虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ワガママな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいのでしょう?  6

2013-09-30 22:07:27 | 幼児教育の基本

前回の記事の終わりに、「具体的な内容は、続きの記事で書かせていただきますね」と書いておきながら、

★くんのお母さんのコメントにあった合気道の話がとても興味深かったので、少し脱線して紹介させてください。


★くんのお父さんもお母さんも合気道の世界に本格的に取り組んでこられた方々です。

おふたりの師範は合気道の世界ではトップクラスの実力者で、海外にもあちこち指導にいかれている方でなのだそうです。
その方の言葉に、

「自分で気づいている欠点は欠点ではありません。それは怠慢です。

気づいていない欠点を探す事が本当の修行ではないでしょうか」というものがあって、

若い頃の★くんのお母さんは頭を打たれたような気持ちになったそうです。


「あくまでもわたしたちの師範の目指す合気道の話です。」という前置きをされた上で、合気道について

こんな話を教えていただきました。

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合気道は普通とは全く異なる体の使い方をします。
年配者や女性、子どもに向いていると言われる所以でもあります。
身体能力の高い人が必ずしも達人にはならず頭打ちになる事も多々あります。
試合がありません。


我をすてること、力で割って入らない事、が最も重要です。


私は本当に性格的には向いていないのです。
合気道で自分の思い込みを壊す事、気づかない欠点を知る事で

世界がキラキラ輝いて見えるような変化を何度も体験してきました。
素直になれ、壊せ、信じろ、といった世界でした。


守破離はどんなものにもつきものですが、
合気道は正解や強さが解りにくいというか、試合がなく白黒つきにくいため、

気とか精神論で誤摩化し、摩訶不思議なものように伝えられる悪徳商法のような道場もたくさんあります。

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合気道の世界で大切だとされている

「我をすてること、力で割って入らないこと、

自分の思い込みを壊すこと、気づかない欠点を知ること」は、

子育ての中で、思い通りにいかない事態に何度も直面しながら、

体験したり、気づいたりしていくことでもあります。

 

でも同時に、子育てでは、

自分をしっかり持って、親としての力をはっきり示して、決定権が子ではなく親にあることを教えること、

思い込みにも見える子どもを信じる気持ちを保つこと、親も子も欠点を直すのではなく受容していくことが

重要でもあります。

 

子どもを育てていく過程は、そんな風に矛盾だらけです。

だから難しいし、だから面白くて魅力的でもあるんでしょうね。

 

「ワガママな振舞いが目立つ子」に対するわたしの気持ちも

それと同様、相反する矛盾したものが入り混じったものです。

 

一方では、その子の頑固さやしつこさや、親の心の隙につけいったり、

感情を操作して振り回したりする態度が、

その子の体験を狭め、同年代の友だちから遠ざけてしまうことを苦しく思い、

身近な大人として、きちんとしつけていかなくては……という責任感を感じています。

 

でももう一方では、そうした激しい気性や気難しさや過敏さを持っている子たちを、

特別にかわいく思い、

その子たちが、体験の中で鍛えられていって、非常に魅力的でしっかりした子に成長していくことを

信じてもいるのです。

実際に、そうした成長を遂げていった子たちとたくさん付き合ってきたからでもありますが。

 

次回に続きます。



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1 コメント

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人生いと奥深し・・。 (ぽんみかん)
2013-10-02 14:08:23
未熟者の意見を取りあげていただき、恐縮です。
(諸先輩方が見ておられましたら申し訳ございません!)
「思い込みにも見える子どもを信じる気持ちを保つこと、親も子も欠点を直すのではなく受容していくこと」
読んで、胸にこみあげてくるものがありました。
今のご時勢、ママ友関係も空気を読まないとやっていけないようですね。
親同士でいじめがあったら子どもになんて教えるんだと思いますが、ドラマだけの話ではないようです。
ユースホステルでの他のお母様方のお話も田舎の私には衝撃的なものでした。

ときどき、「モンスターペアレンツになるくらいの度胸がないと、本当に子どもの味方になってあげられないのかもしれないね」なんて友人と話すのですが、
子育てというジャンルだけでも正しさって人によって全く正反対なので、いろいろと難しいなと思います。

実世界ではみな本当の事は言わず、空気を読んで、ネットでは言いたい放題、批判し放題、何か変だなと思う事もよくあります。

「こちらの意志が伝わる態度とシンプルな言葉は、
その都度ブレなければ、いずれ子どもの心に届きます。」
「子どもは親が何を良いことと思っていて、何を悪いことと感じているか、
何に対して、どんな感情を抱いているのか、
親の態度や感情を通して学んでいきます。」

すごく心に響いた言葉です。
先生にレッスン時に「あっさり!」と言われたときにも視界が開けたようなさわやかさを感じました。

やんちゃくんの記事が好きなのですが、うわーー、これは自分に全くないかも!?と思った言葉、もう一度思い返してみたいと思います。

『やんちゃくんを相手するとき、周囲の大人がしめす必要がある態度は、快活さ、リーダーシップ、決断力、強い意志、やりぬくエネルギー、好奇心、疲れ知らず、機敏、集中力、潔さといった態度だと思っています。』
『けれども意志がはっきりしていて、ぶれたり揺れたりしない相手には、気持ちがいいほど「潔い」態度で返してきます。』

それにしても、我々両親は「まだまだ修行が足らんね・・」と、とほほ・・な状態なのに、一つ気づきがあると、子どもはぐん!!と成長しますね。
まったく、いつだって子どもに育てられている気持ちです。
周りの人に生かされいる事に感謝して、また今日からがんばります!

合気道と言えば、先日道場の子どもの審査で素敵な出来事がありました!本当におかげさまです!!
長くなりましたのでまたの機会にご報告しますね!


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