草綴短甲・ヤリガンナ・刀子・鎌・斧・ヤス・針・釣針など破片の状態で多数出土しています。

南石室は主石室と同じ波紋岩板石を積み上げて造られていて、全長7.2m・幅1.15~1.35mあります。
倭製変形二神四獣鏡・方格八乳鏡・碧玉製管玉・滑石製勾玉・堅櫛・鉄剣・鉄刀・鉄鏃・草綴短甲・たがね・ヤリガンナ・針・滑石刀子・土師器などが出土しています。

二つの石室は前述の通り盗掘を受けていますが、その一方で主石室の東側に未盗掘と思われる副室が確認されました。
東西0.75m・南北1.6m・高さ約0.8mあります。
中から埴製の盒子(ごうす・・・蓋付きの容器)が4つ出てきました。
中には総数で247点もの鉄製品が詰まっていました。
のみ・錐・ヤリガンナ・鋸・刀子・斧など工具が143点、鍬・鎌など農具、銛など漁具、鉾などの武具、そのほか針などがあったそうです。
盒子の外には鉄鏃・銛・櫛・釣針などが納められていたそうです。

古墳時代中期(4世紀末~5世紀初頭)の築造と推定されています。
当時、近畿より西では最大の前方後円墳でした。
岡山県の史跡に指定されています。

初めて訪ねた地で、古墳の場所が分からず困っていました。
たまたま見つけた、自宅の草刈りをしていた方に訪ねたところ、そこが古墳のある山の反対側だったようで、わざわざバイクで5分ほど山道を先導案内していただきました。
この方の親切がなかったら断念していたところでした。
ただただ親切に感謝するのみです。




      (葺 き 石)


      (主 石 室)

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