★くんの話の続きの前に少し前置きをさせてくださいね。
子どもの個性に合わせて知的な働きかけ方を変えるというのは、
すごく難しいように思えますが、
ひとつ簡単なコツがあります。
何かしている子どもに
「最初に声をかけるときの内容やタイミング」に注意するということです。
どうして、「最初に声をかけるときの内容とタイミング」が大切なのかというと、
次のような理由があります。
たいていの親御さんは、
親の願望とか親の動機とか、親の目に映ったものとか、
親の内面から出てくるもので、
子どもとの会話を始めようとします。
でも、子どもはぼんやりしているように見えるときも、
子どもなりの興味のある切り口で世界を眺めているし、
子どもがしてみたいことを「やってみようかな」と考えています。
幼くても、
子どもなりの見え方とか、子どもなりの面白さとか、子どもなりの動機や価値観を
ちゃんと持っているのです。
でも、親御さんの興味や願望から声をかけられると、
まだ自分の意志や思考を保つことはできませんから、
目的を定めたり、イメージしたり、考えたりするのをやめて、
親御さんの声の通りに動こうとします。
すると、とても気が散りやすくなるし、気持ちのこもらない取り組み方をするようになります。
といっても、親だって親自身が目にしているものを子どもと共感しあいたいし、子どもにあれこれ見せてあげたい、教えてあげたいと思いますよね。もちろん、それは構わないし、子どもにも、いい刺激になることも多いです。
でも、やっぱり、最初の声かけでは、それはしてはいけないと思うのです。
あたり前のように、「みてみて、●●ちゃん」「●●ちゃん、これしてごらん」「●●ちゃん、あれなあに?」と
言い続けている親御さんの子は、
何でも親に頼って自分で行動したり考えたりしなくなったり、
メタ認知力が弱くなったりするように思います。
また、子どもの個性的な長所が弱まったり消えたりするようにも思います。
なら、どのようにして声をかけるといいのでしょう?
その子が世界にどのような関心の向け方をしているのか、
どのような視点で見ているのか、
どのような態度でいろいろなものごとに関わろうとするのか、
まず子どもが発信するものをしっかり受信して、最初のうちは、親の言葉はほんの少しでいいと思っています。
「シャワーのように言葉を聞かせないと、知能が発達しないのでは?」と心配する方もいますよね。
もちろん、子どもは親の言葉をたくさん聞きたがります。
でも、子どもが親に聞かせてもらいたがるのは、
自分の関心があることを、
上手におしゃべりできるようになるために必要な言葉です。
自分の考えていることの気を散らすようなことばかり、
山ほど耳にしたいわけではありませんよね。
大まかに分類すると、子どもたちは、
感覚が優れている子、思考が優れている子、
直観が優れている子、感情が優れている子という性格タイプによって、
親から最初にかけてもらいたいと思う言葉がちがっているように思います。
それにとらわれる必要はないけれど、参考にすると、いつも子どもの気持ちを無視していないか
気づきを得ることができますよ。
感覚が優れている子たちは、たいてい、まずどんな色でどんな形状で、どのような順序で動いているのか、
計測するように観察することから
関わり始めます。
それから、それを「やわらかい」とか「冷たい」とか「赤と青のしましま模様」など、それを形容する言葉を
話題にしたがります。
親御さんにも、そうした細かい五感で感じ取る差異を表現する言葉を使ってもらいたがります。
感覚タイプの子には、秩序だった分類を好む子と、音や光の美的センスに敏感な子がいます。
「そうしたタイプによって、自分が言いたい言葉も親に使ってほしいと思う言葉もちがってくる」と知っていると、
まず、子どもが関心を持っている話題でたくさん話をしてから、
親の言いたいこともいう……というバランスが取れてくることと思います。
直観タイプの子でしたら、動きがあって、仕組みについて表現する言葉を好む子が多いです。
理由を探求するための言葉も使ってもらいたがります。
「エレベーター、あっ開いちゃった、あっ閉まっちゃった。どうしてかな?あれぇ?」とか
「上にどんどん、上にどんどん上がったねぇ。Aちゃんが、引っぱったら、カゴが、
バイバイって上に行っちゃうね。どうしてかな?」と問いかけて、
すぐに答えを出さずに「どうしてかな?」と探求しつづけることを好みます。
思考タイプの子たちは,
いろいろやってみる前に自分で結論づけたり、仮説をたてたりするのが好きな子が多いです。
2歳くらいの子でも、このタイプの子は、「ああ、虫さん行っちゃったね。太陽があるからね、暑いよ~暑いよ~って、行ったんじゃない?あのね、虫さんはね、~~なんだよ。だからねうんぬんうんぬん~」と延々とひとりでしゃべり続けています。
