手伝う、教えるという場面で、わたしはユーモアや言葉の力を利用して
子どもの意欲が高まったり、我慢が持続するようにサポートしています。
発達の凹凸のある子たちのレッスンで、こんなことがありました。
水遊びの道具を工作していたため、セロテープではなくビニールテープを
使用していました。
すると、セロテープのようにハサミで簡単に切れないものですから、
ひとりの男の子が「切れない!切れないよ、もう!いやだ、こんなの!」と
かんしゃくを起こしかけていました。
そこでわたしが、
「だって、そのテープは、セロテープよりパワーがあって強いんだもの。
●くんにね、どうせ切れないだろう、切れるもんなら切ってみろ、おれさまは
強いからなって挑戦しているのよ」と言うと、この子は笑いだし、それからは
弱音を吐かずにがんばってやり遂げていました。
うまく切れなくて、まるではさみがテープと決闘でもしているように
見える度に、含み笑いをしながら、いきいきと取り組んでいました。
工作を「提案する」という場面では、次のような点に注意していると、
子どもは意欲的に能動的に振舞うようになってくると感じています。
子どもがやる活動がどんなにささいな小さなものでも、
子どもがその結果から得る楽しさや満足感が大きなものになるようにするのです。
写真は、子どもが型で抜いたハートを紙に貼ったシーンです。
お母さんがそれを利用して、太陽が登って沈んでいくプラネタリウムを演じたり、
なぞなぞクイズをしたりして遊んであげています。
写真は、アイスのカップにポリテープを貼って、本人いわく
「宇宙船」(わたしはくらげかと思ってましたが……)を作ってきた一シーンです。
宇宙船にストローを貼って、ひもを使って空中を動かしています。
幼い子や工作体験の少ない子ほど、
小さい労力で多くの満足感が得られるようにしてあげないと、
「もっともっと、こんなこともしてみたい」という気持ちを膨らませたり、
がんばりを持続させたりするのは難しいからです。