古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

鹿児島県東串良町・唐仁大塚古墳

2009-05-02 08:04:02 | Weblog
鹿児島県肝属郡東串良町新川西小村5095の低台地縁辺(肝属川上流約1Kmの左岸)にあります。
唐仁1号墳とも呼ばれています。
全長140m、 後円部径65m・高さ9.7m、 前方部幅36m・高さ3m の前方後円墳です。
鹿児島県内最大の古墳で、全国でも65番目の大きさです。
埴輪の出土はなく、埴輪の配列はなされていなかったようです。

この古墳の特徴として、
①平地の上に築かれていて、周堀の土を封土とした段差のない古墳。
②前方部が低い前期古墳。
③寄生石棺(箱形)を持っている。
④後円部の中心が削られ、石室が露出していて、その上に神社(大塚神社)が建立 されている。
⑤この古墳を中心に、放射状に百数十基の古墳が築かれている。

後円部にある埋葬施設は竪穴式石室で、周囲を板石で重ねた大きなものです。
5枚の花崗岩を持って蓋石としています。
花崗岩は、近くの国見山から運ばれたものです。
石室内は朱塗りされているそうです。
石室の深さは84cm、長さは359cm、幅は約124cmあるそうです。
石室の中央に、高山町本城産の凝灰岩製一枚石の舟形石棺が安置されています。
石棺の長さは268cm、蓋石と下石を合わせた高さは70cmあり、両端に取手が付いています。
石棺は堅固で重量があるため盗掘を免れ、これまで一度も開かれたことはないそうです。
なお蓋石は、長さが293cm、幅が87cm、厚さが30cmもあり、全国有数の大きなものです。
棺外の北側には横矧板鋲留式短甲が納めてあるそうです。
石棺と蓋石はともに一枚石で、鉄のみで丹念に細工されています。
現在石室の上には、大塚神社の社殿が建っています。

この古墳の築造時期は、5世紀後半ころと推定されています。
昭和9年1月22日、国の史跡に指定されています。
ちなみに、肝属郡は西暦713年までは日向の国の一部でした。



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(唐仁古墳群)
鹿児島県肝属郡東串良町新川西地区、唐仁、大塚、大塚原などに、合計144基(前方後円墳5基を含む)の古墳が密集しています。
古墳群は一括して、昭和9年1月22日、国の史跡の指定を受けています。