会話するというより、自分の考えを説明するように話します。
見ることよりも、自分の中に浮かんでくる考えに興味を奪われているように見えます。
思考タイプの子には、自分で考えるのが好きなので、
正しい知識を与えて、考える意欲をなえさせず、
質問したり、相槌を打つときに、新しい語彙が増えるように
親御さんがいろんな言葉を使う工夫が必要だと思います。
感情タイプの子はとてもおしゃべりで会話好きです。人の気持ちを表すことばや、実体験に基づく言葉や
ごっこ遊びで役立つ言葉が好きです。
「先生がね、お菓子ちょうだいって言ったら、●ちゃんが、いやよって言って、先生がもう一回ちょうだいって言ったら、またい~や~よって言ったのよ。悲しいな~悲しいな~えーんえーんって泣いたのよ」
といった感情の動きや人と人のやりとりを含んだ話を聞きたがります。
上の例は幼い子たちへの声かけの例ですが、
もちろん少し大きな子たちにも、その子たちの性質に合わせて
言葉を選ぶと、
喜んで話に乗ってきて、懸命に頭を使って考えはじめることがよくあります。
特に、最初の言葉は子どもの関心のあることから始めるようにすると、
キラキラした眼の輝きや集中力が変わってきますよ。
次回に続きます。
子どもの個性に合わせて知的な働きかけ方を変えるというのは、
すごく難しいように思えますが、
ひとつ簡単なコツがあります。
何かしている子どもに
「最初に声をかけるときの内容やタイミング」に注意するということです。
どうして、「最初に声をかけるときの内容とタイミング」が大切なのかというと、
次のような理由があります。
たいていの親御さんは、
親の願望とか親の動機とか、親の目に映ったものとか、
親の内面から出てくるもので、
子どもとの会話を始めようとします。
でも、子どもはぼんやりしているように見えるときも、
子どもなりの興味のある切り口で世界を眺めているし、
子どもがしてみたいことを「やってみようかな」と考えています。
幼くても、
子どもなりの見え方とか、子どもなりの面白さとか、子どもなりの動機や価値観を
ちゃんと持っているのです。
でも、親御さんの興味や願望から声をかけられると、
まだ自分の意志や思考を保つことはできませんから、
目的を定めたり、イメージしたり、考えたりするのをやめて、
親御さんの声の通りに動こうとします。
すると、とても気が散りやすくなるし、気持ちのこもらない取り組み方をするようになります。
といっても、親だって親自身が目にしているものを子どもと共感しあいたいし、子どもにあれこれ見せてあげたい、教えてあげたいと思いますよね。もちろん、それは構わないし、子どもにも、いい刺激になることも多いです。
でも、やっぱり、最初の声かけでは、それはしてはいけないと思うのです。
あたり前のように、「みてみて、●●ちゃん」「●●ちゃん、これしてごらん」「●●ちゃん、あれなあに?」と
言い続けている親御さんの子は、
何でも親に頼って自分で行動したり考えたりしなくなったり、
メタ認知力が弱くなったりするように思います。
また、子どもの個性的な長所が弱まったり消えたりするようにも思います。
なら、どのようにして声をかけるといいのでしょう?
その子が世界にどのような関心の向け方をしているのか、
どのような視点で見ているのか、
どのような態度でいろいろなものごとに関わろうとするのか、
まず子どもが発信するものをしっかり受信して、最初のうちは、親の言葉はほんの少しでいいと思っています。
「シャワーのように言葉を聞かせないと、知能が発達しないのでは?」と心配する方もいますよね。
もちろん、子どもは親の言葉をたくさん聞きたがります。
でも、子どもが親に聞かせてもらいたがるのは、
自分の関心があることを、
上手におしゃべりできるようになるために必要な言葉です。
自分の考えていることの気を散らすようなことばかり、
山ほど耳にしたいわけではありませんよね。
大まかに分類すると、子どもたちは、
感覚が優れている子、思考が優れている子、
直観が優れている子、感情が優れている子という性格タイプによって、
親から最初にかけてもらいたいと思う言葉がちがっているように思います。
それにとらわれる必要はないけれど、参考にすると、いつも子どもの気持ちを無視していないか
気づきを得ることができますよ。
感覚が優れている子たちは、たいてい、まずどんな色でどんな形状で、どのような順序で動いているのか、
計測するように観察することから
関わり始めます。
それから、それを「やわらかい」とか「冷たい」とか「赤と青のしましま模様」など、それを形容する言葉を
話題にしたがります。
親御さんにも、そうした細かい五感で感じ取る差異を表現する言葉を使ってもらいたがります。
