虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

無事、シアトルでの工作のワークショップが終わりました

2011-12-17 22:58:23 | 日々思うこと 雑感

無事、シアトルでの工作のワークショップと座談会が終わりました。

ワークショップの様子はアメリカからの帰宅後に、写真で紹介しますね。

 

★ (科学)   「動き」を作りだす力

★ (算数)   「平面」から「立体」へ

をテーマに、工作を楽しみました。

 

子どもたちや親御さんも大喜びで物作りを満喫していたのですが、

ワークショップの内容に

誰よりも感激してくださったのはお借りしていた幼稚園のオーナーさんでした。

前にも書きましたが

このオーナーさん、博士号を取って10年以上科学者として

働いておられた方です。

 

ご自分で就学前の子どもたちに

科学をテーマにしたさまざまな体験をさせておられます。

その取り組みがどれもすばらしくて、

きっと子どもの頃から知的好奇心を探究することが、

心底、好きでたまらなかった方なんだな~、と思います。

 

わたしのワークショップを見学していただいたところ、

子どもたち以上に「からくり」にびっくりして、どんな仕組みで動いているのか

不思議がったり、

子どもたちの発想やわたしとのやりとりを面白がったりして、

こちらが恐縮してしまうほど喜んでくださいました。

あちらの幼稚園でのレッスンに使ってくださるということで、

虹色オンライン教材(工作)を見てくださるそうです。

いろんな場所で、いろんな縁があるもの……と驚いています。

 

工作の後に、親御さんたちとの座談会をしました。

 

座談会のテーマは前回の記事でも取り上げた「その子らしさ」

に気づいて、認めるということ。

 

ちょうど工作の後だったので、それぞれの子の作品を見ながら、

 

「この子は他の誰も思いつかなかったようなテーマで、独創的な作品を作る」

「この子は、いくつかの課題を組み合わせて、アレンジするのが上手」

「この子は、積極的で学び取ろうとする態度がすばらしい。作品は他の人から見た面白さも

工夫してある。」

 

など、良いと思う面を指摘していきました。

 

それから、子どもを褒めるときは、

「上手!」とか「よくできたね」といった漠然とした褒め方ではなく、

具体的な言葉で伝えていくことが大事、とお話しました。

そうすることで、

子どもが自分はどんな子なのか、

どんなすばらしい長所を持っているのかということに敏感になって、

自己肯定感が育っていくからです。

 

滞在先のAさんが、

後からこんな話を聞かせてくれました。

 

座談会の後、Aさんんと他の親御さんが

園庭で子どもを遊ばせていたときのこと。

 

「子どもを誉める時、もっと具体的にって話を聞いた後だから緊張してしまいますね」

といったことを他の親御さんが笑いながら話しておられたそうです。

 

Aさんも「そうそう」とうなずいていた矢先、

ちょうどカナダから参加してくれていた男の子が

球形のジャングルジムのてっぺんまで登れたことがうれしくって

「見て!見て!」と繰り返していたそうです。

 

Aさんは、ふっとその子が座談会の間もずっとそれにチャレンジしていた姿を思い出して、

「みんながいなくなっても、ひとりぼっちになっても、

長い間できるまでがんばっていて、あきらめないのがすごいね」と声をかけたのだとか。

 

すると、それまで「すごいね~」「上手、上手」「足が良く上がってる」といった賞賛の声には

チラッと振り向く程度だったその子が、

表情を輝かせて

しっかりとAさんを見たそうなのです。

 

たいして考えもせず口にした言葉だったのに、

言った瞬間、

Aさんにはその子の姿が

パッと見えたように感じたのだそうです。

 

「その子らしさ」の輪郭をはっきりつかんだような気持ちです。

 

その子の心に響く「その子らしさ」を誉める言葉を伝えると、

その子がパッと見えることがあるんだ~と驚いたそう。

 

Aさんの話を聞いて、わたしの目にも

工作のときも、学習タイムも、

ゆっくりしたペースで取り組むものの

最後までニコニコした笑顔を絶やさず心から楽しそうに参加していた

その子の姿がはっきりと浮かびました。

 


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あすきち)
2011-12-19 21:05:35
先生、今回も、とても興味深く拝読しています。
その子らしさが何なのか・・ぜひ知りたいと願い、探している最中です。きっとずっと探していくのだと思います。
先週、園の担任の先生に「息子らしさってどういう点でしょうか?」と聞いたら、「それは私が決め付けられることではないので、言えない。」と・・(??)
私の聞き方が悪いのかなと思い、「園という集団のなかで、彼の良いところ」「個性」などなど言い換えてみたのですが、「決め付けられない」と言われるばかりで・・(T T)
息子らしさを知りたくて、先生の意見を参考にしたいと思ったのですが、うまく聞けませんでした。
母は「クラス全体を見てて、個人を見てないから、わからないの。答えられないのよ」と言っていました・・。
やはり母の私がよーくみて気づいてあげないとだめですね。がんばります!

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