二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

アリの行列(卵をかかえて集団が疾走)

2011年07月12日 | Blog & Photo

たいへんめずらしいアリの行列を観察することができたので、
書いておこう。
上はわたしが作成したFさんのお屋敷のごく大雑把な平面図(見取り図)。
農家なのでわが家と同じように、土地の面積250~300坪くらいはある。
ご先祖は博労だったので、門口の北側に、たいへん立派な馬頭観音の石碑が祀られている。
ここは、野辺の小径のほとりに建つお地蔵さんのたぐいではなく、日清・日露の戦争に従軍し、軍功をたてた馬の遺骨がじっさいに手厚く葬られているのである。
Fさんはわたしが管理しているマンションのオーナーのお一人なので、月に1回は、会計報告などを携えてお邪魔する。

夕方五時すぎ、庭東にクルマを乗り入れ、書類を手にして玄関へ向かったわたしは、足許をおびただしい数のアリさんが行列しているにの気がついた。
アリのことはよくは知らないが、クロヤマアリと思われる大型の黒いアリさんたちであった。そのへんの庭や畑で普通に見かけるアリである。
http://www.insects.jp/kon-arikuroyama.htm

「こんにちは。・・・あれれ、すごいですね、これは。アリの大行列が玄関前を横切っていきますよ」
わたしが声を出すと、玄関の奥から奥様が顔を出し「ええ。この庭にはアリが多いんですよ。よく行列は見かけます」
「へええ、それにしても」
二人でなんとはなしに見ていると、なかなかおもしろい。


アリはハチ目の細腰亜目に分類されている。
ハチ、アリなどはご存じのように、社会を作り上げて集団で生活する代表的な昆虫。
「どこへいくんでしょうね。このあたりには巣穴が見えませんね」
「ええ。もっと向こうですね。西側の雨水マスのあたりだと思うんですよね。あのへんでよく見かけるアリですから」
わたしが図面に「A」と書き込んだのがその地点。
小さな巣穴が一個だけぽつんと孤立しているのを発見した。
アリの行列は少し離れて鳥瞰すると、こんな形になる。



これもごく大雑把な形状をまねただけだから、厳密に観察したら、興味深い法則性があるのかもしれない。
なんとなく、銀河系の円盤を連想させる。
先頭をいく小集団、真ん中あたりがボリューム・ゾーンで、たくさんのアリがひしめきあって走っていく。
体長からいえば、カール・ルイス並のスピードといっていいだろう。はぐれてトンチンカンな方向へ走っていくお間抜けさんもいる。
そうしてしんがりをつとめる小集団。
2:6:2の法則性はもっているように見える。
「新たに女王アリでも生まれたんでしょうか。ミツバチのように、巣分れするんでしょうかねぇ?」
「そうそう。そうかもしれないですねぇ。年に数回は、こういった行列を見ますね。あちらにはたくさん巣穴がありますよ」
あちらというのが、平面図でいえば、「B」地点のこと。そのすぐ近くには大きなサンシュユの木がある。

やがてアリの大集団は、たった一個の孤立した小さな巣穴に呑まれて消えた。
アリの戦争かとも思ったが、戦いの光景はまったく見られなかった。
驚いたのはその直後。
1分もしないうちに、アリたちが、卵をくわえて、「A」地点の巣穴からつぎつぎと出てくるではないか。
そしていった道をとって返す。
わたしにはあとになってわかったのだが、彼らは一匹、一匹が卵をくわえ、一心不乱に東へ向かい、ひたすら「B」地点を目指して行軍していくのである。


これが「A」地点。


こちらは「B」地点。この間の距離は12~13m。


数百匹のアリがすべて卵をくわえている光景を、わたしははじめて目撃し、いささか興奮した。腰のポッシェからCX4を取り出して撮影。行列も撮ってはみたが、小さすぎて、この程度の画像ではとうてい判別不可能。
卵をくわえたアリたちは、やがて「B」地点の巣穴にすべて入っていった。
漏斗の中心に米粒が吸い込まれていくようなスピード感!!
しかし、それで終わりではなかった。
さらに観察をつづけると、また無数というに近い数のアリが、巣穴「B」から出てきたのである。彼らはむろん、巣穴Aを目指して、一心不乱に走りはじめた。Aの巣穴にまだ残された卵があるのである。

しかし・・・さすがにここいらで観察を切り上げ、仕事の話にもどった。
ここまでで20分くらいは経過している(^^;)

わたしは昨年ぐんま昆虫の森で見かけたミツバチの分蜂(ぶんぽう)事件を思い出した。
こっちはそれほどめずらしくはないだろう。

これがそのときの一枚。
こういった「分蜂」は図鑑にその事例が掲載されていたし、TVでみたこともある。
新女王が誕生すると、これまでの女王が巣を出て、ほかに移動する。他のハチがそれを追い求めて、木の枝などに密集するのである。


(2010年6月ぐんま昆虫の森にて)

しかし、こんなアリの卵をかかえた大移動ははじめて眼にする。
「わたしもこんなのを見届けたのははじめてだわ」とFさんの奥様も眼を丸くしていた。
いまからふり返ってみると、貴重な20分だったように思える。
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