「彼らが本気で編むときは、」

2017-03-09 19:54:23 | 映画
ある1行を見なければ、気づかなければ、とっても素晴らしい作品!

いや〜、もう斗真君演じるリンコに釘付け!!!悪い意味じゃなく、KABA.ちゃんにしか見えなかった!

ホンマに素晴らしい!!!これはもう男優賞、男優賞!いや、女優賞か???

見事な役作りでした!!!

ということで、ニコールの「アラビアの女王」で予告編を見た時から、斗真君のトランスジェンダーぶりにめちゃくちゃ惹きつけられ、私が大好きな「かもめ食堂」の荻上直子監督作品ということもあり、そして、りりいさんの遺作、最後の作品ということで観てきました。ちなみに、「ラ・ラ・ランド」の予告編には全く惹きつけられませんでした。ビビビッと来なかった。

いや〜、ホンマに、斗真君、見事な役作りでした!

っていうか、あんな女性、今のご時世、リアルに存在するのだろうか…。あ、世の女性皆様、ごめんなさいm(_ _)m


とにかく、優しい涙が溢れる本当に素晴らしい作品でした!!!

LGBTは、今はもう普通に認知されてきているとは思うけど、いざ実際に身近にリンコさんのような方がいたら、まだまだ差別の対象になるんだろうな…と思った。

それでもやはり、マキオの台詞じゃないけど、もはや、人間は外見じゃなく、中身だよ!と言わんばかりに、リンコさんがとってもチャーミングで素敵でした!あのマキオの台詞最高に好き!相手が男とか女とか関係ないんだよ!人間性なんだよ!

あ、108個の毛糸の煩悩を編んでいるリンコ、トモ、マキオの姿が仲睦まじくて癒される。

大人のリンコの抱える苦悩だけでなく、トモの同級生で、同性の先輩男子に恋する男の子の苦悩も同時進行で描かれていて、私にはJGBT版「若きヴェルテルの悩み」を観ているようでした。

この作品を見たら、間違いなくLGBTに対する偏見は減るとは思うけど、実際に、自分の子供が同性愛者だったら、果たして田中美佐子さん演じるリンコママになれるのかな?実際は、小池栄子さん演じる同級生ママみたいな方が大半なんだろうね。

斗真リンコもさることながら、桐谷君のマキオも素晴らしかった!ずっと、いつまでもやんちゃな大阪の兄ちゃんのイメージしかなかったのですが、このマキオは、その桐谷君のイメージを覆す、というかは、桐谷君が本来持っているピュアさを全面に押し出したかのような好青年ぶりでしたね!

リンコとマキオ、エエカップルでした!男同士ではない、役を超越してホンマモノのカップルにしか見えなかった!二人が醸し出す雰囲気が本当に癒されました。

斗真リンコを見ていたら、KABA.ちゃんが正真正銘の女性になった時の映像がフラッシュバックされて、KABA.ちゃんもリンコも頑張れ!って応援したくなった。あと、トモの同級生の男の子もね。

大人の苦悩だけでなく、子供の苦悩も描かれていて、演じた子役の男の子2人は、役作りが本当に大変だったと思う。良く頑張って演じた!!と褒めてあげたくなった。

トモを演じたりんかちゃんは、乙女な男の子たちとは逆に、勝ち気な女の子ぶりを好演してました。最後は、本当はハッピーなんだけどなんか切ないね。

マキオのお母さん役のりりいさん。認知症なのかそうでないのか分からないお母さん役が、最後に見る役で良かった。「湯を沸かすほどの熱い愛」は、ほんの数秒の出番でしたが、本作は、かなりキーパーソン的存在だったので、最後がこの役で良かった!

