古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

宮崎県西都市・松本塚古墳

2010-07-03 08:15:28 | Weblog
宮崎県西都市三納松本、三納川北側の沖積地にあります。
西都市街地から西に1.4Kmほど行った水田の一角です。
地元では「船塚」と呼ばれていて、鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)陵と言い伝えられています。
鵜葺草葺不合命は、「ニニギノミコト」と「コノハナサクヤヒメ」の子・「ヒコホホデミノミコト」(山幸彦)の子供で神武天皇の父親と言うことになっています。
西都市内では4番目の大きさです。

全長104m、 後円部径61m・高さ7.6m、 前方部幅79m・高さ8m  二段構築の前方後円墳です。
墳丘には葺き石が施されています。

1986~1987年にかけて発掘調査が行われています。
墳丘の周りに幅22~35mの盾形をした周溝・その外側には周庭が、また西側くびれ部に台形状の造り出しが検出され、円筒埴輪や朝顔形円筒埴輪が出土しました。
上記写真中央、くびれ部に造り出しがあります。
5世紀末ころの築造と推定されています。
大阪府羽曳野市にある、軽里大塚古墳(5世紀後半)と相似形をしていることで知られています。


この古墳は5世紀末に、台地ではなく沖積地に築造されているのが特徴です。
この時期(5世紀末前後)、近くの西都原古墳群を含め、周囲には松本塚古墳以外大型古墳は造られていません。
首長墓の変遷上重要な古墳であると言えます。

昭和19年3月7日、国の史跡に指定されています。
どこからでも観察できますし、墳丘に登ることもできます。
三納古墳群を構成しています。


   (南側前方部から後円部をみています。)


   (西側前方部から後円部を見ています。)


   (後円部から全体像を見ています。)