虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

年少さんたちがフロー状態になりやすい工作 

2016-06-22 18:20:45 | 工作 ワークショップ

ずいぶん前になりますが、

ピタゴラスイッチ研究部とフローという記事を書いたことがあります。

その後、時折、「子どもがフロー状態になるような遊びってどのようなものですか?」

という質問をいただくことがありました。

子どもって、「その年齢の敏感期に合致していること」や

「その子にとって少しだけ難しいけれどがんばればできること」や

「その年齢の子の思考の仕方の発達と関わること」でやっていることに

のめりこむ状態になりやすいです。

 

 

年少さんたちの好きな物作りに、「空間を囲う」というものがあります。

その前の段階の子たちが何か作る時は、やたらと切り刻むとか、

紙を折りに折ったあげくテープで完全密封するとか、

空間とは無縁の隙のなさが感じられるのですが、

年少児になると、突然、何もない空間を物作りに取り入れだす子は多いです。

 

といって凝ったものではなく、

紙コップを半分くらいの高さに切ただけとか紙を折ると偶然四角い枠が

できたから「お風呂」と命名するような簡単なものですが……。

ぬいぐるみの人形や身体を覆って、帽子や靴や洋服などを作ったりする作業も、

この時期の子たちの専売特許です。

 

 

でも、簡単とはいえ、覆うべき中身にあたる部分を想定して、

その囲いや覆いや容器にあたる部分を作るという感覚は、

この時期の前の段階の子らには想像だにしないもののようで、

幼児の内面である能力が発達しつつあるのを目で確かめているような気になります。

 

うさぎ小屋をブロックで作っていた年少の3人。

ひたすら、囲っています。

 

 

年少さんたちは、プレ年少の子たちが好む「切り刻む作業」もまだまだブームです。

切りだすととまらなくなって、おそろしい勢いで溜まっていきます。

でも、プレ年少の子らと年少の子の違いは、

そうして切り刻んだもので遊ぶ際に、「うさぎが食べ過ぎたらいけないから、

月曜日、火曜日、水曜日……って、えさを分けておこうね」といった

アイデアが強く響くところです。

こういう秩序のあることや分けることに惹かれます。

 

くるっと回すとお塩が出てくる仕掛け。

 

牛乳パックのジュースサーバー。

 

レジで遊ぶ時、おりがみ等で「さいふ」を作り、お金を出し入れするのも好きです。

商品に「はいっ」と購入済みのシールを貼るのをセロテープで代用するのをとても

喜んでいました。

 

100円と50円の自動販売機。

折り紙を半分に折ったものをくるっと丸めると

3、4歳児にちょうどできるレベルの缶ジュースになります。

100円のジュースと50円のジュースはサイズを変えます。

 

手動の自動販売機は、お金を見て、ジュースを出す機械の役も楽しいです。

 

年少のAくんが夢中になっていた落とし穴作り。

囲いの上にティッシュを乗せて、上からブロックで囲います。

 

ティッシュにお金をくり抜いた残りの折り紙を貼ってブロックの囲いに取りつけると、

本当に発掘できる発掘現場になりました。

大阪城内めぐりに参加していた2歳のBくんが、これを見て、「はっくつ!」と

思いだしてつぶやいていました。


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