荻上監督作品だけあって、ワンシーンワンシーンの間が最高だった!決して間延びしない絶妙なさじ加減の間でした!三人で寝ている時間の間、編み物をしている間、とってもとっても愛おしい間でした。

この作品、意外と下ネタ満載なんですが、デリケートな題材なのに、その下ネタが逆に、リンコ&マキオカップル、リンコ&マキオ&トモの関係性にリアリティーを与えていたと思った。特に、煩悩ね。(笑)

女性なのに、よくもまあー、荻上監督もあんな脚本書いたもんやわ!と感心するほど。調査に調査を重ねたのかな?って印象。

調査に調査といえば、何度も書きますが、斗真君の役作り!いや〜、完全に女性やった!ただ、半袖で腕を映像に映したのは監督のミスだと思うよ。あそこは長袖で隠さないと…。あの腕は、リンコではなく斗真君やった。あと、一瞬映る変な黒い影も編集ミスだと思う。あ、私にしか見えなかったとか言わないでね〜(汗)

それも手作り感があっていいんだけどね…。

ぶっちゃけ、性同一性障害って表現って嫌いなんだけど、大人たちもさることながら、同性を好きになって悩んでいる若者たちにも観て欲しい作品です!もちろん、その親御さんたちもね!

偏見がない世界になればいいね!

今日のまとめ:この作品を観る前に一つ決断をしてたんですが、観たあとも更にもう一つ決断しました。覚悟を決めました。今しか出来ないことをする覚悟を。神様のお導きがあれば、挑戦します!

なんのことかは、閉鎖しなければ、今年のまとめに書きます。

追記:浦井氏、芸術選奨演劇部門文部科学大臣新人賞受賞おめでとう!!!いやいやいやいや、凄いやん!?新人賞やで!!!

もう新人じゃないと思うねんけど…(笑)

m(_ _)m

「足跡姫ー時代錯誤冬幽霊ー」

2017-03-01 08:59:14 | 舞台
ソワレは、こちらを観てまいりました。

いや〜、コレ、とんちゃん観たら絶対大泣きするよ!!!

本当に失礼な話、ワタクシ、勘三郎さんの歌舞伎、生で一度も観たことないんですよ。もちろん、野田さん演出の歌舞伎もね。TVでは、バラエティー番組に出てる勘三郎さんを観てる方が多いかも。唯一まともに観た勘三郎さんの歌舞伎は、「夏祭浪花鑑」のニューヨーク公演だけ。

で、この「足跡姫」って勘三郎さんへのオマージュって言われてますが、私には、どう見ても、野田さん自身の過去作品のオマージュにしか思えなかった。もちろん、野田歌舞伎を観てないからかもしれませんが、この作品を観ながら、たくさんの野田作品がフラッシュバックされた。野田作品だけでなく、蜷川作品もね。

確かに歌舞伎仕様の舞台演出ではあるんだけど、内容は、間違いなく第二幕は、「オイル」と「桜の森の満開の下」がベースにあると思った。

フラッシュバックされた作品は、その他、「贋作 罪と罰」「MIWA」。りえちゃんと杏ちゃんの2人といえば、蜷川さんの「元禄港歌」。あと、「夏祭浪花鑑」要素もあった。あ、りえちゃんの初舞台作品「ジプシー」の要素もあった。あと、紅天女要素もあった。あと、「Wの悲劇」要素も…なんか、私の為の作品でもあった感覚。だって、出雲大社にも行ったしね。


勘三郎さんへのオマージュであると同時に、野田さんご自身、そして舞台で生きた方々へのオマージュ作品だと言っていいかもね。

あのプレイハウスが完全に花道、スッポンがある歌舞伎仕様の舞台美術になっていて、それだけでも観に来た甲斐がありました!

残念なことに、この作品に限っては地方公演がないんですが、松竹座とか博多座なら可能だったはず!

ありがたいことに、「ビッグ・フィッシュ」と同じ日のチケットが取れた訳なんですが、今思うと、やはり、これもお導きだったのかな…って思う。

で、作品としては、

過去最高の言葉遊びセンスが光った作品だったと思う!!!過去最高傑作だと思う。ま、分かりやすい作品でもあったしね。

それくらい、言葉遊びが、もはや親父ギャグのような遊びでなく、シェークスピア並みのセンスを感じました。もはや、遊びではなく魔術?呪文?、魔法の言葉だった!もう、ずっと唸りまくりだった!

