虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの好きなものに敏感になる

2018-08-03 07:51:47 | 子育て しつけ

子どもの好きなものに敏感になる

 

子どもが好きなもの。

好きなおもちゃ、好きな色、好きな感触、好きな活動、好きな展開、

好きな景色、好きな言葉。

身近な大人がその子独自の「好き!」に敏感になることは、

その子の潜在能力を最大限に伸ばす手助けとなります。

また、子どもにとって毎日がわくわくの連続となり、

何にでも意欲的に真剣に取り組む態度がはぐくまれます。

 

子どもの「好き」に敏感になるということは、

ただアニメのキャラクターが好きだとか、果物が好きといった

漠然とした把握の仕方ではなくて、

「どんどん物を積んでいくときの……あっ今にも落ちそう、

ヒヤヒヤするなぁといった場面で、

この子いつも真剣な表情になっているな。崩れた時は大笑い。

ヒヤヒヤドキドキするような手に汗握るような展開が好きなんだな~」

「この子は自分のアイデアに耳を傾けてもらった時、一生懸命になるな」

「この子は自然の美しさに敏感だな。落ち葉を踏みしめる感触まで楽しめる

感性を持っているな」

「この子は虫や動物が大好きだな。その動きをいつまでも観察している。

生き物がどんな暮らしをして、何を食べて、どんな活動をしているのか、

喜んで想像しようとするな」

というように子どもの好みをよりていねいに眺めることです。

子どもが好むものというのは、その子の感性や才能やその時期必要としている

発達上の課題と結びついているものです。

たとえば、いつも道の縁の段差になっている部分を歩きたがる子がいるとすると、

その「好き」は、

その子の身体能力の高さを表しているのかもしれないし、

ちょうどバランス感覚が急成長する時期なのかもしれないし、

ちょっとドキドキするようなことが好きな

チャレンジャーな性質がそうさせているのかもしれません。

そのいずれにせよ「またぐずぐずして!はやく、はやく!」と急かして進むのと、

「この子は今、こういうことが好きなんだな」と気づくのとでは、

その後のその子の成長はずいぶん違ってくるのです。

現実には、それは遊ぶものじゃないから乗ってはだめよ、

と注意しなくてはならなかったとしても、

子どもといっしょに、ヒヤヒヤする高いところを通っていく冒険の話をするとか、

積み木で道路の段差を作っていってお人形を渡らせる遊びに発展するといった

楽しい遊びの発見につながりますから。

子どもは「どうしてそこまで面白いの?」と驚くほどに喜ぶことでしょう。

子どもにとって自分の好きなものとの出会いは、

「自分らしさ」との出会いであって、

個性を輝かせるチャンスでもあるのです。

 

こうした子どもの「好き」を見つけるのに、物作りほど最適なものはありません。

ダイナミックか、几帳面か。きれいな色使いが好きか、

パワフルに大きなものを扱うのが好きか。アイデア重視か、出来栄えに敏感か。

お手本を見る観察力があるのか、自分で考えて動く子か。

科学的な仕組みに関心があるのか、想像力を刺激するものが好きか、

新しいルールを作りだすことが好きなのか。

子どもの作るものの出来栄えばかりに気を取られていると、

子どもの「好き」は見えてきません。

まずいっしょに楽しむこと。作りたがらなければ作ってあげるのもいいです。

子どもが目をキラキラさせる場面があればどんなものを好むのか見えてきます。

「こんなものを作って!こういう風にして!」と注文を出すようになれば、

いっそうはっきりするでしょう。

作るのが苦手だから難しいというときは、

子どもといっしょに他の子の作品や、身近な物の仕組みや、動植物の姿を眺めて

感動するだけでもいいんです。「すごいね。どうやって作ったらいいのかな?

紙をくるくるってしたらできるかな?」と相談しあうだけでも、

その子の心に響くものが何かわかってくるはずです。

 

身近な大人は、子どもの好奇心が世界の不思議に向かって開かれていくよう

導いていくことができます。 

頭と手を使って、工夫し何かを生み出す喜びを伝えてあげることが

できます。

想像力を膨らませて人生を楽しいものにする方法を教えてあげることができます。

 

学ぶことの面白さ。

夢中になること、達成感を味わうことで満たされる気持ち。

世界中に自分の好きなことは溢れていて、好きなことはいつでも

見つけることも探しにいくこともできるし、

自分で作りだすこともできるということ。

 

そうした気づきはどれも、子どもが「好き」なものを通して身につけて

いくことができるものです。

 

最後にわたしが子どもたちに向けて書いた詩を紹介させてくださいね。

子どもに贈りたいものを心に巡らせながら、

ひとりひとりの子どもたちの幸福を願って書きました。

 

 

『小さな友へ』

 

世界をかけぬけ

手当たり次第につかみとるすべは

むずかしいようで 意外にやさしい

 

天指して地面にまっすぐ立つすべ

世界を味わいゆっくり抱きしめるすべは

当たり前のようで

本当にむずかしい

 

小さな友よ 

教えてあげようか

 

朝つゆで顔を洗えば

春を見ることができる

走りたいからと走り

笑いたいからと笑えば

夏に触れることができる

 

友を失って

再び得たなら

秋を感じることができる

未来の花が咲くまでの

ささやかな孤独を愛せるなら

きっと冬を知ることができる

 

あまたの貴重な宝のなかから

ひとつだけひとつだけ

小さな友への贈り物をえらぶとしたら

「答えのない問い」

それがいいだろう

 

 

↑大好きがいっぱい♪


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