感覚タイプの子には、秩序だった分類を好む子と、音や光の美的センスに敏感な子がいます。
「そうしたタイプによって、自分が言いたい言葉も親に使ってほしいと思う言葉もちがってくる」と知っていると、
まず、子どもが関心を持っている話題でたくさん話をしてから、
親の言いたいこともいう……というバランスが取れてくることと思います。
直観タイプの子でしたら、動きがあって、仕組みについて表現する言葉を好む子が多いです。
理由を探求するための言葉も使ってもらいたがります。
「エレベーター、あっ開いちゃった、あっ閉まっちゃった。どうしてかな?あれぇ?」とか
「上にどんどん、上にどんどん上がったねぇ。Aちゃんが、引っぱったら、カゴが、
バイバイって上に行っちゃうね。どうしてかな?」と問いかけて、
すぐに答えを出さずに「どうしてかな?」と探求しつづけることを好みます。
思考タイプの子たちは,
いろいろやってみる前に自分で結論づけたり、仮説をたてたりするのが好きな子が多いです。
2歳くらいの子でも、このタイプの子は、「ああ、虫さん行っちゃったね。太陽があるからね、暑いよ~暑いよ~って、行ったんじゃない?あのね、虫さんはね、~~なんだよ。だからねうんぬんうんぬん~」と延々とひとりでしゃべり続けています。
会話するというより、自分の考えを説明するように話します。
見ることよりも、自分の中に浮かんでくる考えに興味を奪われているように見えます。
思考タイプの子には、自分で考えるのが好きなので、
正しい知識を与えて、考える意欲をなえさせず、
質問したり、相槌を打つときに、新しい語彙が増えるように
親御さんがいろんな言葉を使う工夫が必要だと思います。
感情タイプの子はとてもおしゃべりで会話好きです。人の気持ちを表すことばや、実体験に基づく言葉や
ごっこ遊びで役立つ言葉が好きです。
「先生がね、お菓子ちょうだいって言ったら、●ちゃんが、いやよって言って、先生がもう一回ちょうだいって言ったら、またい~や~よって言ったのよ。悲しいな~悲しいな~えーんえーんって泣いたのよ」
といった感情の動きや人と人のやりとりを含んだ話を聞きたがります。
上の例は幼い子たちへの声かけの例ですが、
もちろん少し大きな子たちにも、その子たちの性質に合わせて
言葉を選ぶと、
喜んで話に乗ってきて、懸命に頭を使って考えはじめることがよくあります。
特に、最初の言葉は子どもの関心のあることから始めるようにすると、
キラキラした眼の輝きや集中力が変わってきますよ。
次回に続きます。
年少の男の子ですが気が散りやすくて、興味が次々移ります。好奇心旺盛というよりまさに気が散るという感じで。。
私の(不適切な)声かけが多いからかもしれません。
次回記事を楽しみにしています!
子供の性格タイプがわからなくて(感情タイプではないと思います)
過去記事を参考にどれかなーと考えていますが、もし参考になる本があれば紹介していただけるとありがたいです。
また、夏休みの過ごし方でお勧めなどあればアドバイスお願いします。
せっかくだからと短期の英語教室(勉強ではなく、楽しむ内容のもの)など、園とは違うことをしてみたらと思っています。
過去記事で幼児期の習い事には注意が必要(習い事より普通の日々の過ごし方を大切に)という話題がありましたので。。
5歳の息子は感覚の部分がよく出てきている気がします。
今は仮面ライダーのちっちゃな人形をキレイに並べることが日課になっており、少しでも崩れると怒ります。
幼稚園の行き帰り、毎日同じ道を通りたがって、ツバメ、メダカ、犬に挨拶し、トウモロコシやカボチャやひまわりの成長具合を見たがります。
息子が何に注目しているのかをよく観察して、声かけしたいと思いました。
子どもが寝たあともゆっくりお話をうかがうことができて、親にとってもとても勉強になることの多い二日間でした!(自分の親ばかぶりにも気づかせてきただきましたし・・・)
虹色マジックでしょうか・・・?レッスンの後は子どもの様子がいつもと違うような気がします。
昨日も帰宅するなり、新幹線と特急の乗り継ぎで疲れたはずなのに、ブロックで今までで一番の大作を作りました。
内向思考の感覚寄り?と言っていただいた息子らしく、「これがいいと思うの、こっちはこれがいいと思うの」とぶつぶつ言いながら・・・
レッスンの中で、一般論のアドバイスに従ってもダメでその子にあった働きかけを、というようなお話がありましたが、うちの子は何々タイプだからこれこれなら間違いないわね、というのが私の陥りやすい思考停止です。
レッスンやブログは単にきっかけにすぎず、あとは親が子ども自身を深く見ていくように気をつけなければいけませんよね。反省しきりです。
本当にありがとうございました。
K様にもよろしくお伝え下さいませ。