今回に限ってはm(_ _)m言葉のセンスがキレイ!特に母音と子音の発想なんて美しかった!
あと、由井正雪と売れない幽霊小説家も!


りえちゃん、とうとう大竹しのぶになっちゃいましたね!あれは、第二の大竹しのぶの演技だった!足跡姫の時なんて、声の出し方がしのぶさんと一緒だった!すんごく良くなってた!!
足跡姫、カッコよかった!

サルワカ役の妻ブッキーもなかなか説得力がある演技・存在感でした!ブッキーは、野田作品の方が活きる!

古田さんは、「MIWA」とダブる存在だった。一種のフランケンシュタインの怪物的役割も担ってましたが、美味しい役でしたね!

杏ちゃんも佐藤隆太さんも、池谷のぶえさん、扇雀さん、そして、野田さんも、最高なキャラクターでした!

野田さんなんて、誰よりもひと一番元気だったと思う。あのはしゃぎっぷりは最高だった!まだまだ若い!



続き…、

今、仕事から帰宅。そうか、今日東京から帰ってきたのか…。仕事と大失態の対応で、今日帰って来たことをもう忘れてた。

野田さんの過去作品がフラッシュバックされただけあって、野田さんの集大成的作品であることには違いないと断言できる。これ、野田戯曲の中でNo. 1です!

ホント、言葉のセンスが素晴らしかった!ここまできたら親父ギャグじゃない!どうしたの、野田さん???って感じ。急に洗練された印象。昔みたいに客に喧嘩を売った台詞があるわけじゃないし。あの母音と子音の発想は、ホント素敵!!!

そう、今回はパンフレットと戯曲掲載の新潮を購入したんですが、りえちゃんのコメントが私にはリアルに痛い…。りえちゃんの言う通りだよ!生身の人間と恋愛しないとね。妄想やバーチャルな世界の人間と恋愛しても真実の愛にはならないからね。やはり、生身の人間と関わることで、良いことも悪いことも学び成長していくんだもんね。傷付くことを恐れたら前進できないもんね!

そうそう、舞台装置?美術?が良かった!あのプレイハウスが歌舞伎座に大変身!花道、盆、板床、スッポン…。面白かった!


勘三郎さんへのオマージュ作品というより、勘三郎さんへのメッセージはめちゃくちゃ伝わってきた。

勘三郎さん、きっと、俺に伊達の十役人させろよ!って思ってるね!俺ならもっとやらしく出来るよ!みたいな(笑)

あと、舞台に生きる人々へのメッセージも。私も、小さい箱でいいからお芝居したい!ま、その気になればいつでも出来る。ただ今するかしないかだけの問題だけど…。実際は、今の私がやるべきことではない。したいだけ止まりですが、一応、いつか舞台でお芝居したい!と書いておかないと実現しないからね(笑)

今日も、私の大失態でご迷惑をおかけした方とお話をしていて、今は、観劇するのも憚れる思いでいっぱいになった。昨日の観劇は、今年はもう東京に行けないかも…という思いが強かったので後悔しないためにも行きましたが、「ビッグ・フィッシュ」も「足跡姫」も観劇出来て良かった!もう後悔なし!「ヘンリー5世」は観たかったが…、今年はそれどころじゃないね。

でも昨日は、神様、お導きありがとうございました!

明日からも仕事と数多の試練と向き合って強い人間になります!

そう、自分の「ビッグ・フィッシュ」の感想を読んでいて、お前は一体何歳やねん!?ってツッコンでもうた(笑)エエ歳したオッサンが、親がいてくれたら…ってか!?お前は、ガキかっ!だから甘ったれやねん!って言いたくなった。めちゃ恥ずかしい文章でした。でも残しておきます、閉鎖するまでは。短所も長所も含め丸ごと私自身ですから!!