虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの能力を引き出す幼児教育  ダメにする幼児教育 7

2011-06-01 18:49:41 | 幼児教育の基本
さまざまな幼児教育法が飛び交っていて、
「あれが良さそう」「これがお得」と選んでいるうちに、
弊害があるという噂を聞いたり、自分の子に合わなかったりして、
何が何だかわからなくなって、何もしないまま時が過ぎています……

そんな声をちらほら耳にします。

「子どもに何をさせようと親の自由」と語る学者もいて、
「幼児期は勉強なんかさせずにたっぷり遊ばせたらいいのよ」と力説する先輩主婦もいて、

「何をしてもしなくても、結局、いっしょ なんじゃない?
いっそ自己流で適当に育てちゃおう!」

そんな気持ちに行きつく親御さんたちがいても不思議ではありません。

確かに3歳までに英語を聞かさなかったとしても、
就学するまで計算やひらがなを教えなかったとしても、
0歳から先取り学習をしていたという子たちと
先々、能力の差はなくなるかもしれません。

けれども、
水と光がなければ、ほとんどの植物か枯れてしまうように、
幼児にとって基本的で必要不可欠な学びが欠けてしまうと、
それは発達不全となって、
その子の将来に後々まで悪い影響を及ぼすものも
あるのです。

現在は、そうした子どもの成長に絶対必要なものが、
他のどうでもいい情報にまぎれて見えなくなったり、
環境そのものが、子育てに不向きなものに変形していたりするので、
あえて当たり前のことに真剣に意識を向けていないと、
大変なことになるかもしれないのです。

そこで、私が考える
「幼児の成長に必要不可欠なもの」と、
「弊害をもたらす危険だと思われるもの」を、
一度、言葉にして整理しておくことにしました。


<幼児に必ず必要だと思われるもの>

★自由な探索活動  (身体で空間を感じ取る体験も含みます)

★五感を使う体験 (感覚統合を育てる体験も含みます)

★愛着

★親と子の濃密なコミュニケーション

★遊び


★想像力と創造力を育む体験


★親愛を込めて、心のこもった言葉で話かけること


★人と交流 友だちとの遊び

★感情を認めること ネガティブな感情も表現させること 感情の処理方法を教えること

★リラックスできる場所と時間

★脳の発達の自然なパターンにそった活動に適切な支援を与えること



<幼児期に適度にあるといいもの>

★絵本の読み聞かせ

★自然との触れ合い

★積み木やブロックのような、能動的に関われるおもちゃ

★身体を使った運動

★日常生活でさまざまなものに出会うチャンス

★感覚的な入力を言葉とつなげるように支援する

★原因と結果を結びつけることができる子どもにわかりやすい体験

★新しいことへの挑戦を励ますこと

★お手伝い

★注意を向けて集中することをうながす課題

★歌う 音楽を聴く リズムに乗る

★絵を描いたり、物を作ったりする。

★身のまわりの不思議への関心をうながす



<幼児に害を与えると思われるもの>

★過剰期待


★親の不安にもとずく過保護(子どものすることを先にしてしまう。ミスさせない。挑戦させない、けがやけんかを恐れすぎる)

★過干渉(つきまとって指示を与える。子どもが自分自身で心的なパターンを形成することができない)

★放任や無視 親の精神的な不安や怒りを子どもに投影する

★忙しすぎるスケジュール

★体罰 言葉の虐待

★過度に窮屈な訓練

★未成熟で不適切な神経ネットワークを酷使させること

★子どもの年齢にちょうど適した体験を与えない

★受動的な体験が多すぎる

★刺激が多すぎる体験









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