虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

発達障害のある子のお友だちとの関係をサポート 2

2013-01-27 21:59:16 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

発達障害のある子のお友だちとの関係をサポート 1

の続きです。

 

★くんといっしょに過ごしている間、「クイズですよ」と言うと、「はい、はい」と元気に手を挙げて

「工作の時間よ。さぁ、椅子を持ってきて」と言うと、

「はい、はい」と椅子を取ってきて席に着く☆くんには、

集団での活動の問題はほとんどないように見えます。

 

でも、以前、他のグループでのレッスンの際は、他の子が呼ばれて集まっていても

ひとりだけうろうろしたり、「○○の時間」というみんなでする活動には参加しようとしませんでした。

 

☆くんのお母さんは、保育園や習い事の場でもそうした指示の通りにくさや

集団活動での問題が見られることを気にかけておられました。

 

が、今回、わたしと☆くんと★くんの3人だけで遊んでいる間中、

☆くんはずっと上機嫌で、わたしの言葉かけに即座に反応し、何かするたびに★くんといっしょにすることを欲し、★くんに話しかけたり、

★くんについてのクイズに答えようとしていました。

★くんは、☆くんを安心させ、積極的に振舞わせる要素を持っているようです。

 

★くんはムスッとした表情をしたまま、誰かが近づくと嫌がるそぶりをする

友好的とは言いがたい態度を取る子です。

そんな★くんを気遣って、わたしは新しい活動に入るたびに、

ゆっくり、わかりやすい短い言葉で、片手を挙げて合図をしたり、手を打ち合わせて合図をしたりして、

次にする活動を言葉にしていました。

目で見てわかるものを提示したり、そっと背中をとんとんして知らせたりして

何をするか気づかせてから、ひとつひとつ行動に移し終えるまで見守っていました。

また、行動の急所や理由に気づくように、身振りを交えた解説やクイズを出していました。

 

そうした関わり方をしていると、1度耳にした時は無視しているように見える★くんも

ゆったりともう一度うながした時には

行動に移すことがわかりました。

自分が次に行うことを判断することだけに集中できるような

静けさや刺激の少なさも自発的な行動につながるようでした。

 

そうした★くんへのていねいな提示や★くんが行動に移すまでに

少し時間がかかることは、

☆くんにとってもとても過ごしやすい環境を作りだしていたようです。

 

☆くんの積極的な言動からは、

「自分が何をしたらいいのかよくわかる」ことからくる自信が

伝わってきました。

 

☆くんは状況を読んだり、何をすべきか判断したりすることに

困り感を抱えているようです。情報の処理にもかなり

時間がかかっているようです。

人が好きで従順な子ですから、本人としては困っていても、

外から見ると困り感が見えにくいし、

扱いやすい子でもあります。

ほんの少していねいなサポート(☆くんの場合、よりわかりやすい提示の仕方や解説)

があれば、☆くんのお母さんが気にかけておられるような

「指示が通りにくく、一人だけうろうろ……」といった場面は減ってくるのかもしれないのに、

適切な配慮を受けにくいのが気にかかるところです。

 

★くんは自分から☆くんに話しかけていくことはありません。

急に「こうしよう」「ああしよう」と誘いかけることもありません。

 

そのおかげ……といったら変なのですが、☆くんは★くんの世話をあれこれ焼いたり、ちょっと一方通行な

おしゃべりを繰り返したり、「★くんは、~なのかな?」と★くんの気持ちを推測したり

するのがうれしくてたまらないようでした。

 

途中ですが、次回に続きます。


世界の建物 と 3歳児の知恵遊び、 年長さんと算数

2013-01-27 17:52:38 | 算数

  

年長さんの★ちゃん、☆ちゃんと 3歳の弟の●くんのレッスンの様子です。

 

3Dパズルの世界の建物をあちこちに飾って、街を作って遊んでいました。

●くんは消防隊員になって教室に飾ってあった建物に救出に出掛けていました。

★ちゃんと☆ちゃんが協力して作っていたキラキラ屋さん。

 

恐竜の背中にたるを乗せて、お姉ちゃんのところに

宝物を届けるのだそうです。

右の写真は、ライオンと泥棒さんが戦って、泥棒さんが、「もう悪いことしません」

と謝っているところです。

ブロックのプレゼントのパーツ。

ちゃんとブロックにはまるので、開けるとブロックの突起が見えます。

それを見た●くん、「あっ、マジックショーみたいだね。ぼく、マジックショーを見に行ったことがあるんだよ」

と言っていました。

 

ピントが合っていない写真ばかりだったので、工作の様子をきちんと紹介できないのですが、

★ちゃんと☆ちゃんはお家を作り、●くんはストローで吹きあげるエレベーターを作っていました。

 

お母さんの話によると、☆ちゃんのお家での工作が、どんどん凝ったものに変化しているそうです。

掃除機を作るにしても、ゴミを捨てる部分をどのように作るのか、といったところまで

工夫を凝らしたものになってきたのだとか。

今回のレッスンで、いろいろなアイデアを盛り込んで工作を続け、

「後5分しか時間がない」という間にも、「お家と机といすが作りたい」と言って

新たな作品を大慌てで作っていました。

●くんとハムスターを使って「間違い探し」をしているところです。

パターンを作って並べていく問題や、簡単な算数遊びも楽しみました。

 

★ちゃん、☆ちゃんの算数タイム。

100以上の数の計算をしたり、文章題を絵を描きながら解いたりしました。


将来のビジネスのビジョン? と 円の面積と円の角度

2013-01-27 17:10:52 | 初めてお越しの方

 

小学3年生の女の子の算数クラブの様子です。

これまでも学校で工作グッズを流行らせて

教室内に会社まで設立していた★ちゃん。

 

今回のレッスン中、偶然できあがったノミ人形に、

「これはイケル!」とビビビツと来た模様。

 

「学校で売るわ」と言って、たくさんノミ人形を作った後で、学校内で生産するために……と材料を

袋に詰めていました。何でも、自分で造幣局も兼ねているので、

売れることまちがいなし、なのだそう。

それが売れなかった時のために、貝細工の「なめくじ」人形(赤い箱の中)も作成。

右の人形や宝箱は今回の女の子たちの作品です。

この「ノミ」や「なめくじ」をかわいいと思うセンス……「なめこ図鑑」や「こびと図鑑」の流行にも

通じるブサかわいい、キモかわいい?の世界。

 

算数タイムには、円の面積の問題を基礎から始めて

入試に出た応用問題までたくさん解きました。

面積の問題は、折り紙パズルのような要領で解けるためか、

どの子もとても面白かったようです。

 

 

 

全員が頭をひねったのは、角度の応用問題。

二等辺三角形を見つけ出したり、作ったりすることで、

角度を求めていくコツが身に着きました。