古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

大阪府柏原市・松岳山古墳

2013-04-13 08:04:58 | Weblog


大阪府柏原市国分市場1丁目の丘陵上にあります。
大和川左岸の標高約60mの丘陵上(松岳山)、国分神社の裏山です。
国分神社の参道わきから墳丘に登れるようになっています。
墳丘に登るには、国分神社に届け出(記帳)が必要です。
「まつおかやま」古墳と呼びます。
美山古墳とも呼ばれています。

全長130m、 後円部径72m・高さ16m、 前方部幅32m・高さ6m  前方部二段・後円部三段構築の前方後円墳です。
前方部を南西方向に向けています。

墳丘の周りには周濠があります。
円筒埴輪や朝顔形埴輪・鰭付楕円形埴輪 などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。
墳丘の葺き石は、普通に見られる円礫で葺くのではなく、板状の石を垂直に階段のように積み上げてあります。
近畿地方では非常に珍しい造りです。

昭和40年(1965年)、京都大学・小林行雄先生による発掘調査が行われています。
後円部墳頂にある埋葬施設は、竪穴式石室で6枚の板石による組合式長持型石棺が収められていました。
底部の頭部にあたる所は枕形に刻まれています。
石室には副室があります。
盗掘にあっていますが、鏡や硬玉製勾玉・碧玉製管玉・碧玉製丸玉・ガラス製小玉・石釧・鍬形石・鉄剣・鉄刀・鉄鏃・銅鏃・鎌 など多彩な副葬品が出土しています。
出土した鉄製の武器や農工具類の総重量は50Kgにもなるそうです。

古墳時代前期・4世紀後半ころの築造と推定されています。

大正11年3月8日、国の史跡に指定されています。

後円部には石棺が露出しています。
盗掘の際に壊された石室の石と思われる板状の石がその周りに散乱しています。
また石棺の南北には、孔のあいた大きな石が立っています。
どのような役割を担っていた石なのか興味をひかれます。


後円部墳頂近くの斜面に、「船氏墳墓」の石標が建てられています。
国宝「船氏王後首ーふなしおうごのおびと」の銅製墓誌が、江戸時代にこの墳丘から発見されたと伝えられています。




       (前方部)